【SS】幻獣師のコンパス🧭02〜お姉ちゃんとの約束〜
01
01話『最初の友達は虹色のトカゲでした。』
02-1
02話『お姉ちゃんとの約束』
「ぜったいお母さんに内緒だよ‥」
いつになく真剣な表情のお姉ちゃんを見て
これはホンキのヤツだと心して聞いた。
「左の腕が上がらないの‥」
なんて、いうかなぁ、だらーんと、
力が入らない感じ?
言われてみると、お姉ちゃんの左肩からのびる腕は力なくぶら下がっている気がした。
いつから?と、お姉ちゃんにたずねてみる。
「ん‥、なんか調子悪いなぁと思い始めたのは去年くらいかな‥」
ばっ‥、バカ、お姉ちゃん、もっと早く言ってよ!、思わず声を荒げる。
「ほら、余計な心配するから‥」
お姉ちゃんはいつもそうだ、ガマンして、ガマンして、知らない間に、大変なことになってる。
ちょっと力が入らないなぁーと、思ったくらいで、ちゃんと動いてたんだよ、でも最近は‥
下を向いて右手で左肩をおさえる姉の表情から、かなり深刻な状態だと感じた。
普通の人なら、病院行けば?の話なんだけど、お姉ちゃんの場合、キホンお父さんしかなおせない。
「まったく、こんな大事な時に、あのボンクラおやじは‥」
お姉ちゃんも、それはわかっているけど、お母さんによけいな心配をかけたくないんだと思う。
お姉ちゃんをなおす手段は、未来にしかない。
02-2
タマキは、妹との会話を思い出していた。
ワタシとの約束、守ってくれたんだね、あの世でボンクラおやじに会えたかな‥
この左腕が動かせるようになったのは、きっと何かの意味がある。
しかし、この左足にくっついてる。小さなトカゲはなんだ?
あらためて、トカゲの顔をまじまじと見てみる。
「体長は5.5cmといったところか‥」
なんな、よくよくみるとかわいい顔をしてるな‥
🦎「いゃあ、そんなに見つめられると、テレちゃうなぁ‥」
タマキは、頭の中にこだまする声におどろいた!
「うわっ!しゃべった」
あらためてトカゲの顔をのぞきこむ。
「オマエ‥、今しゃべっただろ‥」
🦎「さーなんのことやら‥」
「マジか‥、こいつ話せるのかよマシン語を‥」
🦎「そういうアンタも同類なわけだ、どこ製?」
「うるさいなぁ、ボンクラおやじに作ってもらったんだよ、半分は人間だけど、あっちなみに生殖能力はないよ、あしからず」
🦎「へー、じゃあ同類だね、あたしはサラマンダーっていうらしいよ、大きくなると火をふけるよ」
「サラマンダー?そりゃまた、いかつい名前を‥戦闘用かよ」
🦎「まあ、そんなところかな‥、人間が生み出すモンて、たいがいそれが目的でしょ?」
「まあ、ワタシは違うけどねー」
うわ、なんか久しぶりに仲間と会話したら、うれしく、なっちゃった。
「ねえ、おやじから送られてきたんでしょ、ワタシの妹知らない?」
🦎「まあ、そうあせらないでよ‥、知ってるよ、生身の女の子でしょ?」
「生身って、いうなよ‥妹はふつうの人間だよ、ワタシらとちがってね」
(つづく)
最後まで読んで頂きありがとうございました。つづきをお楽しみに〜
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