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資金調達のお知らせと、CRISPが目指すコネクティッド・レストランについて

この度、私たちはベンチャーキャピタルのOne Capitalから約5億円の資金調達を実施しました。これで、昨年の三菱商事からの5億円と合わせて累計資金調達額は約10億円となります。

One CapitalはSaaSに特化した独立系VCで、代表の浅田さんはセールスフォース・ベンチャーズ日本代表時代に freee、Sansan、ヤプリ、グッドパッチ、ビジョナル(ビズリーチ)などに投資し各社のハンズオン支援をするなど顕著な投資実績を誇る業界のトップランナーです。


え?じゃあCRISPはIT企業になるってこと?

「CRISPってサラダ屋がメインだと思ってたけど、モバイルオーダーのSaaSも外販してるからこれからはIT企業としてそっちに注力していくってこと?」って思った方、、全然違います!CRISPはいまも未来もめちゃくちゃ外食企業です。でもみんなが知っているいわゆる普通の外食企業とは全く異なる、新しい外食企業の形「コネクティッド・レストラン」をつくろうとしている会社です。

先日のプレスリリースにもカンタンには書いたのですが、今日はそこらへんをしっかりと説明していきたいと思います。

ちなみに、今回は個人的には浅田さんがCRISPを通じて外食産業の未来を感じ、外食企業もソフトウェアカンパニーのような非連続な成長ができるという可能性を見いだしてくれたことにとても価値があると思っていて、世界で戦うスタートアップを支援してきた浅田さんとこれから一緒の旅にでれることにワクワクしています(浅田さんはCRISP社外取締役に就任します)。

コネクティッド・レストランとは?

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今までにない全く新しい顧客体験を提供し、テクノロジーの力で「非連続な成長」と「高い収益率」を実現する外食の新しいビジネスモデルです。

さらっと書いたんですが、実は現代の外食企業は非連続な成長とも高い収益率とも全く縁がない業界です。

例えば非連続な成長でいうと、外食企業では当然SaaS企業のように「朝起きたら店舗の売上が10倍になってた!」なんてことは起こらないですし、1店舗が5店舗、5店舗が10店舗、10店舗が100店舗と足し算をして、それの積み重ねでコストを削ったりして利益をだすという、イノベーションではなくカイゼンが得意な業界だと考えています(それはそれでスゴイ事なんですが・・)。

また、これも興味深いのは飲食店って繁盛店なら1店舗のときは営業利益率50%とか結構カンタンにだせちゃうんですが、店舗が増えて会社の規模が大きくなるとなぜか利益率が下がっていき、コロナ前でも外食上場企業で営業利益率が10%以上の会社はほとんどないと思います。

ただ、本来はお客さまからの支持があって成長している限り、会社の規模が大きくなればなるほどキャッシュフローも増えますからチャレンジできることも増えて、もっと優秀な人を採用できるようになるし、プロダクトやサービスの品質も高まってお客さまに提供できる価値は増えるはずです。

また、規模が大きくなると調達コストは下げられるので価値が高まりコストが下がるので会社の利益率は高くなるのが当たり前なのに、なぜか日本の外食企業は規模が大きくなるほど「価値を上げる」ことよりも「コストを下げる」ことにより多くのリソースを割いてしまっているように感じていて、せっかく素晴らしいプロダクトを持っているのに本当になんだか勿体ない、なんかおかしいなぁと、自分もずっと外食の世界にいながら思っていました

レストランの本質的な3つの価値

昔から飲食店が成功するには「料理(商品力)」「人(接客力)」「空間(業態力)」の3つの要素が必要と言われています。私はこれからどれだけ外食業界でデジタルトランスフォーメーションが進んでも、これは今も未来も変わらないレストランの本質的な価値であり、お客さまがその店を利用する理由はこの3つ以外にはないと考えています。

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だって、「あの店すっごい不味いんだけど、省人化が進んでてモバイルオーダーで注文ができるから食べに行こうよ」とか「あの店の店員さんめっちゃ感じ悪いんだけどPayPayが使えるからいってみようよ!」とか言わないですよね?やっぱりレストランに行く理由は「美味しいから」か「店員さんがいいから」か「空間がいいから(オンライン体験も含め)」しかないのかなと。

なので、外食企業はみんなこの3つを頑張ってカイゼンしていると思いますし、日本では高いクオリティでこの3つを実現している外食企業がたくさんあると思います。ただ、すごく残念なことにこの3つをどこまで突き詰めていっても「非連続な成長」と「高い収益率」につながらないので、外食企業は儲からないし成長もしない、つまり斜陽産業である、となってしまっています。

私たちはデータドリブンな経営を通じて非連続な成長を実現し、外食産業をめちゃくちゃ成長できて、めちゃくちゃ儲かる、という産業に変えられると考えています。ようするに外食産業が儲からないんじゃなくて、せっかくスゴくいいエンジン積んでるのに正しい方向に進んでいないから儲からないだけだと思ってるんですよね。

進化するときに、比較対象がないって結構タイヘン!

実は今日もう一つ伝えたかったのは、私たちが数年前に「データドリブンなコネクティッド・レストランをつくろう!」的なことになった時に、参考になるような比較対象が国内だと正直全然なかったんですよね。

海外でも同じようなチャレンジをしようとしている企業もあんまりないし、あったとしてもめちゃくちゃグローバル企業だったり、ちょうどいいスタートアップみたいな会社がほとんどなくて具体的な手法やデータが全然手に入らず。プラットフォーマーとかサードパーティからのデータとかはあっても古かったり、結局大事なデータは開示されてなかったり。

私たちが見るべき数字って究極はCAC(新規顧客獲得コスト)とLTV(顧客生涯価値)だけでいいと思うんですが、その辺の数字って外食でまともに全てリアルタイムでデータ化してKPIにしている会社ってあるのかなぁ、とか。

なので、例えばCRISP SALAD WORKSのユーザーLTVが高いのか?それとも低いのか?も比較のしようがないし、離脱は30日で切るべきなのか?それとも90日で切った方がより飲食店には相応しいのか、とかも何回も失敗を繰り返しながら本当にこの数年さぐりさぐりで考えてきました。

CRISPのデータ、全て開示しちゃいます

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なんで、これからCRISPの売上も客数もLTVもアプリユーザーの離脱率も、顧客満足度も、私たちが指標にしているKPIを全部リアルタイムで公開しちゃうことにしました😊

これ社内で見てるのと全く同じレポートで、私たちはCRISP METRICSって呼んでます。

あと数年もしたらどっちにしろ私たちがコネクティッド・レストランと呼んでいるデータドリブンでソフトウェアカンパニーのように経営をする外食企業は増えてくると思うんですが、少しでもそれが早くなったらいいな、というのと、あわよくばCRISPのデータをみて「オモシロそう!」とか「あ、ここ多分私のスキルが役立てるかも!」という人が増えて優秀な人を今まで以上に採用したい、という下心もめっちゃあります。

あとこれは本心ですが、外食業界にこれからイケてる会社がどんどん増えていくひとつのキッカケになったら嬉しいなー、と思ったりもしてます。いまの外食業界のフェーズでは、隠すメリットよりもシェアしてお互いに学ぶメリットの方が圧倒的に多いと思ってるので他の企業も開示してくれたらぜひ見たい!

あ、ひとつだけ忠告しておくと、私たちも今のメトリクスに全然納得してないし、現状のアウトプットにも全然満足してないので、「お手本」にはならないかもしれません。なんで指標そのものがワークしていないと感じたら多分すぐに変えちゃうと思います(でもそれもリアルタイムで開示します)。

本当はもっとめちゃくちゃ数字も良くなってから「どうだ!みろ!」って公開したい気持ちもあったんですが、たぶん本当にこのデータが必要な人からすると、まだそこまで上手くいってないとか、これからもしかしたら成功するかも、っていう会社の数字の方が参考になるかなと思って恥をしのんで出してみました😉

絶賛採用中です!🥗

私たちはカスタムサラダレストラン「CRISP SALAD WORKS」の展開を通じて、非連続な成長と高い収益率を実現する次世代の外食企業をつくろうとしています。

最高のストア体験を提供することを通じてお客さまを熱狂的ファンにする店舗運営のプロフェッショナルはもちろん、ストア体験をテクノロジーやクリエイティブでアップデートする人材も絶賛採用中です。

CRISPにはグローバル外食チェーン経験者はもちろん、メガベンチャーや商社、大企業出身者などさまざまなフィールドの優秀な人材が集まってきています。テクノロジーとクリエイティブとレストランのそれぞれのプロが一緒になって次世代の最高のサラダ体験をつくろうとして、失敗や成功を積み重ねながらチャレンジを続けているめちゃくちゃアツい会社です🔥