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【30EGGS】ファンの応援をアスリートに、アスリートの気持ちをファンに届ける(エンゲート)

今回は30の卵のうち、「エンゲート」をご紹介します。

エンゲートは、ファンの声援をアスリートに届けるコミュニティ「エンゲート」を運営しています。応援メッセージを送るほか、購入したポイントでギフティングすることができ、アスリートからもお礼にギフトや特別な体験を送ることができます。

そんなエンゲートが、D-EGGSの最終30案に採択され、広島県を舞台に実証実験を行います。

起案内容

Interview

田村憲史郎さんにお話を伺いました。

アスリートやスポーツチームが苦心されていることがあるそうですね。
オリンピックに出場する選手でも、出場するための遠征費用は自ら集めなければいけません。スポンサーがついている一部の選手以外は、苦労しています。
城戸幸一郎社長の同級生で、北京オリンピックでセーリング日本代表の石橋顕選手も同じ状況でした。
同級生みんなで悪戦苦闘して資金集めをしたそうです。
才能あるアスリートが、オリンピックという“夢”を実現できそうなのにお金のために諦める仕組みに違和感があるんです。
オリンピック選手だけでなく、Jリーグやプロ野球などのプロスポーツでさえ、コロナ禍もあって簡単に赤字に成りうる状況です。
「エンゲート」には大小含め110チームが登録しています。(取材日時点)
広島にゆかりのあるチームだと、サンフレッチェ広島、アンジュヴィオレ広島、広島ドラゴンフライズ、ワクナガレオリック(湧永製薬ハンドボール部)なども参加いただいています。
D-EGGSの取り組みを聞きつけて参画のご希望をいただいたチームもあります。

一方で、日本にもスポーツを応援したい、スポーツ好きな人はとても多く、本来スポーツ市場はもっと大きいはず。
これはビジネス構造ができていないということだと思います。

例えば、フィギュアスケートの選手にぬいぐるみを投げるファンはたくさんいますが、選手自身はだれが投げてくれたのか知ることはできません。
もし毎試合ぬいぐるみを投げても、その熱意は伝わりにくいんです。
今はデジタルの時代。有名人への直接的なリーチが簡単にできる時代です。
デジタルを活用してファンの応援する気持ちを直接届ける仕組みを作り、さらにうまくマネタイズされれば、選手側の課題も解決できるのではないか、と考えました。

今回はどのような実験をされるのでしょうか。
ギフティングを地域経済と結びつけるのが今回の実験です。
チーム名に地名を入れるほどスポーツと地域は密接な関係にあります。チームと地域がもっとつながれば、経済もより循環すると考えています。

もうひとつ、私たちが重視しているキーワードが、選手とファンの“双方向性”です。チーム・選手とファンがコミュニケーションを重ねることで関係性を深めていくことを目指します。
ファンの応援に対して、チームや選手からお礼としてサイン入りのユニフォームやメッセージ付きのグッズが贈られる。これはファンにとってとても貴重なものです。
好きなアスリートからもらうものは心に残るし、品物にとっては大きなCM効果が見込めます。
その品をプロモーションとして提供いただけたら、チームやファンはプラスアルファのプレゼントで嬉しい。提供してくださる方にとっては商品力が上がって嬉しい。
地域の特産品を触媒として、チームや選手への思いを地域への思いに変えていくことを目指します。
現時点では、洋菓子の「無花果」、スペシャルティコーヒーの「伊都岐珈琲」、和菓子の「虎屋」、ジャムなどを手掛ける「you-ichi」にご協力いただきます。

図2

これまでのスポーツを応援するサービスは、ファンからの応援に対して、テンプレートのお礼メッセージが表示されるだけなど、一方通行のものが多かったんです。
エンゲートでもメッセージや質問だけ送ることも可能ですが、その後気持ちが高まったらギフティングすることができますので、気軽な応援から始められます。気持ちが高まったときにそれを表せる手段がギフティングです。
選手も、ファンから直接もらうメッセージで感動する、その感動を返信することでファンがまた感動するという循環です。

エンゲートを利用している選手やファンからの反応はいかがですか。
スタジアムでは勝ち負けの応援がメインになりますが、プレーだけでは見えないメンタリティーなどの部分が見ることができると、ファンからもご意見をいただいています。
これまでなかった、選手やチームに気持ちを直接届ける手段としても期待いただいていると感じます。

スポーツの世界はどうなっていくでしょうか。
才能あるアスリートが競技に集中できて、運営や競技への参加に必要な費用面はバックアップが得られる状態が理想です。
プロスポーツひとつとっても、収益が大きくなればできることも大きくなる。
そのためにも強靭なビジネス体質を作っていきたいと思っています。
例えば世界中にファンを持つNBAのように、日本のスポーツが世界中にファンを持つようになれば、世界の企業からスポンサー契約が期待できる。
日本のスポーツをよりグローバルに展開して、また海外チームのファンが喜ぶ形も作り、国境を越えてスポーツ界を盛り上げていきたいと考えています。

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