研ぎすました短刀のような12編 『刑罰』
各国で絶賛され、日本でも2012年の本屋大賞・翻訳小説部門トップに輝いた『犯罪』の筆者の最新作は、期待を裏切らない珠玉の短編集だ。
『犯罪』と『罪悪』の2作を何度も再読してきたシーラッハファンの私にとっては、文字通り、待望の1冊。6月に入手して以来、お気に入りの収録作はすでに3~4回読み返している。
『刑罰』東京創元社
フェルディナント・フォン・シーラッハ
ドイツで刑事事件専門の弁護士として活躍してきたフェルディナント・フォン・シーラッハは、自身が体験した事件を下敷きに創