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きっと成功を掴む未来【第8話】

【登場人物】

主役:佐々木隼人(横須賀大学・4年生:経済学部)
《勤務先:ジャパンファイナンス(金融会社)》

同級生:宮崎ひとみ(横須賀大学・4年生:経済学部)
《勤務先:グローバル保険(保険会社)》

同級生:石原勇気(横須賀大学・4年生:社会学部)
《勤務先:日本開発不動産(不動産会社)》

同級生:木内早苗(横須賀大学・4年生:商学部)
《勤務先:アジアパシフィック証券(証券会社)》

【第8話】仕事への緊張

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《夏休みまでの攻防》
佐々木の仕事も徐々に板に付いていき、佐々木はいつも通り忙しい毎日を過ごしていた。
もうじき迎える夏休みに備えて残り少ない日々を全力で仕事と闘っていた。

営業1課 課長:
『夏休みまであと2週間だが、しっかりとミスの無いように仕事に取り組んでくれ!』

須藤(先輩):
『よ~し、お客様回りからやって行こう!』

課長の言葉とともにチーム全員が残り少ない日々に向けて動き出した。

金子:
『佐々木君、延滞者リストにあの美容室が挙がってきたわよ』

佐々木:
『どうしたんだろ、電話してみるよ』

佐々木は、須藤(先輩)から紹介をして頂いた初めてのお客様に電話をかけた。

佐々木:
『プープー・・・』

金子:
『・・・』

佐々木:
『ダメだ、電話にでないよ』

金子:
『お客様のところに行って見ましょうよ』

佐々木:
『いや、しばらく様子を見よう!何かの手違いかもしれないから』

金子:
『わかったわ、私もお客様のところへ一緒に行くから教えてね』

佐々木:
『わかった、すぐに連絡をするよ』

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~1週間後~
佐々木は毎日のように美容室への連絡を試みたが一向に連絡が取れなかった。

佐々木:
『金子、美容室に行こう!』

金子:
『美容室と連絡が取れなかったのね』

佐々木:
『毎日、連絡を入れたが誰も出ないんだ』

二人は、会社の車に飛び乗り美容室へと向かった。

金子:
『どうしたのかしら』

佐々木:
『最近、連絡を取っていなかったからな!』

二人は美容室へ向かう車内でいろいろな事を話し合っていた。
話し合っていると美容室が車内から見えてきた。

金子:
『電気がついていないわね』

佐々木:
『暗いようだね』

車から降りるて美容室を見るが美容室は物静けさに包まれていた。

金子:
『カギがかかっているね』

佐々木:
『紙が貼ってあるぞ!』

金子:
『なんてかいてあるの!?』

佐々木:
『「一身上の都合によりしばらくお休みをさせて頂きます」って書いてある』

金子:
『どうしたのかしら』

佐々木:
『よし、これからオーナーの自宅へ行ってみよう』

再び二人は車へと乗りこみ美容室のオーナー宅へと向かった。

佐々木:
『確かこのあたりだと思うんだけどな!』

佐々木は車を運転しながら同じような住宅街を何度も見渡していた。

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金子:
『住所的にはあの白い家の辺りかな!?』

佐々木:
『よし、ここからは歩いて探そう!』

二人は車からおり地図を見ながら美容室のオーナー宅を探し回っていた。

金子:
『やっぱりこの家だ、表札があったわよ』

佐々木:
『よし、行って見よう。誰かいるかな!?』

佐々木は、ベルを鳴らした。すると大きな白い家から一人の年配女性が出てきた。

オーナーの妻:
『どなたでしょうか?』

佐々木:
『美容室でお世話になっていますジャパンファイナンスの佐々木と申します』

するとオーナーの妻はビックリした表情で答えた

オーナーの妻:
『いつもお世話になっています。今日はどうしたのですか?』

佐々木:
『オーナーと連絡が取りたくて自宅へ伺った次第です。美容室も休まれているようですが何かあったのですか!?』

オーナーの妻:
『1週間前に主人が美容室に向かっている時、横から車が飛び出して主人とぶつかりました』

佐々木:
『オーナーはどうしたのですか?』

オーナーの妻:
『幸い軽い打撲と足の捻挫程度で済みましたが現在は病院で検査入院をしています』

金子:
『そうでしたか大変でしたね。私はジャパンファイナンスの金子です』

オーナーの妻:
『もしかしたら、返済が遅れているのではないでしょうか』

佐々木:
『オーナーとは話をすることは可能ですか?』

オーナーの妻:
『明日、退院してきますので自宅に戻ったら連絡をさせます』

佐々木:
『ありがとうございます。お大事にして下さい』

佐々木と金子は、オーナーのご自宅をあとにして会社の車へと戻った。

金子:
『1週間前に大変なことが起こっていたんだね』

佐々木:
『美容室もオーナーがいないと回らないからな』

二人は車内で会話しながら会社へと帰って行った

~翌日~

金子:
『佐々木君、美容室のオーナーから電話よ!』

金子はそばにいた佐々木に受話器を渡した。

佐々木:
『代わりました、佐々木です』

美容室 オーナー:
『佐々木さん、いろいろあって申し訳ない入金しておいたから』

佐々木:
『オーナー、お身体の方はどうなんですか?』

美容室 オーナー:
『美容室は2週間程、休もうと思いますが軽傷ですんだので今はピンピンしていますよ』

佐々木:
『それは良かった、無理をしないで下さいね』

美容室 オーナー:
『そのうち、美容室にも寄ってください』

佐々木:
『わかりました。お身体をお大事ねして下さい』

佐々木と美容室オーナーとのやり取りが終わるとすぐに佐々木の携帯が鳴った。

佐々木:
『もしもし、佐々木です』

石原:
『よぉ佐々木、久しぶり!』

電話の主は同級生の石原だった。

佐々木:
『なんだよ!忙しいから後にしろよ』

石原:
『来週、みんなで集まるから予定を開けておけよ、じゃーな!』

石原は一方的に電話を切ってしまった。
佐々木は訳がわからない石原の電話が気になっていた。

金子:
『佐々木君、美容室のオーナーどうだった?ちゃんと入金の確認ができたわよ』

佐々木:
『オーナーは元気だったよ、何が起こるかわからないから気を付けないとね』

金子:
『夏休みまで1週間を切っているから頑張りましょうね』

二人は連休直前の出来事に再び気が引き締まる思いをしていた。

~ 続く ~

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