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#28 仕組まれた市長不在

私は市長就任から、
1人でも多くの市民と直接対話することに、力を注いできました。
信頼関係こそ、これからの政治に必要なものだと考えていました。

そんな矢先の逮捕。

新聞やテレビによる有罪視報道の中、市民の皆さんが私のことをどのように思っているのか。
不安は募るばかりでした。

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任意同行以来、ずっと美濃加茂市の状況が気がかりでした。
身柄が拘束され"接見禁止"の私には何もできないもどかしい状況でした。

【接見禁止】
接見とは、刑事事件で身柄を拘束されている被疑者や被告人が外部の人と会うことです。通常、逮捕後72時間が経過し、勾留決定が出されると、誰とでも接見することが原則可能になります。
しかし、外部との接見によって、罪証隠滅や証拠偽造などの危険があると判断される場合は、勾留後にも接見禁止となることがあります。

任意同行の時から刑事は、「証拠は全て揃っている」と言いながら、"罪証隠滅の恐れがある"というのは、何とも理解し難い判断でした。捜査機関が要求する接見禁止には、罪証隠滅や証拠偽造とは別の理由があると考えざるを得ませんでした。

私が唯一できることをと、市民の皆さんへのメッセージを弁護士宛に綴りました。

郷原先生へ
今、私は、
美濃加茂市民のみな様へ、このような思いで一杯です。
この度の件、市民のみな様方には
多大な御心配と御迷惑をおかけし、
大変申し訳ありません。
ただ、今回の私にかけられた疑いは一切
無実ですので、1日も早く帰り、みな様と
一緒になって、美濃加茂市を日本に誇れ
る、まちにしたいです。
少しの間、席を空けますが
美濃加茂をどうか、よろしくお願いします。
藤井浩人
今後ともよろしくお願いいたします。
<原文ママ>

机もなく、床に伏せながらしか書くことができない不格好な有様。それでも、逮捕後に市民の皆さんに想いを届ける唯一の機会。走らせる文字は乱れながらも、力が入りました。

私の思いが、どれだけの市民の皆さんに伝わったのかは分かりませんが、いくつかの新聞社が取り上げてくれました。

政治家が逮捕されたり、疑惑をかけられることが時々あります。当事者となった私が思うことは、その事件の内容が事実では無かったり、誤解があるのであれば、政治家本人が堂々と情報を発言し、説明を尽くすことが必要だと思います。できない理由は無いはずです。説明ができないのであれば、直ちに職を辞めるべきだと思います。

この頃から、接見の時に市民の方々からの激励の手紙やメッセージ、色紙への寄せ書きなどが届いていることを知らせてもらいました。
それらのメッセージ、一つ一つから大きな力をいただきました。

同時に、このような市長不在をいつまで市民の皆さんは理解していただけるのか。先が見えない状況に不安ばかりが募りました。

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