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学生時代のヨーロッパ旅行(その五、イングランド)

7月に入り、Tiptree International Farm Campでの2ヶ月の滞在を終えて、ヨーロッパの長期旅行をスタートさせました。第一段階はイギリスを縦断してスコットランドに行くこと。そこから北アイルランドに渡り、アイルランドに入国。アイルランドからフランスに渡るというスケジュールを立てました。

ヒッチハイク

大まかにケンブリッジに行くことにして、ただ移動手段として全てヒッチハイクをする様にしました。キャンプにいた時に行ったヒッチハイクがとても面白かったので、いったいヒッチハイクでどこまで行けるのかやってみようという試みでした。

ヒッチハイクは、A3くらいの画用紙にサインペンで行き先を書いて幹線道路に立つという方法にしました。コルチェスターはのヒッチハイクの際に、遠くまで直接乗せてもらうのにこだわって、なかなか車がつかまらなかったことを反省して、声をかけてもらえた車にはすぐに乗って、乗せて行ってもらえるだけ移動する様にしました。

そうしたところ、結構なスピードで乗せてもらえました。大体において5分から30分くらい待つと、車が停まってくれます。イギリス人の好意に甘えて、一日大体3台から5台の車にお世話になりました。

一度などは、宿に荷物をおいて、ヒッチハイクでどれだけ移動するのか実験してみました。そうしたところ、午前中で5台午後で5台、延べで10台もの車にお世話になりました。
この様にたくさんの運転手がヒッチハイクする若者に便宜を図ってくれるというのは、その当時ヨーロッパではそれが比較的安全な交通手段だったのでしょう。それがために、フランス人イタリア人の友人がこぞってこの方法で近距離の移動をしていたのだと思います。

Hedingham Castle

ケンブリッジに行くまでには、専らヒッチハイクの実験だったので、移動はあまり効率よくありませんでした。途中で、Hedingham Castleという城を見学したことを覚えています。
日本の城郭が天守閣を中心にとても複雑な構成をしているのに比べて、ほぼ正六面体の形をした城にとても違和感を感じたことを覚えました。この様な真四角の建物にしたのはどういった理由があったのでしょう?

Hedingham Castle

ケンブリッジ

イギリス旅行の初めの目標としたのは、ケンブリッジでした。歴史あるケンブリッジ大学があることで著名な大学都市です。
ケンブリッジを見学した際に感じたのは、大学のキャンパスが街と一体になっているということでした。日本で大学に入る際には、何らかの形で大学のキャンパス内と外が仕切られていることが多いと思います。そうやって、深夜とか休みの際にキャンパス内に人が入ってくるのを避けている。セキュリティー管理をしっかりしているという印象があります。それが、ケンブリッジ大学ではキャンパス時代が街の一角になっていて、それぞれの建物は大学の学部なのだろうけれども、キャンパスの内外を仕切る塀の様なものがなく、全く街の中の建物の一部といった風情がとても印象的でした。

ロンドンに戻り、そこから湖水地方へ

当初、ケンブリッジからそのままヒッチハイクをして北上しようと考えていたのですが、ここでトラブルが起こってしまいました。旅行資金が底をついていたので、クレジットカードを使って現金を引き出そうとしたのですが、その時準備していたクレジットカードでは、ケンブリッジでは対応できないのでロンドン支社に行ってくれと言われたのです。
それで、このままスコットランドまでヒッチハイクで行こうと考えたのですが、いったんロンドンに戻ることになりました。

そして、ロンドンではお金を引き出すことができましたが、流石にそこからあらためてヒッチハイクをやる余裕は時間的に無くなったので、ここからは湖西地方まで長距離バスを利用しました。

湖水地方は、イギリスでスコットランドに入る前の観光地として選びました。記憶しているところでは、標高の高い高原にたくさんの湖がある景観地で、ロンドンの市街地とは異なった、とても穏やかな時間の流れているのどかな景観地でした。

カーライル

湖水地方からは、カーライルという街を経由してスコットランドに向かいました。

カーライルで印象に残っているのは、この街の城壁です。Hedinghamで見たお城が、宮殿といった趣きであったのに対し、カーライルの城はイングランドとスコットランドの戦いの最前線にある、戦場に立つ戦争のための砦という様子でした。
日本にある著名な城も、どちらかというと統治のための威信を示すという平城という風に考えられます。そもそも天守閣というのはその様な意味合いのものです。統治者が非統治者を見下ろすための塔なわけです。
それと比べると、見てくれやデザインには全く見向きもせず、ひたすら戦争のための道具として作られた建造物という印象がとても強く、衝撃的でした。

また、実際に見ることはありませんでしたが、スコットランドとイングランドの間には、ハドリアヌスの長城と呼ばれる軍事施設があると聞きました。

日本人がイギリスと呼んでいる国は、実際はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国:United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandという名称です。略称でUnited Kingdom。一つの国ではなく、複数の国の連合体だということがこの様な歴史遺産を実際に見ることで如実に分かりました。





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