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のど自慢 in the Hell

東京にいる時は日曜日のお昼はNHKのど自慢を見るのが好きだった。上手い下手はあんまり関係無い。気持ちが和む良い番組だったと思う。そういえばアメリカでは結構なボリュームで鼻歌を歌う人に出くわす気がする。そういう時は、ああ、この人は歌わずにはいられない気分なんだな、と思う。うつむき加減でヒップホップのライムをひたすら呟いてる人もいる。ああ、この人は溢れ出す言葉を止められないんだな。

週末に見た夕日。海の近くの岩場に行くと岩の破片や石ころが賽の河原の積み木の如く積み上げられていた。日が沈む前でたまたま通りかかったスポット。こんな場所があるのは知らなかった。現実離れした景色で、別世界へ連れて行かれたような気分になれた。

海からの風は暖かい。クリスマスシーズンの12月だけど、陽があるうちはコートもいらない。ちらほらと夕日を見にきている人達もいて、laid-backでチルな雰囲気を楽しんでいた。日没前に丁度いいスポットに辿り着こうとはしゃぎながら走っている小さい子達。日曜日の夕方をみんな重い思いに楽しんでいた。積み上げられた石に三途の川という仏教的世界観を重ね、地獄を連想しているのはおそらく私だけだったと思う。

仲の良さそうなカップルが海に向かって何か歌っていた。結構な気合で。魂を大自然に解き放つ様を見るとこっちまで気持ちがほぐれてきた。上手いかどうかはわからないし、何を歌っているのかもわからないが、良い歌だった。地獄で聴く歌にしてはなかなかイイ。のど自慢 in the hell。私も歌いたい気持ちになった。Hell Yeah! 



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