5人の法則は現代では成り立たない?
IT環境が発達した現代において「5人の法則」「つるみの法則」は成り立つのだろうか。
「5人の法則」とは、年収や、学歴、性格なども最も近い周囲の5人の平均になってしまうというものである。
人間は周囲の影響を受けてしまうことを避けられない。
であれば、自分が周囲に誰を置き、誰の影響を受けるのかを選択していくべきである。
僕は大学時代にこの法則を知った。
その時自分の周りにいたのは、自分が気が合うと思っていた人間である。
実際、その友人達と遊ぶのは本当に楽しかったし、なんの不満もなかった。
しかし、この法則を知ったことで、将来のためにはもっと自分を高めてくれるような人物達と一緒にいなければならないのではないかと思うようになった。
友人を取捨選択するというのはなんとも非人道的な行為にも思える。
そのため、しばらくの間は行動に移すことはできなかった。
しかし、ふと気づくと周りにいる人間が変わっていたのである。
それは就活時期であった。
やはり、就活というのは意識の差が生まれる。
目指す業界とか企業規模とかそういう意味ではなく、社会への考え方や自分の将来の考え方が似ている人とだんだんと一緒にいるようになっていった。
僕の読んだ記事では「将来成功したいのであれば、意識的に周囲にいる人間を選ぶべきである。」という内容が書かれていたが、僕は「自分が目指す道が決まれば、もしくは変われば、勝手に周囲にいる人間は変わっていく。」というのが正しいのではないかと思う。
もちろん、堕落した生活をしている人と一緒にいれば、自分も堕落していくのは目に見えているので、ある一定の水準は必要だとは思うが、その水準をクリアしているのであれば、周囲の人間は自然と変わるのではないだろうか。
ここまでを踏まえた上で、題名にも述べた「ITが発達した現代では5人の法則は成り立たないのではないか」という件について考えたい。
そもそも「周囲にいる人間」とはどのような定義なのだろう。
僕は「その人の発信を自分が受け取っている時間が長い、もしくはその発信を受け取っている量が多い上位5人」だと考えた。
会社の同僚と金晩に居酒屋に飲みにいって会社の愚痴を言いまくる。
直属の上司に相談をする。
彼女とデートする。
地元の友達とドライブをする。
当たり前であるが、こういった行動の際には必ず会話をしている。
要は、相手の発信を受け取っているということである。
だから周囲と考え方が似てくるし、行動も似てくるのだろう。
この観点から考えると「発信を受け取っている時間が長い、もしくは量が多い」人は果たして実際に会っている人なのだろうか。
YouTubeを1日に3時間見ている人は、見ているYouTuberが「発信を受け取っている人」かもしれない。
同じ作者のビジネス書や自己啓発本を読んでいる人は、その作者が「発信を受け取っている人」かもしれない。
オンラインコミュニティーに入っている人は、そのコミュニティーを開いている人が「発信を受け取っている人」かもしれない。
何が言いたいのかというと、「周囲にいる5人」は実際に交流がある5人だけじゃないのではないかということである。
これだけ情報が溢れている社会。色んなところからインプットができる。できるだけなら遮断すれば良いが、勝手に入ってきてしまうこともある。取捨選択は今までより確実に難しくなるだろう。