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「本がすき。」書評集

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光文社のサイト「本がすき。」に寄稿した書評を転載しています。ちょっと真面目な文体です(笑)
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#推薦図書

ナメクジに考えさせられる 『考えるナメクジ』

ナメクジほど、「考える」という動詞と縁遠いイメージの生物はなかなかいないだろう。 これし…

高井宏章
3年前
18

「情報のたこつぼ」は作られている 大統領選の混乱と『マインドハッキング』

本稿は光文社のサイト「本が好き。」に寄稿したレビューを改稿したものです。元記事「大統領選…

高井宏章
3年前
25

これで書けなきゃ、お手上げ 『書くのがしんどい』

書名だけみると、ベストセラー『読みたいことを、書けばいい。』の著者、田中泰延さんがこぼす…

高井宏章
3年前
41

10億年後を心配する、最も“ぶっ飛んだ“AI論 『LIFE 3.0』

まず自分の誤算を白状しておこう。 まさか邦訳が出るとは。しかも、こんなに売れるとは。 『L…

高井宏章
4年前
53

研ぎすました短刀のような12編 『刑罰』

各国で絶賛され、日本でも2012年の本屋大賞・翻訳小説部門トップに輝いた『犯罪』の筆者の最新…

高井宏章
4年前
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アトピっ子だった自分に、タイムマシンで届けたい 『最新医学で一番正しいアトピーの…

2月14日に光文社のサイト「本がすき。」にこの本のレビューを書いた。 『最新医学で一番正し…

高井宏章
4年前
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「清々しいほど分からない」のに最高に面白い 『宇宙と宇宙をつなぐ数学』

最初に正直に白状しておこう。 私は本書のテーマ「宇宙際タイヒミュラー(IUT)理論」を全く、何も理解できていない。おそらく理解度を数字で表せば0.0001%以下、いやそもそも自分の理解度がどの程度か想像もできないほど、分かっていない。 『宇宙と宇宙をつなぐ数学』KADOKAWA 加藤文元/著 世界の数学者がその難解さと新奇性から距離を置いて様子見している新理論が、理解できるはずもない。 だというのに、私はこの本を寝る間も惜しんで一気読みして、すぐさま再読に取り掛かり、

『ぼくイエ』ヒットの先にある厄介事

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に11月26日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnote…

高井宏章
4年前
13

何度も再読するだろう、「岩田さん」の珠玉の言葉たち

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に11月18日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnote…

高井宏章
4年前
23

「ゴッドファーザー」の華麗な生涯 『天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す』

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に10月28日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnote…

高井宏章
4年前
12

韓国発「悪童日記」が問う愛と倫理 『アーモンド』

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に10月11日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnote…

高井宏章
4年前
12

「自発性を操縦するデザイン」というハック 『「ついやってしまう」体験のつくりかた…

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に9月18日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnote…

高井宏章
4年前
8

多様性がぶつかる最前線のリポート『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に8月21日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnote…

高井宏章
4年前
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SFに息吹を吹き込む新たな古典の誕生 『三体』

本稿は光文社のサイト「本がすき。」に8月8日に寄稿したレビューです。編集部のご厚意でnoteにも転載しています。 話題の中国発の大作は、評判に違わぬ一気読みのエンターテインメント性をそなえた第一級のSFだ。多くの識者が指摘しているように、スケールの大きさとグイグイと引き込むストーリー展開は巨匠アーサー・C・クラークの古典「幼年期の終わり」を想起させる。 『三体』早川書房 劉慈欣/著 立透耶/監修 大森望、光吉さくら、ワンチャイ/翻訳 ネタバレを避けるため内容に踏み込むの