インサイドセールスの生産性を200%高めたSales Engagement Platform 「Outreach(アウトリーチ)」の全容を徹底公開
こんにちは。山梨(@device0462)です。
私が5年以上、インサイドセールスの仕事に関わってきたなかで、インサイドセールスは、「活動量(量)×活動効率(質)」の2つの要素に尽きると感じています。
どんなにメールの内容や接触するタイミングをパーソナライズできても活動の絶対量がなければ数字は積み上がらないですし、闇雲に活動ばかりしていても成果に繋がらずに疲弊する結果になるかと思います。
今回は、そんなインサイドセールスが「活動量(量)×活動効率(質)」の両方において生産性を上げるためのテクノロジーである「Outreach」について、私が実際に利用した所感をふまえながらご紹介します。
「Outreach(アウトリーチ)」とは
まず、「Outreach」というツールを聞いたことがない方も多いかと思います。「Outreach」を提供しているOutreach, Inc.は、ワシントン州シアトルに本社を置き、セールスインテリジェンスを専門としたスタートアップ企業です。現在では、Adobe、Tableau、Okta、Splunk、DocuSign、SAPなど、4,800社以上の企業に採用されています。
Forbes Cloud 100に選ばれた唯一のセールスエンゲージメントおよびインテリジェンスプラットフォームであり、最新の資金調達ラウンドでの評価価値は42億ドル、昨年(2020年)の3倍以上となっています。
また、Deloitte Technology Fast 500においても、このカテゴリーで最も急速に成長しているベンダーとなっています。
実際に私が利用した感想ですが、「Outreach」は、インサイドセールスの生産性を劇的に向上するものとして必須なテクノロジーです。具体的にどのような価値があるか、実業務ではどのような場面で活用できるかを解説していきます。
「Outreach」ができること
「Outreach」でできることは本当に多く、細かく挙げていたらきりがないため、ここでは大枠3点に絞って書いていきます。
1. 営業活動におけるすべてのデータを取得・蓄積
メールやコール、オフラインのDMやSNSでのアプローチなど、あらゆるチャネルにおけるアプローチや反応状況を取得、蓄積することができます。
顧客管理ツールである「Salesforce」と連携すれば、自動で営業の活動データが蓄積されたり、商談データを「Outreach」に反映させることで、業界やTierによる顧客セグメントごとの、収益貢献を軸にした効果分析がしやすくなります。
2. 蓄積したデータの可視化・分析
レポート、ダッシュボード機能があり、メールをいつ誰に送信し、電話を掛けたのかの行動データが可視化され、各営業やインサイドセールスのパフォーマンス状況が一目瞭然で把握することができます。
また、メールを開封、クリックしたなどの顧客のリアクション状況も自動反映され、アプローチの優先順位を決めたり、分析に利用することが可能です。
3. 分析結果からの施策実行・管理
業界や役職など、顧客一人ひとりに合わせてメールやコールの内容をカスタマイズすることが容易にできるため、顧客のマインドシェアを高め、高い返信率やアポイント率を実現できます。
また、最適なタイミングでのフォローメールやリマインドコールなど、タスク管理を自動化・効率化することもできるため、最小限の時間で顧客との信頼関係を構築することにも寄与します。
「Outreach」の4つの価値とは
前述したように、インサイドセールスの成果は、活動の量と質に大きく依存しますので、その効率を最大化できることが大きな価値になります。
例えば、営業経験が少ない方がいても、「Outreach」があればトップパフォーマーのナレッジを行動ベースに共有でき、チーム全体でナレッジの底上げやパフォーマンスの均一化が期待できます。また、地味ですが最もインパクトが大きいことは、より多くの顧客に対して、より丁寧な対応をスピーディに行えることだと思います。
Outreachの価値①|顧客アプローチの生産性向上
「Outreach」では、Gmailなどの普段使いのメーラーと連携することができ、ボタン1つでメールテンプレートを呼び出すことができます。
これまで、3分程かかっていたメール作成の作業が数秒まで短縮できます。例えば、1日あたり50通程メールを送るチームであれば、1日あたり150分程度、月間(20日間の稼働)だと3,000分(50時間)の工数削減に繋がります。
また、お客様の名前や会社名、電話番号や住所など、「Outreach」上に登録されている情報であればトークン(変数)として最適化できるようになります。また顧客に紐づく情報以外でも、ダウンロードした資料や参加イベントなどもトークンとして差し込みできます。
そのため、メールテンプレートをコピー&ペーストして、名前や会社名の部分だけを編集するなどの作業をする必要がなく、また編集漏れなどのミスを防ぐことにも繋がります。
Outreachの価値②|行動データの可視化・分析
「Outreach」によって、メールやコールなどの日々のインサイドセールスの活動状況を正確に可視化し、各インサイドセールスの行動分析が容易になることも大きな特徴です。
顧客管理ツールである「Salesforce」と双方向でシームレスに連携することができるため、送付したメールやコール履歴はすべて「Salesforce」に自動で蓄積されます。そのため、ストレスなく活動を「Salesforce」に登録することができますし、登録された活動から自分やチームのパフォーマンスを振り返ったり、各インサイドセールスの特徴を把握しやすくなりました。
例えば、アプローチの活動量は少ないが、返信率やアポ率が高いインサイドセールスがいた際、どのようなリストにアプローチをしているのか、メールの文面(テンプレート)は何を利用しているかなど、工夫・意識している点をチームに共有してもらったりすることができます。
私もメールやコール履歴を「Salesforce」に手動で登録している時期がありましたが、手動登録やローディング待ちの時間で数十秒の時間を都度使ったりとすごく非効率でした。(「Salesforce」のローディング時に、くるくる回っている画面がすごいストレスでした。。)
また、「Outreach」にログインしなくともGmail上の管理画面で、開封やクリックを確認したり、ステップメールのON/OFFを調整できることもGmailと連携する利点だと思います。
Outreachの価値③|成果が出る行動の型化と共有
「Outreach」では、作成したテンプレートの開封率・クリック率・返信率などをすべて分析することができます。例えば、コンテンツの振り返りを行うミーティングを定期的に実施し、開封率や返信率が高いコンテンツの特徴を探ってみたり、逆にパフォーマンスが低いコンテンツがあれば、編集やアーカイブをするなどの整理をしていきました。
またテンプレートの作成ルールとして、どのタイミングで、どんな顧客に送るためのメールなのかを明確に決めていたり、反応がない場合の後追いメールの自動化もできるため、経験や社歴、個人の処理能力に依存せず、誰であっても効果の高い活動に集中することができます。
どうしても属人的になりやすい営業職ですが、「Outreach」を利用することでナレッジ共有が行動ベースに促進され、成果を出すための最短距離をチームで共通認識を持ちながら走ることができます。
(追記)「成果が出る行動の型化と共有」という文脈で、「シーケンス」というかなり便利な機能があったので、別途noteにまとめました。
Outreachの価値④|スムーズな組織間の連携
前述した通り「Salesforce」とも自動で相互連携できるため、チームとして1人の顧客に向き合うことができ、一貫性のあるコミュニケーションが実現できます。
例えば、マーケティングチームが創出したMQL(Marketing Qualified Lead)はSalesforce上のステータスに反映、「Outreach」に同期(以下のキャプチャ参照)されますので、インサイドセールスがSalesforceにログインすることなく「Outreach」上でMQLになった顧客をフォローすることができます。
また、営業が対応した顧客のなかで失注してしまった顧客がいれば、3ヶ月後にToDoが自動的に設定され、時期が来た際に「Outreach」上に「失注後フォローアップ」のタスクが表示されるなど、営業から戻されたリードのフォローアップするタイミングや内容を明確に管理することができます。
その他、便利な活用ポイント
「Outreach」を利用する際、自動化できる範囲が広い分、土日や深夜にメールが送信されないか、一度返信があったりコールが繋がった顧客に、自動で営業のメールが送信されないかなどの心配ごとも多いかと思います。
「Outreach」では、それらのリスクを回避することができ、顧客に細やかな配慮と適切なコミュニケーションが実現できるようになります。
例えば、「営業時間」を設定することができるため、土日や深夜にはメールが送信される心配はないですし、顧客からの返信やコールの接続があった際は、自動的にステップメールの設定が解除される機能があります。
さらに、ビジネス特化型SNS「LinkedIn」と連携してコネクト申請が出せるのも1つの活用ポイントと言えます。電話やメールがつながらない場合には、「LinkedIn」経由でプロフィールを閲覧したり、コネクト申請を送ったりすることが「Outreach」上で可能になります。
「Outreach」で実現した成果
「Outreach」のみの貢献ではないかもしれないですが、本格的に利用を開始してから、短期間で劇的に成果が出たので、その一部を抜粋してご紹介します。
本記事のまとめ
「Outreach」はシンプルですが、かなり強力な武器になります。一度、「Outreach」をベースにオペレーションを設計してしまうと「Outreach」なしでは仕事はできないくらい業務の浸透率が高いです。
個人的には、「Salesforce」を触ることがほぼなくなったことが嬉しいです。「Salesforce」は顧客管理ツールとしてはとても良いのですが、一番ストレスを感じていたのは「ローディング時間」です。
1分、1秒の積み重ねが大事なインサイドセールスにとって、活動記録の入力、自分やチームの行動を可視化・分析するためのレポート・ダッシュボード作成、期限付きタスクの管理などがすべて「Outreach」上で瞬時に完結できるので、本当に重宝しています。
今回、ご紹介しきれなかった機能はまだまだあるので、またアップデートしていきます。
↓関連記事です。シーケンス機能について書いてます。
Oureach(アウトリーチ)入門ガイド
Outreach入門ガイドを作成しました。記事には書いていない内容を含めて、体系的にOutreachの機能やユースケースの詳細を整理してます。ご関心ある方は以下より資料をダウンロードください。
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