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私流の解釈「ストーリーブランディング」

先日の「perfumeに学ぶストーリーブランディング」のウエビナーを振り返って、私なりにストーリーブランディングの定義と効用をまとめてみました。あくまで私はこう考えている、という内容ですので、深く突っ込まないでください(笑)

消費者の「行動変容」を起こすために、製品やサービスがもつ物語性=ストーリーを描く手法であるストーリーブランディング。私は『事実への共感や感動を、“好き”や“欲しい”につなげること』と定義しています。

そもそも圧倒的な差別化ポイントを持っていたり、認知度が飽和している製品やサービスであれば、ストーリーを描くことは不要です。たとえば登場時のiPhoneや、いつものコカコーラなどを思い浮かべてみてください。

見てすぐ分かる前例の無い機能や、誰もが知っている製品であれば、いちいち開発の背景などを説明する必要はありません。しかし現実的には、そうしたポジションを獲得できるケースは希少です。

そこでマーケティングの手法のひとつとして、商品やサービスの「背景=ストーリーを語るアプローチ」が注目され、ストーリーブランディングとして定着していったと考えています。

このストーリーによって、買い手が商品やサービスとの接点を発見する、言い換えれば「自分ごと化」することが可能となります。そして「自分ごと化」できた事実は、その人にとって「心の成果」となり、最終的には「自己肯定感」に接続します。たとえば、『こんな商品の良さを理解し、買おうと思った私ってステキ』となるわけです。

補足すると、いくらストーリーが感動的であったとしても、製品やサービスのクオリティが低ければ購入には到りません。しかし、クオリティに違った切り口を与えることは可能です。

たとえば、ここにオレンジがあるとしましょう。「年によって気候が違うのにもかかわらず、いつも一定の糖度を持つのは、実はおかしい。特に今年は天候不順なので酸味が強く、形も不揃いですが、これが自然の証と言えるのです」というストーリーがあれば、甘さだけを追いかける人は“わかっていない”、あるいは“不自然なものを口に入れている”となります。そしてこうした背景を知った上で購入している私は賢いよね、となるのです。

単なる苦労話を語るのでは無く、誇りを持って伝えられる事実=FACTを探し、言語化する。私のいつもの口癖になりますが、やっぱりFACTが届くコミュニケーションの起点なのだと、あらためて思います。


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