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カメラを持ち歩くと変わるもの 20年ぶりの一眼レフ

最近、一緒にお出かけする相棒ができた。

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ニコンのD3300。
機体が赤いのは私がシャアだからだが、ちょっといきさつがございます。

この子、Wikipediaによると、初心者向けのこんなカメラだそうだ。

D3300(2014年2月6日発売、DXフォーマット)
D3200の後継機。光学ローパスフィルターを非搭載とした2410万画素のCMOSセンサーを採用、一層の解像感向上を図っている。画像処理エンジンはEXPEED 4を使用、先に同エンジンを搭載したD5300同様最大常用ISO感度が12800にアップした。炭素繊維素材を使用したモノコック構造を採用し、小型化・軽量化を実現。

「だそうだ」なんて他人事のように書いたのは、ある方のオススメをサクッと買ったからだ。
オススメされたのがたまたま赤くて、しかも私はシャアなので、即断即決した。
かつての愛機シャープの「X1-C」にも似ているし。

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こんな画面から「こんな感じで!」と選ぶと、絞りとかシャッタースピードとかISO感度を決めてくれてうまく撮れる、初心者に優しい設計。

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うん。
何度か使ったけど、あまり、うまく撮れませんな、この機能(笑)
結局、こんな画面から、チマチマ微調整して撮っている。

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ブラブラ撮り散歩

この子を連れて、おもに近所で徒然なるままに撮っている。
こんなのだ。こんなのばっかりだ。

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楽しい。
何を撮っても、楽しい。

20年ぶりの一眼レフ

人生初の一眼レフはニコンのF60(多分。記憶があいまい)だった。

入社4年目で大阪に赴任した1998年に、御堂筋線淀屋橋駅の交差点近くにあったカメラ屋で買った。店の名前が思い出せない。もうないみたいだ。
当然、それはフィルムカメラだった。
記者稼業で活用しつつ、2000年に娘が生まれ、撮りまくった写真は大量にアルバムに眠っている。

その後、ガラケーのカメラの性能が上がって出番が減った。
子連れは手荷物が増え、ベビーカーで手も塞がるので、一眼レフはなかなか荷が重かった。
便利で綺麗に撮れすぎるデジカメガラケーの名機CASIOの「EXILIM」がメーンになった。

2010年ごろ、「カメラ」に一瞬戻った。
買ったのはPENTAXのQ10。超ミニなミラーレス一眼だ。広角やら魚眼やらレンズを一通り買って、あれこれ撮って遊んだ。本体とレンズ数本が普通のサイズのウエストポーチに収まるのでお出かけに便利だった。
現在、この子はどこかの段ボール箱の隅っこあたりで休眠中とみられる。どこいった。

刺さった深夜のツイート

ここ何年か、三姉妹も大きくなったし、またゆっくり写真を楽しみたいな、と思っていたのだが、私は何事も「ほどほど」な人間である。
デジタル一眼レフの良いものは、私の「ほどほど」の域を超えるお値段だ。
浦島太郎状態で、どれを買うか吟味するのも大変で、先延ばししていた。

頭の片隅にそんなウジウジを抱えていたある晩、電撃にうたれた。

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写真者・田中泰延さんのツイートである。
まずはこの素晴らしいコラムと、素晴らしい写真の数々をご覧ください。
PCの大画面で見るのをお勧めします。

以下「ひろのぶ師」と表記します。
このツイートを見て、先日、イベントの打ち上げでいった居酒屋の光景が蘇った。

「そこそこのカメラと、いいレンズが2本あれば十分なんですよ」
ひろのぶ師は揚げ物を頬張りながら宣うと、
「ほんとは、あとは何にもいらん!」
と揚げ物に箸を伸ばした。

回想終わり。
ツイートの画像を見返した。安い。
自分でもググってみると、かつて「買おうかな」と迷った機種が、笑ってしまうような叩き売り価格でゴロゴロ出てくる。

(本体を中古でコスト抑えたら、総投資額「ほどほど」でいけるのでは?)

その日は寝て、それからあっちこっちググること数日。

………。

ギブアップ……。

これは、迷宮だ。
そりゃそうだ。中古市場には、10年前のモデルから最新機種まで、なんでもそろっている。
選択肢は新商品ばかりの店頭より桁違いに多いのだ。

ヘロヘロになった迷える子羊は、一緒にハムカツを食べたご縁を頼りに、ひろのぶ師にDMを送った。かみ砕くと「ナニがナニやら。ナンとかなりまへんか?」と泣きついた。
師はあれこれ相談に乗ってくださり、その結果、Map Cameraでお買い上げになっちゃたのが、こちらのお三方であった。

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D3300は本体のみの中古。1万3800円。
タダですか?
美品。軽い。赤い。いかす。

レンズは SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS と NIKKOR 35m F1.8G 。

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お2人様で4万8000円。全部で7万円行かない。
本体とレンズの投資額の比率は1対3.5。「箱」より「目」重視である。
高性能な「箱」を買っても、使いこなせそうもない。
それより良い「目」で、撮りたいものをとらえたい。
これは私の希望であり、師のご指導に沿ったものでもあった。

「届きました!」と報告すると、ひろのぶ師から「すぐさま単焦点でボケ倒すのだ!」とお導きがあった。
超適当に被写体を選び、超適当に撮った。

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ボケ倒していて、楽しい、という以上の意味は何もない写真だ。
でも、むやみに、楽しい。

変わる「風景」と心の動き

相棒ができて1週間。
予想はしていたが、けっこうな変化が起きている。

目に映る風景と、その風景を見る私の心の動き方が変わった。

カメラを持ち歩いていると、すべてを潜在的な被写体と考える。
これまでただ通り過ごしていた事物が、「ちょっと撮ってく?」と声をかけてくれている気がする。
空模様、街並み、建物の細部、よく見ればあちらこちらにある緑。
そんな「大きな絵」や「小さな絵」に、以前よりもずっと解像度を上げて目を向ける自分に気付く。

実は今、あるテーマでちまちまと撮りためている。まとまったら近いうちに投稿します(追記:下の投稿です)

それ以外にも「これ、撮りたい」「写真の形で残したい」と感じる事象が増えた。

最近は毎晩のように、その日に撮った写真をMacbookに取り込んで眺めている。
撮りたての写真だけじゃなく、レンズに収まってくれた事象そのものに愛着がわく。
近所の風景がほとんどなので、撮った後にその場所を通りかかると、ちょっと嬉しくなる。「相手」と親しくなった気分になる。
これもまた、カメラを買う前にはなかった心の動き方だ。

カメラが触媒になって、風景も、自分も、変わる。

一眼レフ、20年ぶりに買って、良かったな。

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