見出し画像

きっと成功を掴む未来【第7話】

【第7話】新たな経験への一歩

画像1

《人脈づくり》
佐々木は仕事にも次第に慣れていき、いつも通りに日常の業務をこなしていた。そして自身の担当する顧客への訪問には余念がなかった。

須藤(先輩):
『佐々木、金融の勉強はしっかりやっているか?』

佐々木:
『段々、財務諸表についてわかるようになってきました』

須藤(先輩):
『そうか、いろんな方と交流を持ち勉強させてもらうんだぞ!』

佐々木:
『はい、わかりました』

佐々木は会社の車を走らせ自身の担当する顧客の不動産会社へと向かった。

佐々木:
『こんにちは、ジャパンファイナンスの佐々木です』

会社に入ると、奥から不動産会社の社長が現れた。

不動産会社社長:
『こんにちは佐々木さん、今日は何かありましたか?』

佐々木:
『金利優遇の商品が発売されましたのでご連絡に来ました』

不動産会社社長:
『これは面白い商品だね、検討させていただくよ』

佐々木:
『ありがとうございます』

不動産会社社長:
『そうそう、今度政治家が来る協会のパーティーがあるんだが一緒に来ませんか?』

佐々木:
『パーティーですか!?』

不動産会社社長:
『私がお世話になっている政治家の先生が来賓で来られるパーティーなんだが・・』
『世の中の事がよくわかって勉強になりますよ』

佐々木:
『私には程遠い世界だと思いますがぁ・・・』

不動産会社社長:
『名刺をたくさん持ってきて下さいね、いろんな方をご紹介させていただきますよ』

佐々木:
『ありがとうございます。是非、参加させていただきます』

不動産会社社長:
『それでは、詳細が分かったらお知らせいたします』

佐々木:
『わかりました、宜しくお願い致します』

不動産会社の社長と約束を交わしてはみたが、佐々木は政治家の来るパーティーがどのようなものか全く見当も付かずにいた。

その後佐々木は数件のお客様への訪問を終え、ようやく1日の業務が終了した。
しかしながら、頭の片隅には初めて経験をする政治家のパーティーの事が気になっていた。

~数日後~
不動産会社の社長より1本の電話がかかってきた。

不動産会社社長:
『もしもし、佐々木ですか?』

佐々木:
『社長、お世話になります』

不動産会社社長:
『この前にお話をしたパーティーの件ですが来週の金曜日19:00から恵比寿のホテルで開催しますので宜しくお願いします』

佐々木:
『わかりました、宜しくお願い致します』

画像2

~パーティー当日~
日々の仕事に翻弄されながらもあっという間にパーティー当日が訪れた。

佐々木:
『物凄い人が来られていますね』

不動産会社社長:
『今回は協会のイベントに政治家が招かれているんですよ』
『パーティーが始まりますので飲み物を貰っておきましょう!』

司会者からのアナウンスが始まるとざわついていた会場が一瞬にして静寂へと変わった。

司会者:
『定刻となりましたのでパーティーを開催いたします』
『協会会長の挨拶です・・』

壇上に協会会長がゆっくりとあがりマイクの位置を確かめていた。

協会会長:
『今日はお忙しい中、我が協会のパーティーにご参加いただきありがとうございます。我が協会は・・・・』

しばらく協会会長の挨拶が続く中、乾杯の音頭へと移っていった。
すると周囲はグラスを掲げ天井目掛けて一斉に乾杯を叫んだ。
佐々木も若干の遅れをとりながらも周りに合わせ乾杯を叫んだ。

佐々木:
『かんぱ~い!』

すると不動産会社社長のもとに一人の男性が近づいてきた

奥田都議会議員:
『社長、ご無沙汰しております』

不動産会社社長:
『奥田先生、その節はお世話になりました』

奥田都議会議員:
『一緒におられる方はどなたですか?』

不動産会社社長:
『こちらは、私がお世話になっている金融会社の方です』

佐々木:
『初めまして、ジャパンファイナンスの佐々木です』

奥田都議会議員:
『そうですか、私もいろんな方から相談を受けるので橋渡しなど出来たらありがたいですね』

佐々木:
『宜しくお願いいたします』

佐々木は突然の展開に動揺しながらも人とのつながりを模索していた。
その後次から次えとスピーチが変わる中、閣僚の先生の挨拶が始まった。

小田代議士(閣僚):
『皆さん、いかがおすごしでしょうか』
『日本の行く末について少し話したいと思います。この日本は・・・』

小田代議士(閣僚)が演説のなか、不動産会社の社長は佐々木の耳元に小声で話しかけた。

不動産会社社長:
『佐々木さん、あの方が閣僚の小田先生です』
『後ほどご挨拶に行きましょう!』

佐々木:
『わかりました』

佐々木は普段とは異なった雰囲気に惑わされながらも、ただ「人との繋がり」だけを心に刻みこんでいた。

佐々木は小田代議士(閣僚)の話にどんどん引き込まれつつ、演説は終盤に差し掛かっていた。

小田代議士(閣僚):
『皆さん、これからも国の為に尽力してまいります、応援してください・・』

小田代議士(閣僚)は壇上から降りると、すぐに周囲の人々に囲まれていた。

不動産会社社長:
『佐々木さん、小田代議士(閣僚)のところに行きましょう』

佐々木:
『わかりました』

佐々木と不動産会社社長は人をかき分け小田代議士(閣僚)のところへと向かった。

不動産会社社長:
『先生、いつもお世話になっております』

小田代議士(閣僚):
『瀬崎社長、その後いかがですか』

不動産会社社長:
『先生、今日は紹介したい方がおります』

佐々木:
『初めまして、ジャパンファイナンスの佐々木です』

小田代議士(閣僚):
『おいくつですか?若いですね』

佐々木:
『22歳です、素晴らしいお話を聞けて光栄です』

佐々木はいつも以上に気持ちが高揚していた。

小田代議士(閣僚):
『頼もしい青年ですね。困ったことがあったら事務所にでも顔を出して下さい』

佐々木:
『ありがとうございます』

不動産会社社長:
『先生、改めてご挨拶に伺わせていただきます』

重々しい会話が続く中、佐々木は右往左往するばかりで雰囲気にのみ込まれていた。

小田代議士(閣僚):
『そうだ瀬崎社長、この前の「飲食店の社長の話」を佐々木さんに教えてやってくれないか』

不動産会社社長:
『先生、わかりました』

小田代議士(閣僚):
『佐々木さん、頑張ってください』

小田代議士(閣僚)の周りには次から次と人が集まっていた。
数時間が経過し協会パーティーも終わりを向かえいようとしていた。

司会者:
『そろそろ会場のお時間となりましたので本日のセレモニーは終了させていただきます。お帰りは・・・』

佐々木は時間が経つ事も忘れるほど衝撃な経験を果たした。

不動産会社社長:
『どうでしたか、佐々木さん』

佐々木:
『貴重な経験をさせて頂きありがとうございます』
『飲食店の社長の話って何ですか?』

不動産会社社長:
『今度紹介したい方がおりますので、後日私の会社にお越しいただけますか』

佐々木:
『わかりました。本日はありがとうございました』

佐々木は「人のつながり」を目の当たりに体験することができとても興奮をしていた。
少しずつ何かが変わっていることは感じているが、自分が成長している事には全く気付かなかった。

~ 続く ~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?