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きっと成功を掴む未来【第18話】

【登場人物】
主役:佐々木隼人(横須賀大学・4年生:経済学部)
《勤務先:ジャパンファイナンス(金融会社)》

同級生:宮崎ひとみ(横須賀大学・4年生:経済学部)
《勤務先:グローバル保険(保険会社)》

同級生:石原勇気(横須賀大学・4年生:社会学部)
《勤務先:日本開発不動産(不動産会社)》

同級生:木内早苗(横須賀大学・4年生:商学部)
《勤務先:アジアパシフィック証券(証券会社)》

【第18話】迷う心

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美容室を運営する吉本オーナーへの支援の準備も着々と始まりだし、忙しくなりつつある佐々木はITを使ったシステムを構築するため、佐々木のお客様でもあるシステム開発会社の社長と会うことにした。

週末ともあって休み前に積み残した仕事を佐々木は懸命に対応をしていた。

佐々木:
『ジャパンファイナンスの佐々木です』

佐々木はシステム開発会社へと足を運んだ。

女性従業員(システム開発):
『いらっしゃいませ!佐々木様・・お待ちしておりました』

女性従業員(システム開発)は佐々木を奥の部屋へと案内した。

女性従業員(システム開発):
『こちらでしばらくお待ちください!』

佐々木は広々とした応接室の中央にある椅子に腰かけた。すると一人の男性が佐々木の後を追うように現れた。

丹野社長(システム開発社長):
『佐々木さん・・ご足労頂きありがとございます』

佐々木:
『丹野社長・・!昨日お電話でお話をした件ですが、私のお客様をご紹介させていただきたいと思っておりまして!』

丹野社長(システム開発社長):
『美容室のお客様とおっしゃっておりましたな!』

佐々木:
『その通りです、私がその美容室にご提案を申し上げてITを活用していただくこととなったため是非丹野社長のお力を借りたいと思っています』

丹野社長(システム開発社長):
『以前、佐々木さんにお話しをしたように私どもが開発したシステムは顧客管理システムですがどの様に活用をされるのですか!?』

佐々木:
『私が美容室にご提案をしているのは、「美容室のお客様一人ひとりのヘアカタログ」を考えています』

丹野社長(システム開発社長):
『なるほど!』

佐々木:
『一人ひとりのヘアカタログを作ることは可能でしょうか!?』

丹野社長(システム開発社長):
『大丈夫ですよ!簡単にできますよ!』

佐々木:
『良かった!他に出来ることはありますか!?』

丹野社長(システム開発社長):
『そうですね! 美容室の鏡を細工することでお客様の髪型をご提案することは可能だと思います』

佐々木:
『髪型のご提案とはどうことですか!?』

丹野社長(システム開発社長):
『いま流行りの髪型やご本人の髪型などをバーチャルで体験できると思います』

佐々木:
『なるほど!髪型のサンプルをお客様にご提案し、お客様の気分に合わせた髪型を選んでいただくのですね!』

丹野社長(システム開発社長):
『その通りです!これからは鏡もITのデバイスとなります』

佐々木:
『わかりました、美容室のオーナーと話を詰めていきますので改めてご連絡をさせて頂きます』

佐々木は、システム開発会社社長との商談に手応えを感じていた。

~その日の夕方~

佐々木は美容室の吉本オーナー(美容室オーナー)との商談を済ませクタクタになりながら会社へと戻ってきた。

田辺課長(営業1課課長):
『佐々木・・吉本オーナー(美容室オーナー)の反応はどうだった!?』

佐々木:
『先の時代を見据えており設備投資には積極的でした』

田辺課長(営業1課課長):
『そうか!良かったな』

佐々木:
『吉本オーナーより新たに資金繰りを頼まれました!』

田辺課長(営業1課課長):
『何としてでも吉本オーナーを支えなければいけないな!』

佐々木:
『税理士の藤原先生とも協力しながら生産性を図っていきます』

田辺課長(営業1課課長):
『そうか!任せたぞ!』

金子:
『佐々木君・・吉本オーナーのところに行ってたの!?』

佐々木:
『金子!いろいろと協力をしていただいてありがとう!』

金子:
『順調に進みそう!?』

佐々木:
『お陰様で何とかなりそうだよ!』

金子:
『良かったわ!お手伝いをした甲斐があったわ!』

佐々木:
『お礼をしなきゃね!』

金子:
『お互い様だから気にしないでね!明日を楽しみにしているから!』

佐々木:
『ありがとう!』

佐々木は仕事が順調に進みそうなので楽観的になっていたが、明日の事が脳裏に過ると妙にソワソワと気持ちが落ち着かなかった。

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~翌日~

佐々木は初めて女性を自宅に招くため、ソワソワとした気持ちで落ち着きがないまま狭い部屋をうろうろとしていた。

金子:
『ピン・ポ~ン・・』

佐々木:
『き・きた!』

佐々木がドキドキしながら玄関の扉を開けると大きな買い物袋を携えた金子が立っていた。

金子:
『何とかたどり着きました!』

佐々木に声をかけた金子は佐々木の顔が見えるととても嬉しそうに微笑んだ。

佐々木:
『さぁ!中へ入ってよ、狭い所だけど!』

金子:
『お邪魔しま~す!』

佐々木の自宅へ上がった金子は佐々木の部屋を物色をするかのように見渡していた。

金子:
『随分とお部屋が片付いているね!』

佐々木:
『あまり物がないだけさ!』

金子:
『あまり大したものは作れないけど今日は我慢をしてね!』

佐々木:
『今日は何を作ってくれるの!?』

金子:
『出来るまでのお楽しみ!』

佐々木:
『コーヒーでも飲まない!』

金子:
『ありがとう!』

佐々木と金子はコーヒーを飲みながら暫くの間会話を楽しんでいた。

金子:
『佐々木君は休みの日は何をしているの!?』

佐々木:
『掃除や洗濯かな!』

金子:
『彼女にやってもらわないの!?』

佐々木:
『彼女なんていないよ!』

金子:
『そうなんだ!じゃあ今日は愛情を入れて料理を作るね!』

佐々木:
『あまり力を入れなくても大丈夫だょ!』

金子:
『じゃあ!そろそろ食事の準備に入るね!TVでも見て待っていて!』

金子は佐々木に言い残すと狭い台所に向かい料理を作り始めた。
一方、佐々木は今まで撮りためていたTV番組を探し始めた。

佐々木:
『まだ見てない「お笑い番組」でも見るか!』

佐々木は大好きなお笑い番組を見ながら金子の料理を待つことにした。

~数時間が経過した~

佐々木はお笑い番組に夢中となり転げまわっていると台所から声が聞こえてきた。

金子:
『料理ができました!』

金子は台所から次々を料理を佐々木のいる部屋へと運んできた。

佐々木:
『すっげえ~美味しそう!』

金子:
『今日は煮込みハンバーグをつくりました!』

佐々木:
『ワインを買って置いたんだけど合うかな!?』

金子:
『ワインを飲みながら食べましょう!』

すでに辺りは日も暮れ夜へと差し掛かっていた。

佐々木:
『いただきま~す!』

二人は食事をしながら再び楽しい一時を過ごしていた。

金子:
『食べたね!あまり上手に出来なかったけど美味しかった!?』

佐々木:
『最高だったよ!こんな美味しい料理は食べたことがないよ!』

金子はとても嬉しい気持ちに包まれていた。

金子:
『なんか!もう少し飲みながらお話をしたいな!』

佐々木:
『近くのコンビニでおつまみを買ってくるよ!待ってて!』

佐々木は金子を部屋に残し近くのコンビニへと猛ダッシュをした。

佐々木:
『ビールとおつまみを買ってきたから飲み直そうよ!』

二人は数時間恋人のような楽しい一時を過ごしていた。

金子:
『だいぶ遅くなってしまったから帰るね!』

佐々木:
『もう、こんな時間か!駅まで送っていくよ!』

金子:
『ありがとう!』

二人は暗い夜道を駅に向かって歩いて行った。

金子:
『今日は本当に楽しかったわ!』

佐々木:
『金子がこんなに料理が上手いなんて知らなかったよ!』

金子:
『実家にいるときにお母さんのお手伝いをしていたせいかな!』

佐々木:
『一人で食事をするのは寂しいよね!』

金子:
『また、遊びに来ても良い!?』

佐々木:
『勿論だよ!』

金子:
『今日はありがとう!』

金子はとても嬉しそうに笑みを浮かべながら改札を通り抜けていった。

佐々木は金子の後ろ姿を愛おしい眼差しで見送っていたが、佐々木の心には時より「宮崎ひとみ」の事がチラついていた。

~続く~







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