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きっと成功を掴む未来【第21話】

【登場人物】
主役:佐々木隼人(横須賀大学・4年生:経済学部)
《勤務先:ジャパンファイナンス(金融会社)》

同級生:宮崎ひとみ(横須賀大学・4年生:経済学部)
《勤務先:グローバル保険(保険会社)》

同級生:石原勇気(横須賀大学・4年生:社会学部)
《勤務先:日本開発不動産(不動産会社)》

同級生:木内早苗(横須賀大学・4年生:商学部)
《勤務先:アジアパシフィック証券(証券会社)》

【第21話】大切な人

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体調を崩していた宮崎もようやく退院の許可がおり、晴れて退院をすることになった。佐々木を始めとする同級生たちは再び宮崎に元気を取り戻してもらうために「励ます会」を計画していた。

すると佐々木の元に石原から電話が入った。

佐々木:
『よぉ!石原・・何かあったか!?』

石原:
『宮崎の快気祝いの場所が決まったよ!』

佐々木:
『どこでやるんだ!?』

石原:
『川崎のレストランで「励ます会」をすることにしたよ!』

佐々木:
『そうか!それは良いな・・宮崎の自宅のそばなら安心だ!』

石原:
『そこで当日はお前に宮崎を迎えに行ってもらいたいんだ!』

佐々木:
『迎えにか!?』

石原:
『木内は俺と一緒に「励ます会」の準備がある為、宮崎を迎えに行くことが出来ないんだょ!』

佐々木:
『そうか!わかった・・俺が宮崎を迎えに行くよ!』

石原:
『じゃ!当日に川崎のレストランで再会な!』

宮崎の快気祝いを同級生3人がそれぞれ担当をすることとなった。

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~快気祝い前日~

佐々木は週末の快気祝いに備え朝早くから仕事をこなしていた。

佐々木:
『須藤先輩!今日は門田社長(飲食店社長)との打ち合わせに行ってきます』

須藤(先輩):
『気を引き締めて頑張れよ!』

佐々木:
『わかりました。戻ったら報告します』

佐々木は予てより手掛けている「事業拡大計画」の打ち合わせの為に門田社長(飲食店社長)の所へと向かった。

佐々木:
『おはようございます。ジャパンファイナンスの佐々木です』

門田(飲食店社長):
『佐々木さん、お待ちしておりました』

佐々木:
『先日、税理士の藤原先生と門田社長の飲食店について分析をさせていただきました』

門田(飲食店社長):
『どうですか!?』

佐々木:
『とても安定された収益を出されているので、安心して「事業拡大計画」を進めていくには申し分がないとの事でした』

門田(飲食店社長):
『それは安心をしました』

佐々木:
『その上でコンサルティング会社の水野社長よりマーケティング分析を頂いたところ、出店先は「横浜のみなとみらい地区」を提案されています』

門田(飲食店社長):
『そうですか・・横浜ですか!』

佐々木:
『そして、横浜エリアの物件を現在瀬崎社長(不動産会社社長)が探されていますので間もなく瀬崎社長より候補地の連絡が来ると思います』

門田(飲食店社長):
『私は横浜についてあまり詳しくないのですが大丈夫でしょうか!?』

佐々木:
『大丈夫ですよ!門田社長は東京の青山で立派に経営を熟(こな)されていますので安心をして下さい』

門田(飲食店社長):
『ありがとうございます・・では宜しくお願い致します』

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佐々木は門田社長との商談を終え、午後一番で会社へと戻った。

会社に戻ると田辺課長を始め社内は騒然としていた。

田辺課長(営業1課):
『須藤、金子と一緒に連絡の取れない会社へ行って来い!』

須藤(先輩):
『わかりました、すぐに向かいます』

金子:
『申し訳ありません』

須藤(先輩):
『金子!・・いくぞ!』

須藤と金子は連絡の取れない会社に現地調査へと向かった。

会社へと戻ってきた佐々木は状況が良くつかめないまま困惑していた。

佐々木:
『田辺課長・・戻りました!いったい何があったのですか!?』

田辺課長(営業1課):
『詐欺に引っ掛かったかもしれない』

佐々木:
『詐欺ですか!?』

田辺課長(営業1課):
『そうだ!近頃ペーパーカンパニーを作り融資を受けた後に姿を消す事件が横行しているんだ!』

佐々木:
『ペーパーカンパニーですか!?』

田辺課長(営業1課):
『しっかりと実体調査をしておかないとこのような事件に巻き込まれる恐れがあるからお前もしっかり頼むぞ!』

佐々木:
『書類だけの判断は危険という事なんですね』

田辺課長(営業1課):
『その通りだ!しっかりと資金の流れを分析したり営業実態を確認する事はとても重要だからな!』

佐々木もまた初めての出来事に驚きを感じずにはいられなかった。

~一方現地では~

須藤(先輩):
『ここだな!やっぱり空っぽだ!』

金子:
『ごめんなさい!私のせいで』

須藤(先輩):
『とりあえず田辺課長へ報告をしてくるよ!』

須藤(先輩)は現地の様子を電話で田辺課長に報告をした。

須藤(先輩):
『田辺課長、やはり部屋は空っぽの状態です。近隣によると一時的に看板はありましたが人の出入りはなかったそうです』

田辺課長(営業1課):
『わかった!2人とも戻って来い』

須藤(先輩):
『わかりました』

須藤は田辺課長との電話が終わると金子のところに向かった。

須藤(先輩):
『金子!大丈夫か!?』

金子:
『ごめんなさい・ごめんなさい・・』

金子は怯えた様子でひたすら須藤に向かって謝っていた。

須藤(先輩):
『金子!・・あとは俺と田辺課長で何とかするから大丈夫だ!』

金子:
『本当にごめんなさい』

須藤(先輩):
『いったん会社へ帰ろう!』

須藤と金子は現場を離れ会社へと戻って行った。

須藤と金子が会社へと戻ると田辺課長と佐々木が待っていた。

須藤(先輩):
田辺課長、お話があります・・少し良いですか!?

須藤(先輩)は金子と佐々木から遠ざかるようにして田辺課長を別の部屋へと連れ出した。

須藤(先輩):
『田辺課長、状況は電話でお話をした通りですが金子の様子がおかしいです』

田辺課長(営業1課):
『なにがあったんだ!』

須藤(先輩):
『現場でも何かに怯えているようにずっと謝ってばかりで!』

田辺課長(営業1課):
『少しビックリしたんだろう!この始末は俺がするから須藤は少し手伝ってくれ!』

須藤(先輩):
『わかりました』

話を終えた田辺課長と須藤(先輩)が再び金子・佐々木のいる部屋へと戻ってきた。

田辺課長(営業1課):
『佐々木・・! 少し良いか!?』

佐々木:
『なんでしょうか!?』

田辺課長(営業1課):
『お前と金子は確か同期だったよな!』

佐々木:
『その通りです!』

田辺課長(営業1課):
『金子は以前、「山形から上京をして、東京では頼る人がいない」と言っていたからお前が相談に載ってあげてくれないか!?』

佐々木:
『は・はい!』

田辺課長(営業1課):
『今回の件で金子はとても怯えてしまっているのでとても心配なんだ!』

佐々木:
『かなり落ち込んでいるのですか!?』

田辺課長(営業1課):
『無理には出来ないが、仲が良いなら受けてもらえないか!?』

佐々木:
『わかりました、私も金子の事が心配なので傍についているようにします』

田辺課長(営業1課):
『宜しくな!』

佐々木は落ち込んでいる金子を支えるためにいろいろと模索をしながら、落ち込んでいる金子の元へと向かった。

佐々木:
『金子・・!大丈夫か!?』

金子:
『佐々木君・・、私・・失敗しちゃったよ!』

佐々木:
『俺も同じ事になっていたと思うよ!だから一緒にこの経験を乗り越えて行こうよ!』

金子:
『ありがとう!』

佐々木:
『前に話をしていた「関東の街並み」を案内する件だけど明日行かないか!?』

金子:
『一人でいるのが怖いから傍にいてくれると嬉しいわ!』

佐々木:
『明日迎えにいくよ!待っててね!』

佐々木は改めて以前から金子と約束をしていたデートを明日に決めた。しかしながら『宮崎ひとみ』の快気祝いと重なることとなる。

~続く~





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