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日本の“道の追求”と“魔改造”が未来を切り拓く

ギンザ・ニシカワのオオクボの考えでは、アメリカで人気が上昇しているのは、単体のパンというより、食パンを使った日本風のサンドイッチ(sando)だ。
「寿司ブーム、ラーメンブームの次として、いまサンドイッチのブームが来ているような気がします」

世界が注目。日本食ブームの最新型は「高級食パン」


✔︎ 日本は外国の文化や技術を受け入れ、極限まで高める「道の追求」の精神を持つ
✔︎ それをさらに独自に進化させ、新しい価値を生み出す「魔改造」の国でもある
✔︎ ITの世界でも、日本の「道の追求」と「魔改造」の気質が新しい価値を創出する可能性は大いにあり得る


日本の歴史は、外からの影響を受け入れ、それを独自のものとして昇華させることで繁栄してきた。日本人の「道の追求」と「魔改造」だ。

古くから中国や朝鮮半島、さらには西洋との交流を通じて、多くの文化や技術を取り入れてきた。しかし、単に取り入れるだけではなく、それを徹底的に追求することで本家を上回り、その上で日本独自のものとして進化させ、新しい価値を生み出すプロセスが行われてきた。

日本人の精神に染み渡る「道の追求」

「道」とは、一つの技術や芸術、あるいは職業において、極限までその技を磨き上げることを指す。日本には、茶道、華道、武道など、多くの「道」が存在する。これらは、単なる技術や芸術ではなく、その背後にある哲学や精神をも追求するものである。日本人は、この「道」を追求することで、技術や芸術を極限まで高め、世界に誇る独自の文化を築き上げてきた。

この日本人の性質は高度経済成長をもたらすこととなった。日本人はゼロからものを生み出す力に長けている時代はほとんどない。基本的には海外で起こったイノベーションを、その内に取り入れ、独自に進化させることで発展している。

「恒久的な工業製品は、ドイツ人が発明し、イギリス人が投資し、アメリカ人が製品化し、フランス人が装飾し、イタリア人が宣伝し、日本人が高性能化し、中国人がコピーし、生きつづけている」というジョークは言い得て妙だ。

道の追求の先の「魔改造」が創り出す新しい価値

「魔改造」とはオリジナリティの高い独自の改良を加えて新しい価値を生み出すことを指す。日本の技術者や職人は、外国から取り入れた技術や文化を、日本の環境やニーズに合わせて改良し、新しい形で市場に出す能力に長けている。

カレーライスは、インドのカレーの系譜から掛け離れた発展をし、日本の国民食になった。ラーメンも同様だ。たらこスパゲティに代表される和風パスタもまた然り。母国の人たちからすれば、自国の料理とは到底認められないだろうが、それでも美味しいと食べている。

海外の市場においても、この日本独自の価値を理解し、受け入れてもらうことで、新たなビジネスチャンスを創出することができるだろう。

ITの世界で起こる得る「道の追求」と「魔改造」

つまりは結局のところ日本人はゼロからモノを作り出す力よりも、あるものに独自の改良を加えることによって圧倒的に発展させる力が強いのだ。

これを現代に当てはめてみるとするならならば、アフター・インターネット、アフター・デジタルの世界においては、日本は圧倒的に遅れをとった。デジタル・プラットフォームが世界を覆い、世界を変える中で、日本はプラットフォームの地位を獲ることはできなかった。

確かにそれは大きな損失だ。それによって計り知れないほどの規模の富が、毎年のようにプラットフォーム国に流出してしまっている。

しかし、日本人の「道の追求」と「魔改造」の気質に着目するならば、ここからが腕の見せどころというところである。世界は変わった。もはや未来の変化は一定程度落ち着いた可能性も高い。その安定期に世界の人々が安定に安寧としているところに顔を出すのが日本人のヲタク気質だ。誰もがこだわりもしないところを徹底的に拘って、世界を変える可能性がある。ソニーが小型化で世界に冠たるブランドを手にしたように。

日本の「道の追求」と「魔改造」の力は、歴史的背景から現代に至るまで、日本の文化やビジネスに大きな影響を与えてきた。これらの力を理解し活用することで、今この瞬間だからこそ、日本は世界に新しい価値を提供するチャンスがあるともいえる。自分たちの力を信じて、今まさに「道の追求」から始めていこう。世界が驚くクレイジーさが、世界をより良くする可能性は十二分にある。



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