【30EGGS】無益な殺生を猫のごちそうに(nyans)
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【30EGGS】無益な殺生を猫のごちそうに(nyans)

ひろしまサンドボックス【公式】

株式会社nyansは、その名の通り「全ての猫が『生まれてきて良かった』と思える世界」の実現を目指す2017年設立のスタートアップ。
伸長するペット分野の中でも特に猫に的を絞り、街中の猫をみんなで見守る「ニャッチング」サービスや販促グッズとしても活用できる「ニャンズカード」の製作などを行ってきた。
そんな彼らがD-EGGSプロジェクトで取り組むのは、廃棄量9割のジビエを原料にした新たなるキャットフードの開発である。

「今回の案件は『無益な“殺処”を有益な“殺生”に』というテーマを掲げています。
いま日本全国ではシカやイノシシが田畑を荒らす有害獣問題が多発していて、農家を守る施策として害獣を捕獲すると国や自治体から助成金がもらえる仕組みがあるんです。
ただ殺処分された後の決まりはなくて、現状は捕獲された害獣の9割が何の活用もされず廃棄されている状態。
私たちはその廃棄されている9割のジビエ肉を活用してプレミアムキャットフードを作る仕組みを構築できないかと考えて、今回参加しました」

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今回お話を伺ったのはnyans共同代表の副島義弘さん(29)。
リモートで取材していても副島さんのまわりには飼い猫が自由に歩き回り、猫との暮らしを楽しんでいることが伝わってくる。
そんな副島さんは「動物や地球をテーマに事業を行っている者として、殺処分された害獣の9割が捨てられているという現状は見過ごせなかった」と語る。
生き物の生命をムダにしないこと、それを愛する猫の“ごちそう”として再利用すること
2つのメリットが重なったとき、今回の事業案が誕生した。

「キャットフードで一番難しいのは商品開発。
猫はとにかく好き嫌いが激しくて、いかに食べてもらえるレシピを作るかがカギになるんです。
それに関して、私たちは猫の体内環境を調査しながらレシピ開発を行っています
猫の体質データをとり、それをAI解析することで『この猫は食べる、この猫は食べない』と判別できることがわかったんです。
現在は10匹程度の猫を対象にした小規模実証実験が終わった段階。
100匹を対象にした大規模実証実験に進んでいきます」

現在は認可の下りているジビエ加工場から、人が食べるには少しスジが多い部分を仕入れ、製造会社と連携しながら商品開発を行っている状況。
そこに広島はどう関わっているのだろう?

「本来はこの商品、尾道でとれた肉で作りたかったんです。
尾道は“猫の街”で有名で、“猫の細道”という名所もあって。
ただ尾道にはジビエ肉の加工施設がなく、現状は他地域の肉を使用しています。
今後は広島で材料を確保する道を探る一方、商品が完成したあかつきには“猫の細道”を拠点にPRできればと思っています。
あと、廃棄されるジビエ肉を原料にドッグフードを製造している安芸太田町の株式会社Foremaさんには、ベンダー(製造元)として協力していただいてます」

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話を聞いたのは半年間設定された実証実験期間の折り返しのタイミングだったが、「かなり順調に進んでいます」と副島さんの声は明るかった。
猫の体内環境解析の実験の中で、レシピ開発以外にも活用できそうな発見が多数あったという。

「広島サンドボックスには本当にお世話になってて。
もちろん資金面の援助も助かってますが、それより運営に携わるスタッフや県の職員の方々の熱意がすごくて、積極的にプロジェクトに参加してくれるんです。
地元企業のForemaさんを紹介してくれたり、『もっとこうしたらいいんじゃない?』ってアドバイスを惜しげもなく披露してくれたり。
さっきのミーティングでも実験結果を発表したら『おおっ!』と一緒に盛り上がってくれて。最高のチームだと思いますよ。
だからこそ広島県に恩返しできるよう、プロジェクト終了時には商品のリリースができるようにしたいと思います」

無為に捨てられる命を減らし、猫の笑顔を増やしていく。nyansの挑戦には、ヒトよし、猫よし、山の動物よしの“三方よし”の精神が息づいている。


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ひろしまサンドボックス【公式】
山を作ったり崩したり、穴を掘ったり、水を足して固めたり…。県内外の企業や人材がみんなで試行錯誤して、様々な産業・地域課題の解決を目指す実証実験の“砂場”です。広島県を丸ごと“砂場”にして、失敗をおそれず挑戦するプロジェクトを応援します。(広島県主催)