見出し画像

「雇われ方」より「雇い方」を学べ『あたりまえを疑う勇気』植松努・清水克衛著

私達日本人は、教育や社会を通して「雇われ方」を学んできました。
学校で校則を守り、言われたことをきちんとやって縦に従い、個性は出さずに横並びの列を崩さない。
少数派ではなく多数派であれ。
意見を言わずに素直に従う人こそがいい子だの優秀だのと褒められる学校や社会。

こんな環境では、優しさや謙虚さを履き違えてしまいます。それはすべて、そのほうが権力を持った大人や国が扱いやすいからです。
子供としても、学生としても、そして、会社員としても国民としても。

この本の中で植松さんがお話しされています。
「(雇い方の授業について)日本ではなじみがありませんが、ヨーロッパでは中学校くらいから「雇い方」の授業があるんです。将来どんな働き方をするにせよ、雇う、雇われるの両方を知っておいたほうがいいからです。
ところが日本では、言うことを聞いてお金をもらうことしか教えてくれない。
お金の借り方とかも、きちんと教えたほうがいいですよ。それを教えないから、お金で失敗しちゃう人が出てくるんだと思う。」


時代は常識や価値観を作ります。
同じ時代を生きても、資源や情報の活用の仕方で、全く違う価値観や解釈の仕方が身に付きます。口癖も行動も、生き方そのものに表れます。そしてそれは、資産形成や人徳にも関わり、その子どもたちや次世代へも影響していきます。

私達が子供の頃は、今とは全く違う時代でした。その時代に大人だった人達は、お金が溢れ出てくるような時期に資源を消費し遊ぶことを楽しんでいられた人達です。
消費税はまだ無く、高齢者より現役世代がはるかに多いから社会保険料徴収はわずか。

その時代の恩恵を未来へ投資した人、貯金しまくった人、消費しまくった人、また、お金で人生を棒に振った人、その差は今この時代の生き方や次世代の人生に大きな影響を与えています。
そんな世代に教わった事柄と、今自分が子どもたちに教えてあげられることとは全く違う事柄です。
社会についても、教育についても、お金についても、そして、未来についても。

私達大人は、責任を持って次世代へいい社会を手渡さなければいけません。自分たちさえ逃げきれればいいなどという考えで今を生きていけはいけません。
それでも、我が我がと奪い合う大人たちがまだまだこの社会を作っているのが現実です。

これからの未来で活躍していく子供たちと若い世代の皆さんへ。
今は、大きな希望を持てないような日本に見えるかもしれませんが、せめて私が未来のために出来ると思うことはどんどんやっていきます。
どんなに小さな力でも、それらを集めて大きな流れを作ることはできます。
自分から取りに行けば、どこに居てもどんな情報も入れることができます。
情報を集め行動し、自分の意見や考えを軸に希望を持って堂々と未来を作り上げていってください。
広い世界で活躍してください。
奪い合う社会ではなく、分かち合う社会を幸せだと思える人生を生きてください。

『あたりまえを疑う勇気』
著者 植松努 清水克衛
発行 株式会社イーストプレス 

この記事が参加している募集

お金について考える

読んでくださりありがとうございます! 書くことが好きで居続けられることを何より大切にしています。 ぜひよろしくお願いいたします! 書くこと、読むことを楽しめる世の中でありますように。