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店舗の立地はいかにターゲットの行動スケジュールに組み込めるかが大事

お店を始めるにあたって、成功するか失敗するかの大きな要因になるのが立地です。

今回はお店の立地を決めるときは、利用する人たちが行動スケジュールに組み込めるように設計しておくと成功確度が上がるよねという内容を書いていきたいと思います。

どちらかと言うと、はじめて開業する方やまだまだ認知が低くて集客力のないお店を開業するときのヒントになるようなお話です。

1.日常の行動スケジュールに組み込む

20代後半〜5,60代までのビジネスパーソンをターゲットとしたお店なら通勤時に人通りが多い立地学生をターゲットにしたお店なら高校や大学の通学路にお店を構えることが出来れば、基本的に週に5日はお店を視認してもらうことができます。

年換算すると、令和2年に厚生労働省が調査した結果では、社会人の年間休日の平均日数が約110日なので、出勤日は255日、高校生の総授業数は約200日でした。

つまり、通勤や通学路に出店できれば、1年間でお店に集客できるチャンスが社会人には255日、学生には200日あるということになります。

これは大きなアドバンテージになるので、初めての開業時や認知度の低いお店は、キチンと資金と相談したうえで積極的に狙っていきましょう。

〜好立地物件の落とし穴〜
立地を決めるときの重要なポイントとして、人流が多いところに出店するというのは、集客するうえでみんな考えることだと思います。

駅近の物件や繁華街、オフィス街の物件は家賃が高い分、出店できればそれだけである程度の集客が見込めます。

でも、結構この部分でも落とし穴があって、僕の知り合いでも、「代官山から徒歩1分の好立地にお店を出したのに、行き止まりに続く道の途中に出店してしまって家賃の割にまったく集客できなかった」という失敗談も聞いたことがあります。

物件を契約する前には、周辺調査は必須です。出来れば最低でも平日と休日の2日間は張り込んで見ておいたほうがいいかなと思います。

2.休日の行動スケジュールに組み込む

休日になると人が集まる場所の集客効果を利用して、その人たちを自分のお店へと導くような導線を考えて立地を決めるのもいいと思います。

いわゆる博報堂行動デザイン研究所が考案した行動デザインというマーケティング手法に近い考え方です。

例えば、カフェを出店する場合、休日に多くの人が集まる映画館の近くにお店を構えることで、映画を観終わり感想を語り合いたい人たちが来てくれるかもしれないですし、待ち合わせスポットの近くにお店を構えれば、今までは待ち合わせスポットに立っていた人がお店の中で待ち合わせをしてくれるかもしれません。

ほかにも、観光スポットにアパレルショップを出店して、観光地にちなんだデザインのアイテムを売ればお土産として買ってくれるかもしれない…とか、

海やアクティビティなど身体を動かしたり汚れてしまったりするスポットの近くに温泉や銭湯を開けば、汚れ落としや疲れを癒すためにお風呂に入りにきてくれるかも…などなど、人の行動を予測してデザインすることで、集客につなげることができそうです。

3.イベントの行動スケジュールに組み込む

これも2.と同じく、行動デザインに関連づけた立地の選定方法です。大多数の人が参加する一大イベントに紐付けて出店することで、大きな集客につなげます。

例えば、毎年お花見の定番となっている公園の近くに、お酒を販売している小売店やオードブルやケータリングを販売している飲食店を出店すれば、お花見の時期にPRすることで、大きな売上を叩き出せるかもしれません。

このほかにも花火大会や音楽フェス、夏祭り、スポーツの大会など、何十万人という人たちが集まる大規模イベントはたくさんあります。

ここを上手く押さえることができれば、1年間の大部分を担うような売上を生み出すかもしれない可能性もあるので、立地選びの際は頭に入れておいてみてください。

4.地域の行動スケジュールに組み込む

実店舗ビジネスをおこなうにあたって、いちばん押さえておかなければいけないのが、商圏とよばれる店舗に集客できる近隣住民の方たちです。

SNSの普及で全世界に向けて情報を発信できるようになり、今までよりも遠くの人たちに対して商品やサービスの宣伝することができるようになりました。

それでも、実店舗ビジネスにおいて重要なことはリピーターをつくることです。

北海道にあるお店が沖縄に住んでいる人から「いいね」をもらったところで、実際にお店に訪れてくれることは稀です。遠路はるばる来てくれたとしても2度目の来店は当分先のことになるか、もしくは無いでしょう。

近隣地域の方へのPR活動やコミュニケーションを積極的におこなって、着実にリピーターを獲得していくことが成功への近道です。

そのためにも、近隣に競合店舗が存在しないような家賃の安い住宅街でがっちりと地域の方たちのハートを掴むことができれば、店舗経営において盤石な地位を築くことができ、安定した経営の実現に近づきます。

おわりに

ここまでいくつか立地に関するポイントを書きましたが、お店のコンセプトや特色にあった立地を選定することが重要です。

一度決めるとなかなか変更ができない立地選びなので、慎重に考え抜いたうえで、最高の物件を探し出してみてください!

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