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【30EGGS】トイレを気にせず安全運転(トリプル・ダブリュー・ジャパン)

今回は30の卵のうち、「トリプル・ダブリュー・ジャパン」をご紹介します。

トリプル・ダブリュー・ジャパンは、膀胱のふくらみ具合で排泄を予測するデバイス「DFree」を提供しています。

そんなトリプル・ダブリュー・ジャパンが、D-EGGSの最終30案に採択され、広島県を舞台に実証実験を行います。

起案内容

Interview

経営企画部長の佐田雅弥さんにお話を伺いました。

多くの方が排尿に関してお悩みを持っていますね。
排尿に関して困っている方は世界に4億人以上、国内では4800万人以上、60代以上の約8割と言われています。
また、介護施設では、介護される方々にとっては「失禁は死ぬことよりも辛い」と回答される方もいらっしゃいますし、介護する方々にとっても排泄ケアは最も負担の大きい業務と言われています。
こうした課題に対して、リハビリや自立支援など最適な排泄ケアを行えるソリューションを通じて課題解決を図っていこうとしています。
「DFree」は、超音波センサーで膀胱のふくらみをはかることで、尿のたまり具合を検知するデバイスです。

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現在は膀胱のふくらみを検知するデバイスですが、超音波センシングの技術を活用することで体の中の様々なことが分かるようになります。
体の“今”が分かるということは、“未来”の健康管理のために大変役立つことでしょう。

膀胱は水風船のようになっていて、溜まっていないときには小さく、尿がたまるとふくらんできます。
そして他の臓器に押されている膀胱は、骨盤内の膀胱・子宮・直腸などの臓器を下側から支える「骨盤底筋」という筋肉がその圧を押し返している状態です。加齢とともに筋力が低下すると、この抵抗が弱くなり、尿を溜めにくくなってしまうんです。
さらに、気になるからと頻繁にトイレに行くようになると、溜める力がどんどん弱くなってしまうので、ある程度我慢することで膀胱周りの筋力を鍛えるプログラムを提供するクリニックもあります。

当社のデバイスでは、たとえば尿が30%溜まっているとか、溜まり具合が目に見えるので、サポートする人もそれを見て「もう少し我慢してみましょう」と声かけする、そういった使い方もできるのです。

アプリイメージ

今回はどのような実証実験を行うのでしょうか。
「DFree」自体はすでに販売しているサービスで、実際に多くの方々にお使いいただいています。しかし、さらなる社会実装をはかっていくという局面では、例えばサプリメント市場、大人用おむつ市場、過活動膀胱治療薬市場など、既存の産業と掛け合わせていくことが重要だと考えています。
トイレが近いとか、場合によっては漏らしてしまうという方が、日常生活でどんなことに困っているか。それは、長時間・長距離移動の外出です。
トイレが気になって外出を控えてしまう。
そのような方の外出をサポートし、安心して外出・運転を楽しんでいただくことを目指したいと思い、今回は特にモビリティ領域に着眼しました。

実証イメージ

実証実験の内容は、広島県内の一般モニターの方々に、自動車を運転する際にDFreeを使っていただくというもので、ダイハツ広島販売、あいおいニッセイ同和損害保険の2社をパートナーとして取り組みます。
DFreeを日常生活上のどんなシーンで使っていただくか、そのためにどんな産業と掛け合わせていくかということを重要視しています。

DFreeはどうやって使うのですか。
デバイスは、幅は約5センチ、厚さ約2センチで重さは26g。
専用の装着用シートを使って下腹部に貼り付けます。
今回のものが第4世代目の製品ですが、これまでの製品と比べて大きさ・重さともに3分の1まで小型化することができました。

今回の実験で、モニターの方々には朝着替えるときから夜入浴する前まで常時使ってもらうようお願いします。
尿が任意のたまり具合に達するとアプリから通知。
通知の10秒後には自動的に現在地周辺のトイレを表示します。
また、通知がなくても「近くのトイレを探す」ボタンを押すことで、トイレ検索することも可能です。
開発検討段階では、トイレまでナビゲーションすることも検討したのですが、事前ヒアリングの中で「行きたいトイレは自分で選びたい」というご意見もありましたので、自ら使いたいトイレを選んでもらう仕様としています。
さらに、あいおいニッセイ同和損保から運転挙動をはかる「Visual Drive」というサービスを提供いただけることになり、運転時間帯やその間の安全運転状況をそのタグではかることができます。
実証期間中の運転時間の把握だけでなく、尿のたまり具合と安全運転の相関を検証する可能性も見出していて、こうしたことが可能になったのも2社との協業のおかげです。
トイレを気にせず運転できるようになると、安心感だけでなく安全運転にもつながるのではないかと期待しています。

DFreeの技術で、どのような世界を創っていきますか。
当社は“課題解決する存在”でありたいという思いを持っています。
ヘルスケアの分野では、“Live Your Life”というビジョン。
自分の“今”が分かれば、それに合わせた計画ができる。
計画のままに実行ができれば、達成感や納得感も深くなります。
DFreeの技術を活かして、世界を一歩前に進めるということを目指します。

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