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3人制バスケ・3x3を図解してみた vol.2 世界ランキング1位はどこか?

バスケと言えば

vol.1で3x3(スリーエックススリー)の世界ランキングがどうやって出来上がるのか、その仕組みを図解しました。今回はそこから進み、男子の国別ランキングを例に、3人制で一番強い国はどこなのか、見ていきましょう。

そもそもバスケットボールと言えば、真っ先に頭へ浮かぶ国は

アメリカ

だと思います。現在、世界ランキングは男女ともに1位。オリンピックで男子は18回の出場で15度、女子は9回の出場で8度の金メダルを獲得。男子はNBA、女子はWNBAという世界最高峰の舞台があります。

3人制の勢力図

一方で、3x3ではどうでしょうか。下図は国際バスケットボール連盟(FIBA)の最新(2020年4/1時点)のランキングTOP20です。

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いま3人制で覇権を握るのは、男子セルビアです。しかも青字のポイント数が物語る通り、2位・アメリカを引き離して断トツ。前回触れたように、このランキングは、各国の上位50人が持つポイントの合計値です。つまり、同国の50人は、多くのポイントが獲得できるハイレベルな国際大会へ数多く出場、圧倒的な好成績を収めているということです。参考までに彼らが残した2019シーズンの主な戦績は以下の通りです。本当に圧倒的なのです。

●クラブ世界TOP12チームが出場する優勝決定戦へ国別最多の3チーム出場
●クラブ世界TOP12チームが出場する優勝決定戦でチャンピオンを輩出
●クラブ別世界ランキングTOP30で6チームがセルビア勢
●個人別世界ランキングTOP200のうち、国別最多35人がセルビア国籍選手

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写真:FIBA.com
昨季のクラブ世界No.1・ノヴィサド(セルビア)

欧州がけん引

またグラフを見ての通り、3人制ではセルビアをはじめ、上位20カ国中、13カ国がヨーロッパ勢が半数以上。ロシア、スロベニア、ラトビア、リトアニアなど東欧諸国からオランダ、フランス、スイスなどの西欧諸国まで広がっています。これらの国々もセルビア同様、クラブチームの選手たちがハイグレードな国際大会にどんどん出ていき、結果を出すことでポイントを獲得。この競技をけん引しています。

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写真:FIBA.com
昨年のワールドカップ覇者・アメリカ代表

もちろん、アメリカも負けていません。昨季、代表チームはワールドカップで初優勝。クラブ世界TOP12チームが出場する優勝決定戦ではベスト4に2チーム、うち1チームは準Vを飾って台頭していました。まだまだ世界1位の座は遠いですが、バスケットボール大国が今後、3人制の勢力図を塗り替える可能性は大いにありえるでしょう。なお女子は世界ランキング1位がフランス、2位に中国、3位にロシアと続きます。

FIBA 3x3男子国別ランキング
FIBA 3x3女子国別ランキング

日本の現在地

最後に、男子日本です。最新の世界ランキングで女子日本が世界4位、アジア2位と好位置につけている姿と対照的に、世界12位、アジアでは中国、モンゴルに続き3番目です。一時はランキング4位という時期もありましたが、代表やクラブチームが出場する国際舞台での戦績、ポイントを算出する世界的なルール改定等によって、後退しています。昨年11月に当時のランキングに基づいて、東京オリンピック(2021年へ延期)への出場権(開催国枠)は手にしているだけに、今後の代表強化や、ポイントの高い国際大会で結果を出し続ける選手、チームの成長が待たれます。

昨季、日本勢としてはTOKYO DIME、UTSUNOMIYA BREXという2つのクラブチームが過去最多の海外転戦を敢行して、世界の強豪相手に爪痕を残しました。2020シーズンも8月末からクラブチーム世界No.1を決めるツアー大会が幕を開ける予定です。コロナ禍で実施される大会が現状、3度しかスケジュールされていないものの、彼らも出場の可能性があるだけに、再びその舞台へ立つ勇姿を注目しておきたいところです。

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写真:FIBA.com
昨季、日本勢で世界最高位のUTSUNOMIYA BREX

追伸
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