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第13回定期勉強会

こんにちは😊

去る5月27日(金)に、第13回オンライン定期勉強会が行われました✨✨

今回は、”重症児デイサービスあすか”の小柳翔太郎先生から、
「ICFとF-Words」
”広島県立西条特別支援学校”の藤本圭司先生から、
「特別支援教育におけるICFの活用」
というテーマで講義をしていただきました🥸✒️

今回の勉強会では、第10回定期勉強会での内容から、
ICFとF-Wordsを知ることは、セラピストと教員のより良い協働につながるのではないか?
という仮説のもと講義が始まりました。

第10回定期勉強会についてはこちらの記事をご覧いただけると幸いです🙇‍♂️
✅第10回オンライン定期勉強会:特別支援教育の実践から考える多職種連携

まず、小柳先生より、ICF(国際生活機能分類)についての紹介がありました。
・ICFは2001年にWHOの総会で採択されたICIDH(国際障害分類)の改訂版
・ICFの特徴として、以下が挙げられます。
 ・プラス面(生活機能)マイナス面(障害)の両面を捉えることができる
 ・相互依存性(それぞれの階層が互いに影響を与え合う)
  相対的独立性(それぞれのレベルには独自性がある)があること

次に藤本先生より、特別支援教育におけるICFについての講義がありました。
まず、学習指導要領におけるICFについて、
「個別の支援計画を作成するにあたり、関係者間での個々の実態等を的確に把握したり、共通に理解したりできるようにするために、ICFの考え方を参考とすることも有効である。」
とされています。
学習指導要領:どこの学校でも一定の水準が保てるように文部科学省が定めている教育課程の基準

次に、特別支援学校におけるICF活用の効果・課題について、以下の文献の内容が紹介されました。
✅特別支援学校におけるICF及びICF-CYについての認知度・活用状況等に関する調査. 国立特別支援教育総合研究所(2010)
https://www.nise.go.jp/cms/resources/content/7412/b-243.pdf

◎ICF活用後の成果では、

・教職員による児童生徒に対する理解の仕方がより多面的・総合的になった
・教職員間の共通理解・連携がしやすくなった
・目標設定がしやすくなった
・実態把握はしやすくなった

といったことが挙げられました。

◎一方で、ICF活用上の課題としては、

・ICFの基本的な理解が難しい
・情報がどのカテゴリーに含まれるのか分かりにくい
・作業が煩雑である
・具体的な活用の方法がわからない
・用語が難しい
・分類項目数が多すぎる

といったことが挙げられました。

◎そして、ICF関連図を話し合いに活かす利点として、

ICFの多面的・総合的な視点は、幅広い視点から子どものことを検討することを可能にする
・関係者がそれぞれ持っている情報をICFという共通の視点で共有することにより、関係者間の共通理解が促され、生産的・建設的な話し合いにつながる
といったことが挙げられました。

また、藤本先生の取り組みとして、
ICFの視点を用いた実態把握から効果的なICT機器の活用を検討した実践的研究が紹介されました。

最後に小柳先生より、F-Wordsが紹介されました。
・F-Wordsとは、Dr.RosenbaumとDr.Gorterによって提唱された、障害をもつ子どもに関わる人々が適用すべき概念です。
・ICFを子どもに置き換える場合、Function、Family、Fitness、Friends、Fun、Futureの6つのF-Wordsを提案されました。
F-Wordsについて詳しく学びたい方は以下のリンクをご覧ください🔥🔥
✅CanChild:F-Wordについて

✅Rosenbaum, Peter, and J. W. Gorter. "The ‘F‐words’ in childhood disability: I swear this is how we should think!." Child: care, health and development 38.4 (2012): 457-463.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/j.1365-2214.2011.01338.x

また、教育現場でF-Wordsを使うコツとして、
CanChildより、以下の3つのツールが紹介されました。
Collage
 
:F-Wordsの各項目に合う写真を当てはめて、子どもにとって何が重要かを
  視覚的に示すもの。
Profile
 
:F-Wordsの各項目について、子どものプロフィールを記載するもの。
Goal sheet
 
:F-Wordsに基づいて子どもの学校での目標を作成し、なぜその目標が
  子どもにとって重要なのかを話し合うためのツール。

✅CanChild:F-Wordsツールの例

まとめは以下とさせていただきます🙋‍♂️

◎ICFを活用することで子どものプラス面に注目した介入をすることが可能になる。
F-Wordsは障害をもつ子どもに関わる人々が適用すべき概念であり、Function、Family、Fitness、Friends、Fun、Futureで構成される。
◎関係者それぞれが持っている情報をICFという共通の視点で共有することにより、関係者間の共通理解が促され、生産的・建設的な話し合いにつながる。

また、勉強会後の懇親会では、医療と教育の連携には「将来を見据えた目標」の共有が重要ではないか?そこからICFを用いて具体的な支援内容を検討できないか?といった議論などもありました😀

今回の講義を通して、ICFやF-Wordsは医療と教育をつなぐ共通言語となりうると感じるとともに、どのようにICFやF-Wordsを用いて医療と教育の連携を実現すれば良いかなどを考える良い機会になりました🙃🔥

今回も多くの方に参加していただくことができました!
参加していただいた皆様、お忙しい中ありがとうございました😆🙏

次回は6月30日(木)21:00〜
広島義肢製作所の門前行正先生に講義していただく予定です🙋‍♂️
詳細は決まり次第改めてSNSで告知させていただきます🔥💪

広島県近辺で活動している方で興味を持たれた方は、是非とも参加していただければと思いますのでよろしくお願いいたします🥺🤲

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