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【30EGGS】なんでもない場所を、うれしい場所に(Mellow)

今回は30の卵のうち、「Mellow」をご紹介します。

Mellowは、ショップモビリティのプラットフォーム、フードトラック開業支援、イベント運営のサポートなどを行っています。

そんなMellowが、D-EGGSの最終30案に採択され、広島県を舞台に実証実験を行います。

起案内容

Interview

関西の事業責任者を務める西真田寛人さんにお話を伺いました。

なぜフードトラックに注目されたのでしょうか。
東京では15年ほど前からフードトラックの店舗はありました。そのころのフードトラックは道路上で営業していたのですが、10年ほど前に法律が改正されてフードトラックが路上営業できなくなったんです。
共同代表の一人である石澤正芳代表取締役は以前、フードトラックでカフェを経営していました。
その後、フードトラックと空いたスペースのマッチングを始めたのですが、フードトラック事業者がもっと安心して営業できる環境を整えたいと考え、Mellowを立ち上げました。

関西だけでも、1年前と比べて登録事業者数が2.5倍ほどになり、フードトラック事業の加速を感じます。
一方で、フードトラックは「簡単そう」「始めやすそう」という感覚で事業を始める方も多くて、でもいざ始めてみると営業場所に困るというのが実情です。それは都心部でも地方でも同じです。
今後は、もっとテクノロジーの力を使わなければフードトラック市場は広がっていかないのではないかと考えています。

D-EGGSを通してどのような実証実験を行いますか。
ひとつは、実際にフードトラックと営業できるスペースとのマッチングを行うこと。
そしてもうひとつ大きなポイントとしては、固定の店舗で営業する飲食店さんに、1か月ほどフードトラック営業を試してもらうことです。
D-EGGSは特にアフターコロナを強調したプロジェクトですので、現在苦しい状況の飲食店さんにキッチンカーをレンタルしてもらい、フードトラック営業を体感してもらいます。
すでにフードトラック営業を試す2事業者は選定しました。ひとつは餃子のお店、もうひとつはカレーのお店です。この2事業者がレンタルキッチンカーを使ってどんな料理を販売するのかはこれから決まります。

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フードトラックと空きスペースとのマッチングは、どの地域を対象に行いますか。
今回は実証実験ということもあって、さまざまな場所でやってみたいと思っています。
オフィス街だけでなく、住宅街、観光地など、いろいろな属性の場所で実験する。そうすることで今後、場所の属性ごとの戦略を立てることに役立ちます。

プロジェクトを進める中で、苦戦していることはありますか。
パートナー企業さんのおかげもあって、自治体とのつながりなどはとても早かったです。
一方で、出店場所の営業許可が行政からなかなかおりない。公園や集会所など、公共施設への出店はハードルが高いですね。
県が行う実証実験とはいえ、それぞれの分野でいろいろな事情があるので、必ずしも協力的ではないということが壁となっています。
それから、広島のフードトラック事業者さんとはまだオンラインでしかお話できていません。どんな料理を提供しているのかも実際に見ていませんので、さらに深くコミュニケーションをとっていきたいと思っています。

実証実験後の展望を教えてください。
きっと30卵どの事業者さんも考えていると思いますが、実証実験だけで終わらせず、そこから継続することを常に考えながら進めています。
人口減少に伴って、将来的に郊外から大型の商業施設が撤退していくと思っています。住民のニーズはあってもモノやサービスが遠くなるということです。そんなときにショップモビリティが効果を発揮するんです。
さらに大企業と大きく異なる点として、地元の方による事業のため、地域の個性が出やすいということが挙げられます。

消費者の需要が満たされて、地域にお金も落ちる。この循環は、当然地域の方が主役ですので、「東京のスタートアップ企業が進出してきた!」という空気を出しすぎるのはよくないと思っていました。
そういう意味でも、県の事業として実証実験ができるのはとてもいい機会です。

Mellowの考える未来とは。
Mellowのコンセプトは「なんでもない場所を、うれしい場所に」です。
フードトラックだけでなく、例えば花屋、自転車修理のお店などが並ぶことで、ただの公園やオフィス街の一角が嬉しい場所になる。様々なサービスの移動化が進み、テクノロジーの力を使ってなんでもない場所に出店してもらうことで、嬉しい場所を増やしていけたらいいなと思っています。

事業者さんにとっては固定店舗とEC以外の営業形態の中間を埋めることができるのがショップモビリティです。
まだまだ活用できる場所も眠っている。そういうところに出店が増えれば、人口が減少している地域でも必要なサービスを受けることができるようになります。

コロナの影響で、テイクアウトやデリバリーも普及して、店舗で店員さんとお話して仲良くなる機会も減っています。
人と人とのふれあいも生み出せるショップモビリティが日本全国に広がって、日常的に嬉しい場所が増える、そのサポートができたらと思います。

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