時間のシャッフルについて


その日 僕は最後の詩を捻り出そうと
部屋に篭っていた 
突然ラジオから アントニオカルロスジョビンの「3月の水」が流れる 
菊地成孔の解説付きで 
それはだいぶ前の放送だった 

インターネットの効用の一つとして【時間のシャッフル】というのがある 人は大抵無自覚にそれを受け入れるが 僕は詩作を通じて 
過去と未来が同じところにある
神秘体験を
享受できた

それをここで一度
円錐形のトンネルと名付ける

パースペクティブは曲線になり 
前方と後方がつながる 
繋げていくとそれは 
巨大な円盤のような形になる 
僕はメタ的にそれを理解する 

僕は円盤のあらゆる内部に
円盤をとりかこむ全ての外部にいる
世界に溶けていく

三月の水は1973年に発表された 
この放送は2011年に流れた 
日本人にとって1000年に一度の特別な年 
千年前の祇園祭をオリンピックに置き換えようとしたグローバリストは 古都に葬られた 
日本の反対側の国ブラジルでそれは預言され
僕は2024年それを知って驚く 
ブルースウェバー ボサノバ ポルトガル料理のレストラン 神戸の樋川筋 断片の記憶がつながっていく 
ブラジルというキーワードで 
ジョビンの三月の水という曲によって 

3冊の本 
1989年から2022年の33年、
あるいは平成の30年、
3という数字が特別な数字になる 
トリニティ ジャンコクトー 
こうして 
僕は僕の円錐形の感覚について
意図せずして説明してしまった 
最後は
ジャンコクトーというわけだ

吉増剛造はコクトーに似ている
僕はそうネットに書いたばかり
こうして別な角度からまた 
コクトーに接続する
そして20年以上前
僕はこのことを知っていた
そんな気もする


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