株式会社nyansは、その名の通り「全ての猫が『生まれてきて良かった』と思える世界」の実現を目指す2017年設立のスタートアップ。
伸長するペット分野の中でも特に猫に的を絞り、街中の猫をみんなで見守る「ニャッチング」サービスや販促グッズとしても活用できる「ニャンズカード」の製作などを行ってきた。
そんな彼らがD-EGGSプロジェクトで取り組むのは、廃棄量9割のジビエを原料にした新たなるキャットフードの開発である。
今回お話を伺ったのはnyans共同代表の副島義弘さん(29)。
リモートで取材していても副島さんのまわりには飼い猫が自由に歩き回り、猫との暮らしを楽しんでいることが伝わってくる。
そんな副島さんは「動物や地球をテーマに事業を行っている者として、殺処分された害獣の9割が捨てられているという現状は見過ごせなかった」と語る。
生き物の生命をムダにしないこと、それを愛する猫の“ごちそう”として再利用すること。
2つのメリットが重なったとき、今回の事業案が誕生した。
現在は認可の下りているジビエ加工場から、人が食べるには少しスジが多い部分を仕入れ、製造会社と連携しながら商品開発を行っている状況。
そこに広島はどう関わっているのだろう?
話を聞いたのは半年間設定された実証実験期間の折り返しのタイミングだったが、「かなり順調に進んでいます」と副島さんの声は明るかった。
猫の体内環境解析の実験の中で、レシピ開発以外にも活用できそうな発見が多数あったという。
無為に捨てられる命を減らし、猫の笑顔を増やしていく。nyansの挑戦には、ヒトよし、猫よし、山の動物よしの“三方よし”の精神が息づいている。