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常連さんの多いらーめん店の作り方〜なぜあのお店にはいつも行列が?〜

■ はじめに
こんにちは!ReproGrowthMarketingチームの稲田宙人(@HirotoInada)です!
さて、今回は僕が普段から通っている大好きなラーメン屋である「渡来武」さんを題材になぜあのお店には常連さんがたくさん定着してくれるのかに関して考察していきたいと思います。
そこから人がモノゴトにハマる仕組み・どのようにユーザー体験を変えていけばいいのかに関して意見を展開していきます。

1. 導入:店舗紹介

さっそくですが今回のテーマである「渡来武」さんに関して簡単にご紹介します。
渡来武は名前からは想像しにくいですが、横浜家系らーめんを提供するラーメン店です。お店の名前の由来は、店主さんが日吉の武蔵家で修行をして独立をしたことに因んでおり、「蔵家からってた」からという意味だそうです。この名前もお店が人気である理由の1つだと思っていますが、こちらに関しての詳細は後述します。
このお店の特徴は、全国の家系らーめんの中でも有数の超ど濃厚豚骨スープを提供している点にあり、家系独立ブランドの中では珍しい多店舗展開を行なっており、今年1月には3店舗目をオープンさせているほどの人気店になっています。

本店がある自由が丘の店舗周辺わずか半径50mにはラーメン専門店が9店舗存在し、直接競合にあたる家系らーめんも他に2店舗存在するなど、狭い範囲に競合が密集したプチ激戦区になっています。
お店の魅力を語り出すとキリがないので、次章以降ではそんなプチ激戦区の中で、なぜ渡来武には常に行列ができるのかを掘り下げていきます。

2. 収益構造・スコープ

今回の考察のスコープを明示します。

note_らーめん

人気の理由が「美味しいから」とうのは当たり前ですし、再現性が無い為、今回は上図の収益構造の以下3要素に関して詳しく考察をしていきます。

■ 考察要素
①:客単価
②:新規顧客
③:再訪率

3-a. 客単価

まずは客単価に関して見ていきます。客単価をメインには話していきますが、便宜上、日売上・客席稼働率・回転率の観点も入れる点ご留意ください。

そもそもの日売上の構成要素は以下の式で表現できます。
この日客数に客席数が考慮されて、客席稼働率・回転率が算出されるわけですね。それぞれ詳しく見ていきましょう。

日売上 = 日客数 × 客単価(らーめん本体 +トッピング + サイドメニュー)

■ ラーメン本体価格
最初は客単価のうち、ラーメン本体の価格に注目していきます。
渡来武の周辺エリアのラーメン店のベーシックなラーメンを対象として集計していくと…

ラーメン本体価格
・渡来武:680円
・平均値:740円
・最大値:830円
・最小値:600円

特典
・同エリアの家系ラーメン2店舗も同水準価格・ライス無料
・渡来武以外は麺大盛り無料
※対象店舗数:9

ここまでをまとめると、
・全体の価格水準の中では低いが直接競合である家系ラーメンとは同価格
・麺大盛り無料特典は渡来武には無し
となり、本体価格としての目立った優位性は見られないということになります。

■ 客席数
本体価格に特筆した優位性がないのが分かったところで、客席稼働率・回転率に影響がある客席数に違いがあるのかを見ていきましょう。

客席数
・渡来武:8席(カウンターのみ)
・平均値:13
・最大値:30
・最小値:8(渡来武)
※同エリアの家系ラーメン2店舗にはテーブル席が存在

渡来武は客席数が少なく、必然的に客席稼働率が高くなる形ですね。
ラーメンの価格帯から、回転率を高める施策が必要になりますが、渡来武の場合は競合家系店と違いカウンター席のみであることで、回転率を高められていると言えそうです。

ここまでで基本単価安・客席数少であることが分かり、客数の増加クロスセル・アップセルによる客単価の向上の2軸での施策が必要になりそうです。客数の増加に関しては、3-b. 新規顧客数・3-c. 再訪率の章で詳述するとして、次に客単価の向上に関して記述します。

■ クロスセル・アップセル
客単価向上のためにどのような仕組みがあるかを見ていきましょう。

クロスセル
ここでいうクロスセルはビールや餃子などのサイドメニューを指します。
ラーメン店では本体の単価が安い分、豊富なお酒や餃子などのサイドメニューを用意して半居酒屋のような形態にして単価をあげようとするお店もあります。
この形態の利点としては客単価の向上が見込める一方で、オペレーションの煩雑化や滞在時間延長による回転率低下などのデメリットが生じる可能性があります。
では、渡来武がどのようなサイドメニューを用意しているか見てみましょう。

渡来武のサイドメニュー
・生ビール
・サワー
・キャベチャー
・TKG

上記メニューの共通点は、注ぐだけ・混ぜるだけ・刻むだけ・載せるだけ、のようにオペレーションが比較的簡易である点です。
既存製品の枠組みから外れない中でのクロスセルプロダクトにより客単価向上に一役買っていると言えそうです。

アップセル
次はアップセルです。ここでいうアップセルは、トッピング追加や麺量の増加を指します。定性ではありますが、渡来武にくるお客さんは通常の並らーめん以外の何かしらのトッピング又は麺増量を頼んでいます。これは、客層が男性客を中心としているのは理由としてあるとは思いますが、それ以外にも要因として僕が考える2つの要因を挙げます。

①:返報性
渡来武ではオープン直後などの時間帯に刻みチャーシューなどのトッピングをサービスすることがあります。
ここでサービスを受けた顧客は再訪した際に、返報性の原理から今度はトッピングを注文してしまうわけですね。(そもそもの美味しさが原因だとは思いますがw)

②:価格の相対性
渡来武には並・中・大の3種類の麺量があります。松竹梅のプランを用意することで真ん中のプランを選びやすくなるわけですね。同エリアの家系ラーメンは通常・大の2プランのみ・且つ増量無料であるため客単価向上には繋がっていないんじゃないかと思います。

このようなクロスセル・アップセルの仕組みで客単価向上を図っているのかと思います。

■ 増税時の対応
この章の締めくくりとして2019年10月の増税対応に関して記載します。

上記のツイートの通り、渡来武は昨年の消費税8%→10%増税の際に価格を全て据え置きの対応をしました。増税前に株式会社シンクロ・フードが行った調査によると6割の飲食店が値上げを検討している中での据え置き判断です。

増税時に価格据え置きをする際に考慮すべき点としては以下の2つが挙げられます。
・メリット:顧客維持率・新規訪問率の相対的優位性
・デメリット:利益率の低下

そして、上記2点を値上がり時と据え置き時で簡易的に比較シミュレーションを行うと以下の式で表せます。

値上がり時
(元の値段+増税分) × (既存顧客数 × 顧客維持率A-α + 潜在顧客数 × 訪問率B)

据え置き時
元の値段 × (既存顧客数 × 顧客維持率A + 潜在顧客数 × 訪問率B+β)

あくまで売上ベースのシミュレーションであり、人件費や税制の面は考慮していませんが、既存顧客と新規顧客それぞれの再訪率の差を考慮した上での値段据え置きの判断だったんじゃないかと思っています。

3-b. 新規顧客数

次に新規顧客数に注目して見ていきます。なぜ大規模なプロモーション無しに新しい顧客がくるのでしょうか?ここでは、オーガニックとリファラルの2軸で分けて考えていきます。

■ オーガニック
ここでいうオーガニックは特定のお店を目的とせずたまたまお店を見つけてフラッと訪問するお客さんのことを指します。
ここでは2つの要因が人を並ばせていると考えます。

①:コミットメント・一貫性
人は一度始めた行動を途中で辞めずやり切ってしまう習性を持っています。渡来武では本来は列に並ぶ前に食券を買うシステムになっていますが、ルールが明示されていないため多くの人がお店の人に言われて後から食券を買っているのが見受けられます。途中まで並んでいることで、後から食券を買うように言われても列から離脱できず、そのまま購買まで至る仕組みですね。

②:バンドワゴン効果
お店を探す際に食べログの評価や列ができている所に行ってしまうのは皆さんもよくあると思います。これは「ある選択を支持する人が多ければ多いほど、その選択が正しいと思い込む群集心理」であるバンドワゴン効果と呼ばれており、渡来武の場合は常に列ができていることでこの効果が発動していると言えるでしょう。また、店舗がガラス張りであり客席数が少ないことで、常に満員であり賑わっているように見えることがこの効果を助長しているとも言えそうです。
選択が正しいと思い込むことで安心感が生じ、脳内に幸福物質であるセロトニンが発生するのも行列に並んでしまう一因です。

■ 行列マーケティング
飲食業界においては、わざと座席数を少なくする・店舗内に人を待たせるスペースを作らない・調理スピードを調整するなどをして意図的に列を作り出し、人気店に見せかけ新規顧客を獲得する手法があります。
個人的にはこの手法は多くの場合悪でしかないと思っています。短期的なCVは向上しても、中・長期的な実際のユーザー体験毀損・再訪率の低下が起こり得るからです。
これはデジタルの世界でも当てはまり、旅行予約サイトにおいても大きな問題になりました。

希少性・競争性を訴求するのは効果的ですが、不必要に煽ることは長期的には得策とは言えません。

では、渡来武ではどのような取り組みを行っているのでしょうか?
取り組み①:待合スペースとしてベンチを設置
取り組み②:店員さんが細かくあと何分で入れるかを伝えにくる
勿論、そもそもの店舗面積の関係もありつつも、その中でも列で待っている人を不必要に煽ることなく快適な待ち時間を提供していると言えますね。

■ リファラル
次はリファラルですね。ここでいうリファラルとは既存顧客の紹介・同伴による訪問を指します。僕も今まで何人にも渡来武を紹介してきましたが、なぜ紹介したくなるでしょうか?「美味しいから」以外の理由は2つあると思います。それぞれ見ていきましょう。

①:バイラル性
まずはバイラル性の観点です。
バイラル性の大小は以下の式で算出されます。

バイラル性 = ペイロード × コンバージョン率 × 頻度

単価が安い・ジャンルが豊富である点がバイラル性を構築するそれぞれの要素に好影響を与えているわけですね。誘う人との関係性を問わず誘いやすい食事である点も、コンバージョン率・頻度を高める要因担っていると言えそうです。
上記より、そもそものラーメンという食事自体が概してバイラル性は高いと言えます。

②:物語性
次に物語性の観点です。モノゴトに物語性があると人に語りたくなるのは人の習性です。渡来武の物語性とは以下の2点に集約されます。

1. 麺の茹で加減・味の濃さ・油の量の味のカスタマイズが可能
2. 毎日仕込みをしているので味が毎回若干違う

どちらの要素も可変性という解釈の余地が個々人に与えられることで人に話したくなる仕組みです。これはジロリアンが二郎の全店舗をコンプリートしたくなるのと仕組みは同じです。セントラルキッチン制ではこの物語性はなかなか生まれにくいのではないかと思います。

この物語性に関しては飲食に限らずどんなプロダクトでも共通する要素になるので、詳しくは以下の書籍を読むことをオススメします!

3-c. 再訪率

収益構造の中で最後に注目する要素は再訪率です。
飲食業界では、初回訪問客が2回目に訪問する割合は40%、2回目から3回目は80%に跳ね上がると言われています。これはデジタルプロダクトでも同じで、新規ユーザー体験(NUX)に最注力することでその後の再訪確率を上げることができるわけですね。特にジャンル・店舗数が豊富なラーメンカテゴリにおいては代替が効きやすいため初回でどれだけ訪問客に魅力を伝えられるかが次回以降の定着率にとって重要になります。
この章では渡来武が人を魅了する理由を2つの観点からお伝えします。

①:入店から着席までの誘導設計
ラーメン店の多くは、声で席を誘導し、水はセルフサービス又は着席後に提供します。一方の渡来武では入店したと同時に座る場所に先に水を置いて誘導します。これは小さな行為ですが初回ユーザー体験に大きな好影響を与えていると考えます。先に水をおいて視覚的に次行くべき場所を明示することで、どこに座ればいいのかという精神的負担なしに誘導できている形です。

これはデジタルプロダクトにも当てはまる考え方です。
初回ユーザー体験では「正しい・良さ」よりも「わかる」を重視することが重要です。
商品やサービスの「良さ・正しさ」を伝えるよりも、まずは商品とサービスとの関わり方が直感的にわかることを優先する。これがユーザーに寄り添うということであり、プロダクトそのものが面白いのではなく、ユーザー自身が直感する体験自体が面白いからハマるということを念頭に置くのが重要になります。

②:顧客ステージに合わせたコミュニケーション設計
飲食店では全員に全く同じ対応であるところも少なくありません。例えば、一般的な家系ラーメンで典型だと思うのが、元気でフランクな対応です。これはある意味でブランディングが一貫している一方で、こういった接客が好みではない顧客も一定数存在します。二郎系のようにあの接客も含めてジャンル化している・且つ顧客層も大衆でない場合は、それでも良いかもしれませんが、一般的な飲食店でそこまでの盤石なポジションを確率するのは難しいです。
一方の、渡来武ではお客さんの属性は勿論、訪問回数などによっても対応を細かく変えています。相手が新規のお客さんである場合は、好みの伝え方やシステムを細かく丁寧に伝えており、常連である場合は好みを覚えておりフランクな物言いで接客をしているのです。
このような顧客ステージ・属性に合わせたコミュニケーション手法はプロダクト設計でも勉強になる点があります。

■ なぜ継続して訪問してしまうのか?
初回ユーザー体験の最適化・再訪率向上の具体的な仕組みを説明したところで、何故そもそも繰り返し訪問してしまうのでしょうか??

人がつい行動を起こしてしまう原理(=仕掛け)は便益負担の2軸で考えられます。
便益とは、行動によってもたらされる主観的ポジティブ感情を中心としたメリット、負担とは行動を起こすのに必要な体力的・時間的・費用的・精神的負担を意味します。この2つの大小のバランスで人が行動を起こすかが決まります。

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Source:松村真宏 仕掛学―人を動かすアイデアのつくり方

前述の便益・負担がどのように行動実行の有無に左右するかを図式化したのが上図です。ご覧頂くと分かる通り、負担が便益よりも大きいと判断した時点で人は行動を起こさなくなります。また、接触頻度が増えれば増えるほど便益のインパクトが逓減していく点にも着目してください。

これを今回のラーメンの話に落とし込むとどうなるか?

便益
・美味しいという感情
・好みを覚えてもらえる

負担
・体力的負担:来店までの移動
・時間的負担:移動時間・待ち時間
・費用的負担:ラーメン代
・精神的負担:オーダー時のやり取り

便益である「美味しさ」は絶対条件として、注目して頂きたいのが負担の「精神的負担:オーダー時のやり取り」です。
前述の通り、何回も通っていると概して好みを覚えてもらえます。すると、精神的負担にあたるオーダー時のやり取りがなくなるため、たとえ便益(=美味しさ)が逓減したとしても負担が減ることで継続して通う仕組みができるわけです。(もちろん毎回初めて食べた時の美味しさの感動を味わっていますがw)

これは家系が麺の茹で加減・味の濃さ・油の量の計27通りだからこそできるものだと思います。これを二郎系ラーメンで考えてみると非常に分かりやすいのですが、「ヤサイ・ニンニク・アブラ・カラメ etc」に「マシ・ちょいマシ・マシマシ」の組み合わせが無数にある二郎系では好みを覚えてもらうのはなかなかに難しいです。これが、二郎系が大衆化の壁を超えにくい1つの理由だと僕は考えています。つまり、負担と便益の分岐点を多くの人が超えられないわけですね。

この、つい人が行動を起こしてしまう原理に関しても全てのプロダクトに共通する要素だと思うので詳しくは以下の書籍を参考にしてください!

4. ポジショニング・ブランド戦略

最後に渡来武のポジショニング・ブランド戦略に関して記述してこのnoteを閉じましょう。

■ ポジショニング戦略
まずは渡来武のポジショニング戦略から、先行事例を踏まえながら見ていきましょう。

定性ではありますが渡来武のお客さんは家系の中ではかなり女性の割合が大きいと思います。これはなぜでしょうか?
これには、女性限定のレディースラーメンの存在が寄与していると考えます。レディースラーメンは通常のラーメンの麺量半分でデフォルトで野菜のトッピングが付いているものです。
こってり家系ラーメンは食べたいけどカロリーや脂質が気になるという女性に対して、麺量半分・野菜付きという実利と、レディースラーメンというネーミングにより免罪符を与えているわけですね。(実際の塩分やカロリーはスープ濃度に大きく依存する点に注目です)

ここで重要なのが、プロダクトのコアバリューは変えずに、ユーザーへの見え方だけを変えて、女性顧客をも取り込むポジショニング戦略を展開している点です。

〇〇なのに××」のような既存概念のギャップを突いた先行事例としては以下が挙げられます。

①:一風堂
既成概念:博多豚骨ラーメンは臭い・汚い・怖い
新ポジショニング:女性も来たくなるおしゃれな豚骨ラーメン
具体施策:
・豚骨スープは臭みを少なく
・モダンで清潔感のある内装
・ジャスが流れ、容姿が爽やかなスタッフが働いている

②:五行
既成概念:ラーメンはラーメンだけを少人数でサクッと短時間で食べるもの
ポジショニング:家族連れでも来れてゆったりラーメン以外の食事も楽しめるラーメン店
具体施策:
・ラーメン以外のおつまみメニューを拡充
・お酒メニューを充実
・テーブル以外にソファー席も設置
・ガラス張りのシックで落ち着いたカフェのような内装

※ちなみに五行は前述の一風堂のスピンオフだそうです…今まで知らなかった!一風堂さすがだな…

③:ちばから
既成概念:二郎系は店員さんが怖いしシステムも分かりづらくて行きにくい
ポジショニング:カップルでも来れる初心者にも優しい二郎系ラーメン
具体施策:
・並び方を張り紙で大きく掲示
・コールシステムを店中に掲載
・にんにくはデフォルトで無し
・テーブル席を設置

④:ソラノイロ
既成概念:ラーメンは男性の食べ物であり不健康である
ポジショニング:女性1人でも来れる野菜たっぷりの健康的なラーメン
具体施策:
・野菜をたっぷり練りこんだベジソバ
・カフェのような内装
・グルテンフリー麺への変更可能

※またまたちなみに、店主の宮崎さんは前述の一風堂・五行で修行を積んだ方です。一風堂おそるべし…

■ 驚きのデザイン
最後にご紹介するのは驚きのデザインを利用したユーザーを惹きつける方法です。最初に僕が「渡来武」と言った際にどんなラーメンだと思いましたか?家系ラーメンと聞くまではどんなジャンルなのか気になった方もいるんじゃないでしょうか?
この、認知→興味→真相の流れを利用したのが驚きのデザインです。

驚きのデザインは以下のステップで構築されます

驚きのデザイン
①:誤解:誤った仮説を立てる
②:試行:仮説に基づいて行動を起こす
③:驚愕:仮説が間違いであったことに驚く

例えば、「〇〇家」という名前だと家系ラーメンだと想像がつき驚きが生まれません。且つ、大多数の人間にとって家系の系譜など詳しい違いは分かりません。故に、先に名前を伝えてしまうとある程度正解している仮説が成り立ってしまい、興味もそこまで湧かないのです。

一方で、「渡来武」という名前を聞くと非家系ラーメンを想像し、結果として家系ラーメンであることで驚きが生まれるわけです。
これは競合がひしめく家系業界の中でのコモディティ化阻止にも役立っていると言えます。

同じ戦略を意図的に取っている家系ラーメンとしては「飛粋」が挙げられます。こちらのお店も名前からは家系ラーメンとは想像できませんよね。
ちなみに、こちらのお店のポジショニング戦略も秀逸なのでぜひ以下の記事をチェックしてみください。家系の既成概念をぶち破りにいってるまだ新らしいお店です。実際に足を運びましたが家系とは思えない外観・内装と店主さんの接客に新たな可能性を感じました。


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■ 終わりに
今回は僕が大好きな「渡来武」さんが常に行列ができる人気店になった理由を自分なりに考察してきました。
人気店になるには”美味しい”ことがまず前提条件にはなりますが、それ以外の要素も複雑に絡み合いながら人気店は誕生するんじゃないかと思いました。
現状の情勢の影響もあり、渡来武さんも客足は以前よりは遠のいているとは思いますがテイクアウトでの対応に切り替え必死に順応をしようとしています。

以下2つの軸でテイクアウトに対応されているみたいですね!
①:チャーシュー:元々の推しポイント・プロダクトをテイクアウトに適応
②:あぶらそば・角煮丼:元の技術を活かして新商品を適応させる
生麺・スープの持ち帰りや宅麺での出品などもあると嬉しいですね!

どこも厳しい状況かとは思いますが本当に頑張って欲しいです…
お近くでまだ行ったことない方はぜひ!
コロナが落ち着いたら絶対また食べにいきます!

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※お断りとお願い※
今回の調査・考察は全て僕の主観に基づいた記述です(数字的根拠以外)
お店の真意などは把握していないのでご注意ください

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