京都 懐かしの名店1

「トミオ」
はたして今思い返してみると正式名称が「とみお」だったのか「トミオ」だったのか。私の頭のなかでは「トミオ」だったはずだし、暖簾のひょうたんにも「トミオ」と書いてあったはず。ただ、レギュラーの日本酒が「富翁」だったので少し不安になる。まあ、ここでは「トミオ」で押し通すことにする。

ある人からこんな話を聞いた。
「蕎麦屋なのに飲み屋。開店から男サラリーマンで満員。めちゃくちゃ安い」

どういう状態かまったくわからない状況で行ってみた。

18:00前。表に品書きが置いてあって、蕎麦だけでなくカツ丼とか、オフィス街の飾らないにもほどがある昼飯メニューが書いてある。見た目も食堂。暖簾の下の、小さなアルミサッシの引き戸を開けてみる。開けるなり驚いた。かなり先輩のおばあちゃん、もといおかあさんが
「堪忍、満員やねん!ごめんな!」
そこにはサラリーマンに次ぐサラリーマンがあふれ、カウンター、テーブルを埋め尽くしている。4人掛けの狭いテーブルに五人掛けもいる。
「じゃ、また来ます」
「堪忍な!」
の言葉に見送られ帰路に着いた。
17:54。早すぎるカオス。
カオスUK。
つづく。

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