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オープンバッフルスピーカー その2

オープンバッフルスピーカー聞き慣れない言葉ですが、こういったタイプのスピーカーがあるのです。(前コラムをお読みになった方はわかると思いますが)普通のスピーカーって木の箱に入っていて、だからこそ低音もちゃんと聞こえてますよね。オープンバッフル型というのは木の板 一枚にスピーカーユニットを取り付けたようなもので、スピーカーから発せられる音は前だけでなく後ろにも出ています。そのためスピーカーからの空気を震わせる振動が打ち消されてしまい、致命的に低音が出ません。
では、なぜそんなスピーカーが存在するのかといえば、普通の箱に入っているスピーカーとは違い、圧倒的な音場感、音場再現能力が優れています。
スピーカーをDIYした経験のある人ならわかると思いますが、スピーカーを箱に取り付けない状態で鳴らしてみると、とても新鮮な音がします。この音を聞いてしまうと、箱なんかには入れたくない!と思ってしまうのも仕方の鳴っことだと思います。
先程も言いましたが、低音が出ない、聞こえないのです。そのためユニットを複数使用したり、バッフルをコの字型に作ったりして低音をなんとか出そうと試みたりする人が多いです。

普通のスピーカーユニットは低音用のユニットと高音用のユニットを使っているものが多いですが、それぞれのユニットの周波数がかぶらないようにネットワーク(チャンネルデバイダー)を使ってそれぞれのユニットに振り分けています。このときに低音用のウーファーと高音用のツイーターの周波数の境目はだいたい3000Hzあたりの物が多いようです。(物によってはもっと低い1500Hzくらいものもあるし、5000Hzくらいにしているものもあります)例えばウーファーが30cmもあるようなかなり低い低音まで再生できるものもありますが、その低音に適したスピーカーで3000Hzくらいまで賄っていることがちょっと気に入らないのです。3000Hzというとほとんどの音源の基音となるので、ほとんどの音は大きなウーファーから出ていることになります。そのため男性の声が変に低いドスの利いたような声になることがあります。そういったことを避けたいので、フルレンジ+サブウーファーのような形にすることが好ましいと考えています。フルレンジ部分はもちろんオープンバッフルで、サブウーファーはそれこそ超低音だけを受け持つので、へんな低域被りを避けることができます。人の声はあくまでリアルに自然に聞こるように。
写真は16cmフルレンジを2本使っています。上のユニットは3Dプリンターでフレーム枠を作りそれこそバッフル面が全く無いようにしています。下のユニットは同じくバッフル面がないようにしていますが、低音を補完するために150mmの塩ビパイプに取り付けて、容積が少ないもののバスレフにしています。この事によりオープンバッフルながら150Hzくらいまで出るようにしました。
なぜ150Hzかというと、サブウーファーのカットオフが150Hzだからです。
その甲斐あってサブウーファーとの繋がりはとても良くなりました。
このサブウーファーというのは、20年くらい前にちょっとしたブームがあり、今でもネットオークションを見ると出品されているのはその頃の年代のものが多く、そのため非常に値段が安いです。
さて、肝心な音の方ですが、音場感・定位感は素晴らしく、市販の箱型スピーカーとはレベチな感じです。また、低域は普通の30cmウーファークラスでも感じることのできない低域を堪能できます。
サブウーファーは1台なのですが、超低域というのは方向感がないので、一台でもステレオ感を損なうことなく楽しめます。
映画など見ていると本当に空気感を感じることができます。多分これは普通のオーディオセットでは感じることのできないものだと思います。
それと、低い音が音声帯域に鑑賞しないので、セリフなど聞きにくくなるようなことがありません。
音質はどうかというと、使っているユニットが安物なので、そのクオリティに関してはイマイチなところも感じます。今後、ユニットをもう少しグレードの高いものに換えたいと思います。
スピーカーDIYをやる人だったら、ぜひオープンバッフルを試してもらいたいと思います。きっと今までとは違う感覚を味わえると思います。

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