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【アニメ感想】影を継ぐ者と暴君、大地を焼く者と王〈呪術廻戦〉


 こんばんは。中山翼飛です。

 この記事ではアニメ『呪術廻戦』の最新話を大雑把に振り返りつつ、私の感想を垂れ流していきたいと思います。

 今回の話では、大きく分けて二つの視点でストーリーが進んでいきました。

 まずは一つ目の視点、伏黒恵vs禪院甚爾の親子対決です。

 前回で陀艮を撃破した後、本能的に伏黒を襲撃した甚爾。

 伏黒は天与呪縛のフィジカルギフテッドの存在を真希を通して知っていましたが、目の前にいる甚爾はその完成形だと察していました。

 ですが、父子ともに親子関係にあるとは気づいていません。

 甚爾は圧倒的な身体能力で大暴れし、息子である伏黒を追い詰めていきます。

 トラックを投げる。瓦礫で脱兎を処理する。水+電撃を平然と耐える。伏黒の連撃を片手で防ぐ。強すぎます。

 さらに、陀艮との戦いで使用してしまったために、伏黒は領域展開をすることができません。

 しかし、圧倒的な実力差を理解しつつも、伏黒は勝つことを諦めていませんでした。

 縦横無尽に動き回る甚爾の動きを封じるために狭い路地へと誘い込み、猛進してくる彼をカウンターで倒そうとしたのです。

 伏黒の術式『十種とくさの影法術かげぼうじゅつ』は影を媒介として式神を召喚するだけでなく、影に物体を収納することができます。

 この特性を活かし、伏黒は游雲による刺突を腹で受け止めつつ、影から取り出した剣で甚爾を倒そうとしました。

 ですが流石は天与の暴君。それすらも防がれてしまいます。

 しかし、式神だけでなく影からの物体の出し入れまでもを目撃した甚爾の脳裏に、かつての記憶がよぎりました。

 甚爾は、禪院家当主であり甚爾の叔父にあたる直毘人と会話を交わしていました。

「俺の息子は(術式を)もってる側だ。相伝の術式なら8、それ以外でも7もらう」

 と言う甚爾に対して直毘人は、

「相伝なら10くれてやろう」

 と返します。

 相伝の術式とは、歴史ある呪術師の家系に脈々と受け継がれている術式のことです。

 禪院家でいえば伏黒の十種影法術や直毘人の投射呪法ですね。他にも加茂家の赤血操術や五条家の無下限呪術、狗巻家の呪言などがあります。

 ここでいう数字の単位は、もちろん億でしょう。

 甚爾は自分の息子を禪院家に売ろうとしていたのです。

 おい甚爾、自分の息子を金に換えちゃうのかよ。

 そう思ったところで、甚爾のモノローグが入ります。

「俺にとってはゴミ貯めだったが、術式さいのうがあればマシに暮らせるだろう」

 なんと、甚爾なりに息子の将来を思ってのことでした。術式が無い甚爾にとって禪院家での暮らしはひどいものだったでしょうから、この決断は相当苦しいものだと思います。

 そういえば、五条悟と戦って敗死する寸前に思い出していたのも息子のことでした。

 そして甚爾は、

「恵をお願いね」

 という伏黒母の言葉を思い出しました。

 目の前の少年が自分の息子であること、そして相伝の術式である十種影法術を有していることに気づいたのです。

「お前、名前は?」

「······伏黒」

「そうか。良かったな」

 本当に安堵したように甚爾は呟き、游雲を自分の頭に突き刺して自害しました。

 家族と暮らせていること、今際の際で息子を託した五条が禪院家への取引を阻止してくれたこと、領域を使えるほど呪術の才能に恵まれていること。

 あらゆることに対して向けられた言葉だったのでしょう。

 ですが伏黒は甚爾が自分の父親だとは気づいておらず、「何だったんだ······?」と不思議がっていました。切ないですね。

 ですが息をつく暇も無く、消耗した伏黒は重面に刺されてしまいます。

 ナナミンにボコボコにされた、あの金髪の呪詛師です。

 ここで視点は二つ目、宿儺vs漏瑚に移ります。

 もはやこれに関しては語ることなど無いでしょう。

 宿儺の圧勝です。

 しかし漏瑚もただやられていた訳ではありません。驚異的なスピードと火力で大暴れし、渋谷の街をめちゃくちゃにします。

 やはり漏瑚も特級呪霊。原作者の芥見先生に「宿儺がいなければ漏瑚が一人で渋谷を壊滅させてた」と言わしめるほどの実力者です。

 ですが、それは『宿儺がいなければ』の話。宿儺は領域展開すらせずに漏瑚を追い詰めます。

 両者が大暴れする様子は、日下部&パンダvs菅田&祢木の元にも届いていました。

 日下部はやる気が無さそうなんですが、夏油の側近二人を相手にしても「だらだらいなして時間を稼ごう」という思考になるほどには強いです。負ける可能性など微塵も無いんですね。

 しかし『極ノ番・隕』を放とうとする漏瑚と宿儺が現れ、一同に緊張が走りました。

 漏瑚渾身の隕が放たれ、辺り一面はクレーターとなります。

 それでも宿儺はあぐらをかいて平然としていました。回避するだけでなく気まぐれで日下部達を助け、なおこの状態です。

 そして「お前の得意分野で勝負してやる」と火力勝負をもち掛けます。

 力をチャージする漏瑚は、宿儺が掌から火炎を出したのを見て驚きます。初見のときは私も驚きました。

 え、宿儺の術式って斬撃ぢゃないの!?

 どうやら、このときに宿儺が口にした「フーガ」という言葉が何かの鍵を握っているようです。

 漏瑚と宿儺。二人の火炎が激突するかと思われたそのとき、漏瑚の目の前に花御と陀艮が現れます。もう、戦いの結末は明らかですね。

 謝る漏瑚に花御は「まだ真人がいる」と言いました。敵の方が少年漫画的な友情をやってるのがこの作品です。

 しかし、この幻影の中にすら宿儺は現れました。何でもありです。

 彼は「お前は五条悟を目指して、群れることなくひたすら焼き尽くしていけば良かったのだ」と呆れ顔ですが、最後に少しだけ満足そうな顔をします。



「1000年前にやった中ではマシな方だった。誇れ、お前は強い」



 こんなん泣くって。漏瑚じゃなくても泣くって。

 宿儺の意外な一面、いや、強さに対して誠実なのは想像通りでしょうか。とにかく宿儺を満足させられるぐらいには、漏瑚は強敵でした。

 荒れ果てた夜の渋谷で燃え朽ちる漏瑚を見つめる宿儺、というあまりにかっこいいシーンでこの回は終了します。

 ······と、思ったら!

 重面に襲いかかる謎の存在。気を失う伏黒に重面が「おい、早く目を覚ませよ!」と怒鳴っていることから十種の式神の一つだとは思いますが、響く足音から強者感が漂っていますね。

 渋谷事変も後半に差し掛かってきました。ここからが本当の『事変』ですので、引き続き楽しんでいきましょう。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。また何かの作品を通じてお会いしましょう。

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