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店舗名を戦略的に考える

お店を開業するうえで、必ず決めなければいけないモノのひとつがお店の名前です。

お客さまにとって最も目につきやすく、お店の印象を左右する店舗名は、ブランディングにおいてもマーケティングにおいても大事な役割を担っています。今回は店舗名を戦略的に考えるにあたって、店舗名の持つ役割ごとにポイントを考えてみます。

1.覚えてもらう

お店に限らず名前というのは、他者との差別化を図り、認知してもらうためにつけるものです。そのためには、すでに存在する名前ではないか?覚えづらい名前ではないか?ということを考える必要があります。

覚えにくい名前をつけていると、見込み顧客がお店のリサーチにSNSや検索エンジンで情報収集をする際に、思い出してもらえないということも起こり得るので、機会損失にもつながってしまいます。また、他店と被らないように確認することは、商標登録やドメインの取得、SEOに関わってくる部分でもあるので、事前のリサーチは必ず行いましょう。


じゃあ戦略的に覚えてもらうには?

1.1意味のわかる言葉を使う

オシャレ感を出すためにマイナーな外国語や造語などの意味のわからない言葉を使うよりも、大多数の人が意味のわかる言葉を使った方が記憶への定着という面では有利に働きます。


例えば、音楽を聴いているとき、あなたが日本人であれば、日本語の歌詞の音楽は割りとすぐに覚えられると思います。
特に興味のない流行りのアーティストの歌でも、繰り返し聴いているうちに勝手に覚えてしまっているという経験がある方も多いんじゃないでしょうか?逆に英語の歌詞や韓国語の歌詞の歌は、ちゃんと覚えようと思わずに、無意識に繰り返し聴いているだけではなかなか覚えられませんよね?


多くの人に覚えてもらうことを重視した店舗名をつけるなら、意味の伝わる言葉を使った方が認知度の向上には役立つと思います。

もし、世界戦や海外展開を考えているのであれば、日本語よりも英語を使ったほうがいいかもしれません。


1.2.マジカルナンバーを考慮する

人間の脳が瞬間的に覚えられる数は4±1までと言われていて、これをマジカルナンバーといいます。つまり、人間は瞬間的に3〜5文字までしか記憶できないということです。

よくクリスティアーノ・ロナウド選手のことを「クリロナ」と略したり、マクドナルドのことを「マック」と略したりしますよね?
こういった言葉たちもマジカルナンバーの範囲内に省略することで、人々が覚えやすく記憶に定着しやすくなっているのです。


どうしても長い言葉を使いたい場合には、短いチャンク(塊)に分ける手もあります。

例えば次の数字を覚えてみてください。

634283595017


覚えられましたか?
なかなか難しかったと思います。

それでは、これだったらどうでしょう?

6342-8359-5017


だいぶ覚えやすくなったんじゃないでしょうか。


このように12文字の数字を4文字×3のチャンクに分けることで、記憶への定着度がグッと変わります。

このマジカルナンバーを踏まえて、覚えてもらいやすい店舗名を考えてみてはいかかでしょうか。


1.3.インパクト重視!

とにかく覚えてもらうには、インパクトがあって、嫌でも記憶に残ってしまうような名前を付けるのも有効です。

今や誰もが気になったものはすぐにネット検索し、共有したいものをSNSで拡散できる時代です。
目にした人が思わずアクションを起こしたくなるような違和感やひっかかりのある名前を付けることで、広告費をかけずに全国へ認知を広げることが出来てしまう可能性もあります。


2.お店のコンセプトを伝える

店舗名はお店の顔です。売っている商品やサービスとかけ離れた名前を付けてしまうと、お客さんも混乱してしまいます。


お店のサービス内容やコンセプトと親和性のある店舗名をつけることを意識した方が、集客やブランディングにも効果を発揮します。


じゃあ戦略的にコンセプトを伝えるには?

2.1.サービス内容を入れる

お店のサービス内容やコンセプトを伝えるためには、以下のようにサービス内容を入れてしまうのもひとつの戦略です。


・ラーメン○○

・ヘアーサロン○○

・
○○書店

初めて来た土地でカフェを探しているお客さんが「カフェ○○」や「○○コーヒー」という看板を頼りにお店探しをしているかもしれません。
わかりやすい名前にすることで、事前情報のないお客さんの集客に効果を発揮します。


特にインバウンドでの集客を狙っているのであれば、店舗名にわかりやすくサービス内容が入っていた方が効果があるかもしれません。


2.2.ロゴとしての役割を考える

ほとんどのお店が看板やショッパー用に店舗名の入ったロゴを作成すると思います。
ファッション関係のお店を開く場合、自店のロゴをプリントしたアイテムを販売する可能性もあるでしょう。

これらはお店を利用する人以外にも目に付くので、広告としての機能も持ち合わせています。

そこを踏まえた上で、店舗名をロゴにする際のデザインへの落とし込みやすさや、デザインとの親和性も考えたほうが、ロゴ作成時の負担も軽減することができます。


3.権利関係としての役割

店舗名を決めた後には、商標登録やドメインを取得しておくとブランディングや集客の面で有利に働きます。店舗名を考えるときは、これらも考慮しておくと事業の成功に近づきます。


3.1.商標登録

店舗名を考える時は必ず商標調査をおこないましょう。
ここを調べずに決めてしまうと、営業開始後に商標権の侵害が発覚した場合、せっかく作成した看板や消耗品などをあらたに作り替えなければなくなってしまい、無駄な費用が発生してしまいます。

商標調査は特許情報プラットフォームJ-PlatPatから無料で簡単に調べることができるので、しっかりと調べたうえで、店舗名を決めて商標登録をおこないましょう。


3.2.ドメイン取得

独自ドメインの取得は、お店のブランディングやSEOに影響します。できるだけ店舗名やサービス名とドメイン名は関連させた方がSEOにも効いてくるので、店舗名を決める際には、希望するドメイン名が取得できるかどうかもあわせて確認しましょう。


ドメインの取得が難しそうであれば、店舗名を再考する必要も出てくるかもしれません。


おわりに

もちろん、良い店舗名をつけるだけで成功することはできませんが、成功に近づけることはできます。お店の名前は、店舗を経営しているあいだ、ずっと一緒に歩んでいくことになる大事なパートナーなので、しっかりと考えてあなただけの素敵な名前をつけてあげてください!

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