【30EGGS】離島ぐらしをサポート(エイトノット)
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【30EGGS】離島ぐらしをサポート(エイトノット)

ひろしまサンドボックス【公式】

自然が織りなす多島美によって世界的な観光名所として脚光を浴びる瀬戸内海。
しかし多くの島を抱えるがゆえの問題というのも存在する。
それを独自の自律航行技術によって解決しようとしているのが株式会社エイトノット。
代表取締役の木村裕人さん(38)は言う。

「いま離島地域で生活している人が突きつけられているのが、今後も離島での生活を維持できるのかという問題です。
日本全体の人口減少が続く中、離島の過疎化は特に顕著で、そうした人たちが自由に行き来するための定期船やフェリーの運行は人員面、収益面の両方で厳しくなっているのが現状です。
また、離島生活者は定期船の時刻表に合わせて生活せざるをえず、島によっては1日数便しかないところもあります。
これが必要とするときに移動手段があることで、ちょっとした本土への買い物が可能になるなど生活の自由度が上がり、離島の魅力も向上するのではないでしょうか」

瀬戸内海には多くの定期船が走っているが、今回のコロナ禍により減収・減便を余儀なくされた航路が多数ある。
たとえばエイトノットが実証実験を行っている生野島は人口14人(2021年8月現在)で近くの大崎上島との町営フェリーは1日7便
自由な生活をするには厳しいが、これ以上増やすにも限界がある。
エイトノットはそこに無人で走る自律航行船を投入することで、低コストで、人の手もかからず、かつ必要なときにいつでも使える“海の足”を提供したいと考えている。

「今回の実証実験の目的は2つあります。
まず基本的な自律航行技術の開発が終わったので、船が安全に海上を走行できるか検証します。
もうひとつはこの技術を島民の生活にどう活かすか、ビジネスモデルの検証です。
現在私たちは地元スーパーのフレスタさんの協力を得て、生野島で発注した日用品を大崎上島のフレスタから船で送る計画をしています。
島民の方は船で運ばれた日用品を港でピックアップして、空になった船には生野島で出たゴミを乗せて大崎上島の処理場に運ぶ。
これまで買い物もゴミ捨ても軽トラに乗って、カーフェリーに乗って対岸の大崎上島まで行くという長い行程を経なければいけませんでした。
しかしこれによって大きな短縮が期待できます」

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将来的には人の運行を想定しながら、今回は荷物の運搬に絞って実験を行うという。
実はこの実証実験、エイトノットに関しては“地の利”も作用している。
会社の共同創業者であり取締役CTOの横山智彰さんは実験の舞台である大崎上島にある広島商船高等専門学校の出身。
卒業生自らがふるさとの課題解決に当たっているという状況なのだ。

「おかげで地元の方々とのリレーションも円滑に進み、広島商船高専とは今後の共同研究の契約も締結しました。
今回の実証実験のためには島民のみなさんを筆頭に警察、消防、役場、海上保安部、漁協……など多くの方の理解をいただく必要があったのですが、サンドボックス担当者のおかげでスムーズに話を進めることができました。
まさに“産官学”が同じ課題に向けて手を組めているからこそのスピード感だと思います」

もともと木村さんはダイビングやSUPなどプライベートで海に親しんできた人物。
その中で「こんなに海は広いのに、どうして一部の地域や人しか利用してないのだろう?」という疑問から現在の世界に飛び込んだという。
「将来的には船舶免許を持ってない人でも手軽に海を楽しめる社会を実現したい。そうすれば新しい海の経済圏が立ち上がり、離島への移住者も増えるはず」。
海の男である木村さんは大海原の向こうまで見つめている。

「幸せなことに今は島の方々からの期待感をすごく感じるんです。
最初にヒアリングしたときは都会から来た私たちに不信感を感じておられたけど、『自分たちの利益ではなく、離島で暮らすすべての人のためにこの技術を活用したい』とお伝えしたら、心を開いてくれて。
『あなたたちのやろうとしていることは意義のあることだから、僕たちも協力します』と言ってくれたんです。
その気持ちを裏切ることは絶対できません。
気を引き締めて、必ず成功させるつもりでがんばります!」

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ひろしまサンドボックス【公式】
山を作ったり崩したり、穴を掘ったり、水を足して固めたり…。県内外の企業や人材がみんなで試行錯誤して、様々な産業・地域課題の解決を目指す実証実験の“砂場”です。広島県を丸ごと“砂場”にして、失敗をおそれず挑戦するプロジェクトを応援します。(広島県主催)