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DL数150%アップ!? AppStoreのアプリのフィーチャーとは?

■ はじめに

こんにちは!Repro Growth Marketerの稲田宙人(@HirotoInada)です。
WWDC2020やAndroidの諸々の変更などでバタバタしており、しばらく更新止まっておりました。すいません…

今週からは基本的に以前と同じく毎週1本で "3 minutes ASO"の更新を再開しますので引き続きお願いします!

別マガジンでASO関連の最新情報や調査をまとめている "ASO Lab" もあるのでよければご覧ください!

さて、今回のテーマは「AppStoreのアプリのフィーチャー」に関してです。
知っているようで知らない、AppStoreにおけるアプリのフィーチャーの種類と効果・取り上げられる方法に関して網羅して解説していきます。

1. フィーチャーとは

■ そもそもどういう意味?
まずは、そもそもフィーチャーとは何かに関してです。
アプリストアにはApple・Googleが独自に特集のような形で特定のアプリを取り上げるフィーチャー枠というものが存在します。この枠に選ばれることをフィーチャーされると呼びます。本noteではフィーチャーの影響が特に強いAppStoreにおけるフィーチャーに関してを解説していきます。

■ フィーチャーの種類
一口にフィーチャーと言っても、掲載される場所によってその見え方と効果は異なります。
AppStoreにおいては以下3種類のフィーチャー方法が存在します。

①:Todayタブ
- カード形式のフィーチャー方法
②:ゲームタブ
- 最上部カルーセルバナー・アイコンリストなど複数種存在
③:Appタブ
- 最上部カルーセルバナー・アイコンリストなど複数種存在
- 各カテゴリ階層も同様の構成

note_記事内テンプレートのコピー

上記の中でも非ゲームアプリにとっては、①のTodayタブが露出量増加に最も寄与されます。
一方の、ゲームアプリでは、AppStore起動時のTodayタブよりも、②:ゲームタブでのフィーチャーの方が効果が高いことがあります。(弊社ご支援事例)

これは、一般的にゲームアプリを探しているユーザーはゲームタブでランキングや特集を見てダウンロードする割合が高いからだと考えられます。実際、カテゴリランキングの同じ順位での流入を非ゲーム・ゲームアプリで比較すると、ゲームアプリの方が圧倒的に低順位まで流入量が一定担保されていることからも、上記は説明できそうです。

もちろん、上記のインパクトはフィーチャーされる際のイラストや場所によっても大きく異なるため、あくまで参考までに認識頂くのが良いかと思います。

2. フィーチャーの効果

次に、実際にフィーチャーされた際の効果に関してです。

■ ダウンロード数増加率
AppAnnieの調査によると、フィーチャされたアプリの平均的なダウンロード数増加率は、ゲームアプリで約+140%・非ゲームアプリで約+40%となっています。

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Source:AppAnnie

実際にフィーチャーされた方のブログには以下のように記載があり、フィーチャーからのDL数増加と、それによるカテゴリー順位上昇による更なるDL数の増加と大きな効果が見られたそうです。

やはりフィーチャー効果はすごいです。教育カテゴリで7位まで上がった事もあります。すぐ落ちましたけど(*´∀`) ダウンロード数も記録的でした。普段100前後なのですが、この日だけでも5000近かったです。ただし次の日には半分、その次の日にはまた半分となり、1週間を待たずに平常どおりになりました・・・早いぜ!

Source:アプリをだしたらアップルにフィーチャーされた話

■ 効果の持続期間
さて、ではこのフィーチャー効果はどのくらいの期間続くのでしょうか?

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Source:AppAnnie

上のグラフはAppAnnieが発表した、フィーチャーからの経過日数ごとのDL数成長幅をを表したものです。
よく見てみると、フィーチャー当日ではなくピークが3日目に来ているのが分かります。
これは、フィーチャー当日からのDL数増加により、カテゴリーランキングなどの順位が2〜3日目で上昇し全体的なDL数のピークに到達するのが3日目であることに起因します。

このように、フィーチャーの効果は、フィーチャー掲載面それ自身だけでなく、その他の面での露出増加にも影響が及びます。
もちろん、フィーチャーされる期間が1日なのか・連続なのかで効果の波は変わりますが、基本的にはフィーチャーから1週間でピークは収まるものになります。

3. フィーチャーされているアプリの特徴

さて、ではフィーチャーされているアプリには具体的にどのような特徴があるのかを見ていきましょう。

■ Appleがフィーチャーするアプリとは?
そもそもAppleが公式に発表しているフィーチャーするアプリの特徴とは以下を指します。

- UI design: the usability, appeal, and overall quality of the app
- User experience: the efficiency and functionality of the app
- Innovation: apps that solve a unique problem for customers
- Localizations: high-quality and relevant
- Accessibility: well-integrated features
- App Store product page: compelling screenshots, app previews, and descriptions
- Uniqueness

For games, editors also consider:
- Gameplay and level of engagement
- Graphics and performance
- Audio
- Narrative and story depth
- Ability to replay
- Gameplay controls

Source:Discovery on the App Store and Mac App Store

細かい特徴は後ほど詳述するとして、一貫して言えるのが、「ユーザーにとって為になる質の高いアプリであること」がフィーチャーの絶対条件である事が分かります。

実際、フィーチャーされたアプリの約80%が星4以上を獲得しているアプリであり、まずは質の高いアプリを提供することにフォーカスすべきであることは一目瞭然でしょう。

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Source:21 Ways to Get Your App Featured on the App Store

■ 課金タイプによる差異
フィーチャーされるアプリの課金タイプに特徴はあるのでしょうか?

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Source:How to Get Featured in the App Store

上の図はフィーチャーされたアプリの課金タイプを種別に割合で表しており、フリーミアムモデルが40%と最も多く、次いで完全無料のアプリが34%と、実に1/4を無料アプリが占めているのが見て取れます。

これを、さらにゲームアプリのみで絞ったのが以下の図です。

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Source:How to Get Featured in the App Store

先ほどのゲーム・非ゲーム合算時はアプリ内課金モデルが40%だったのものが、ゲームアプリ単体では60%以上に増えていますね。これは、推測の域は出ませんが、Appleとしても収益を上げる為に、課金ユーザーが多いゲームカテゴリでは、アプリ内課金モデルを多くフィーチャーしているとも考えられます。(広告モデルと課金モデルのゲームアプリ比率は考慮していません)

では、有料アプリだとフィーチャーされるのに不利かというとそういう訳ではないと考えます。
確かに、フィーチャーされているアプリの割合では、ゲーム・非ゲーム両方で小さくはなっていますが、そもそもの有料アプリのアプリ数は全体アプリ数の僅か10%しかないことを考慮すると、十分フィーチャーされる可能性はあると言えるでしょう。

4. どのようにすればフィーチャーされるのか?

前章で、フィーチャーされているアプリの特徴を記述しましたが、ご覧いただくと分かる通り、「良いアプリを作り改善し続けること」が絶対条件になっており、近道は無いのはお分かり頂けるでしょう。
では、具体的に何をもって「良いアプリ」とするのかを見ていきます。

■ フィーチャーに有利な具体的な条件
①:Appleの最新技術を取り入れていること
3DTouchやSign in with Apple が発表された際には、実装が早かったアプリがフィーチャーされた傾向がありました。

②:アップデート頻度が高いこと
継続的にアプリを改善していることを示す上でアップデート頻度は重要になります。

③:展開国が多くローカライズされていること
Appleは世界中でビジネスを展開している為、各国で取り上げられるようなアプリが選ばれやすい傾向があります。
その点で、多国展開だけでなく、適切にローカライズまでしている事が重要になります。

④:ユニバーサルであること
Appleは全ての人に使いやすいアプリを重視しており、視覚・聴覚・触覚・識字能力の4つに配慮したアプリをフィーチャーする傾向があります。
例えば、以下は色覚に配慮したアプリUIの例です。

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Source:How to Get Featured on the App Store

⑤:アプリ詳細ページは最適化されているか
③のローカライズとは別に、魅力的なストアページ設定になっている事も重要になります。
スクリーンショットをアプリの魅力が伝わるように最適化するだけでなく、タイトル・サブタイトルなどのメタデータも最適化する必要があります。

⑥:シーズンにあわせたアップデート
Appleは国ごとにシーズンに合わせた特集フィーチャーを組んでいます。
例えば、日本ではお正月のタイミングで毛筆関係のアプリの特集を組んでいました。

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⑦: Apple製品をスクリーンショット内などで見せる
AppStoreはiPhoneユーザーへのAppleの最大の広告面にあたり、Apple製品を使用している描写を入れる事でフィーチャーされる可能性が高まります。

■ フィーチャーへの申し込み
上記の条件もクリアして、フィーチャーされる自信がある場合は、直接フィーチャー審査の申し込みを行う事もできます。

アプリの開発ストーリー・どのようなメリットをユーザーに提供するのかを網羅して記載する必要がありますが、ただ待っているだけでなく審査申込ができるので有効活用しましょう!
尚、審査が通った場合に実際にフィーチャーされるまでには、一定の時間が必要になります。スケジュールに余裕を持って申請することをお勧めします。

尚、上記のApple公式のフォームでなく、Linkedinで直接AppleのAppStoreマネージャーにコンタクトを取るという方法も存在はしますが、あくまでも2016年の記録である点、もともとアプリは1500万ダウンロード以上だったため質の高いアプリであった点の2点から、まずは愚直に質の高いアプリを作ることに注力するべきと言えそうです。

5. フィーチャーは今後ユーザー獲得にどのような影響を与えるか?

最後に、フィーチャーはユーザー獲得に今後どのような影響を及ぼすのかを考察していきます。
2章で触れた通り、フィーチャーはゲーム・非ゲームアプリ両方にとってダウンロード数増加に大きな影響を及ぼします。

以下は、AppStoreにおける、検索経由かランキングなどのブラウズ経由なのかの割合を示す図です。

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Source:Getting Ready for 2020: How ASO Has Changed in 2019 and What’s Next

ご覧頂くと分かる通り、カテゴリによってはブラウズ経由の割合は80%を超えており、特にゲームアプリにおいては86%をも占めており、今後もフィーチャーはDL数増加に大きな効果があることを意味しています。

さらに、最近ではキーワード検索に対してフィーチャーカードが表示されるキーワード数もどんどん増加しています
iOS14では、キーワード検索されるフィーチャーカードがバナーからアプリアイコンに変更されることになっており、Appleとしても自社のおすすめであるフィーチャーを割合を増加させていく方針をとっており、益々フィーチャーの重要度は上がると言えます。

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Source:WWDC 2020: What’s new for the ASO and Organic UA

そのほかのWWDC22020で発表されたiOS14の変更点は以下のnoteをご覧ください!

■ 最後に
少し長くなりましたが、以上がAppStoreのフィーチャーの全解説でした!

今後益々フィーチャーの重要度は上がると言えますが、フィーチャーされる為に近道はありません!
「継続的に改善し続けること」、これを最重要視することで少しでもフィーチャーされる可能性は上がると言えるでしょう。

また次の "3minutes ASO" でお会いしましょう!

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