note_-_イントラプレナーしくじり先生

新規事業失敗事例 No.003: 綺麗なパワポを丁寧につくる

事業創造は「机上の空論」では起こらない。ネットサーフィンで調査もどきをしても、本をいくら読んでも、デスクでうんうん唸って考えても、事業は創られない。

「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」とはとあるドラマの有名な台詞だが、まさに「事業創造は会議室では起きない!現場で起きるんだ!」


社長への新規事業提案のミーティング。

狙うべきマーケットに顧客の課題、カスタマージャーニーにソリューション、そしてプロダクトアイデア、マーケティングアイデア。売上の目標やアクションプラン。一通りの説明を終えて、社長の顔色を伺う。

難しい顔をしていた社長が、顔をあげて一言。

「このフォントサイズ、ルールと違くない?」

それに何の意味が?


確かに、会社としてのオペレーションによって効率化は欠かせない。

資料作成のルールはその1つ。作る人によって体裁がバラバラでは、資料の「把握」に脳みその処理を使わざるを得ない。それでは判断材料がぼやけたり、判断スピードが遅くなる。だから資料の体裁を整えることに、効率化の意義はある。

しかし、新規事業にとって重要なのは「スピード」。

スピーディに仮説を設定し、検証方法を考え、実行しインサイトを得て次の手立てを打つ。そのサイクルをとにかくスピーディーにまわす。

もちろん、アイデアは誰にでも思いつくものであり、早く行動し成立させなければ競合が現れる、という側面もあるが、「スピード」そのものに意味があるのではなく、それ以上に仮説検証サイクルの回転率をあげることが重要なのだ。

仮説の単位を極限まで分解し小さくし、仮説検証にかかる時間を少なくし、インサイトの数を多く得る。そのための行動を重ねる。

その時、資料を綺麗に丁寧に作りこむ時間などあるだろうか。資料化はそれなりに時間がかかる。ましてや綺麗に整えるとなれば、さらに時間がかかる。

その時間を仮説検証に使った方が、新規事業においては有益ではないだろうか。


新規事業は現場の行動量が勝負。

スピードよりも回転数。
仮説検証のサイクルを素早く大量に回せ。

そのインサイトの積み重ねが価値創造に繋がる。
資料の紙をいくら積み重ねても何も産まない。

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