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みんなの「全棟保存の理由」

みなさん、こんにちは。

広島県によるパブリックコメント募集は、いよいよ本日16日が最終日です!(パブコメ記入ページはこちら!)

まだ書かれていない方、これまでにキャンペーンに寄せて頂いた、【全棟保存の理由】をまとめましたので、ぜひ参考にしながら、ご自身のことばをつぶやいてみてはいかがでしょうか。
もう書いたよ!と言う方、#わたしのパブコメ #被服支廠 とハッシュタグをつけて、書いたアイデアをぜひSNSでシェアしてみてください。

まず、広島大学の三浦正幸名誉教授の全棟保存の理由です(以下、敬称略)。

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旧陸軍被服支廠は、全棟保存でなければなりません。

理由1 現存最古級(西日本では最古)の鉄筋コンクリート造建築です。鉄筋コンクリート造の柱と梁は細くて華奢であって、それを補足するために煉瓦壁を柱間に詰めた構造です。外壁は丁寧に煉瓦壁で化粧してあります。それらは、最初期の鉄筋コンクリート造建築の形態であって、鉄筋コンクリート造の歴史を語る遺構として、極めて価値が高いものです。また、史上初の鉄筋コンクリート造の斜めスラブ(傾斜屋根)を用いており、その技術的先進性は世界的にも通じます。従って、国の重要文化財指定の価値を十分に有するものです。旧陸軍被服支廠が4棟のL字形配置になっているのは、おそらく広島湾からの艦砲射撃から被服支廠の工場本体(原爆により焼失)を守るためであって、旧陸軍被服支廠の全体構造および規模の壮大さも後世に文化財として伝えなければなりません。

理由2 被爆当時、夥しい数の被爆者が収容されて、そこで苦しみ、息絶えていった方が多くいらっしゃいました。その当時の内部の状況は、ほぼそのまま残されており、そこに入ると、当時のむごたらしい状況が目の当たりに感じさせられます。したがって、その内部の広大さで冷たいコンクリートのむき出しの光景自体が悲惨な歴史を重々しく語っており、それを人の五感で感じ取ってもらいたいのです。そのむごたらしい歴史の現場に立って、自分の目で見て感じることが重要なのです。VRのような偽物の映像では、本物の遺構がもつ迫力を伝えることなど到底できません。それができるというなら、観光弛へ現物を見に行く必要はなく、その映像だけを自宅で見ておれば十分だとか、野球やサッカーの試合会場に行かずにTVを自宅で見ていれば十分だと言うのと同じことです。本物と偽物が同じ力をもつと言う人は、愚か者だと断言いたします。VRは亡くなってしまった過去のものを仕方がないので映像として再現して見る手段であって、現存するものを破壊するために、その映像を保存しておく手段ではありません。

 県が提案した1棟保存はただの外観保存であって、内部の悲惨だった状況は保存されません。文化財としての価値も保存されません。また4(県はそのうちの3)棟をすべて残すことは、被爆当時の被害の大きさを物語ることにも重要です。VRの利用など全くのナンセンスです。
三浦正幸(広島大学名誉教授・工学博士)

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以下は、寄せて頂いたコメントの中から、全棟保存の理由のみをピックアップして載せております。コメント最後のお名前をクリックすると、全文を読むことができます。

「被爆建物」である「旧陸軍被服支廠」はかつて広島市にあった「陸軍三廠」(他は糧秣支廠、兵器支廠)のうち唯一残っている建物です。それだけではありません。東京・大阪の被服廠が現存していない今や、全国的に唯一無二の残存建物なのです。広島の「旧陸軍被服支廠」は広島の近代史、いな日本の近代史を考えるうえで絶対保存しなければならない建物なのです。「旧陸軍被服支廠」を広島人が自らの手で解体することは、愚の骨頂であります。
河西英通(広島大学名誉教授・博士(文学))
この建物を解体することは、貴重な赤煉瓦造りの建築物を、取り返しのつかないかたちで壊すことを意味するだけではない。それは、戦争とそのなかの被爆の記憶の痕跡を消し去ってしまうことをも意味する。このことには断固として異議を唱えざるをえない。一棟でも残せばよいという話ではない。そもそも壊すこと自体が、痕跡の抹殺という重大な問題を含んでいるのだ。
柿木伸之(広島市立大学国際学部教授・博士(哲学))
まず明確に主張しておきます。
県所有の3棟で「全棟保存」というだけではなく、国所有の4号棟も含めて、「4棟全棟保存(及び活用)」であると。
―東琢磨(会社員・パートタイムフリーランスライター)
なぜ壊す必要があるのかそのものがわからないですよね。どれか一つを残すじゃなくて、どれか一つでも壊すことの意味がわからない。…(中略)…僕らはたまたま戦後七十何年経ってここにいるけど、戦後100年経ってここにいる人もいるかもしれないし、200年経ってここにいる人たちもいるかもしれない。75年の人たちが壊しちゃったから見れない、ってことになっちゃうわけです。
片渕須直(映画『この世界の片隅に』監督)
被服支廠の一棟一棟に、等しく、原爆ドームに匹敵するほどの価値があり、この全てが残っている事は奇跡です。一度壊したら二度とかえらないこの建造物群をなんとしてでも残して欲しいです。被服支廠には、どんな建築の大家をもってしても生む事のできない価値があります。
曽我潤心(俳優・劇作家)
建築単体で見れば1棟残せば十分という考えもあるだろう。しかし、この倉庫群のポイントは4棟が並ぶ巨大な空間が現にあることで、被爆の実相とともに広島の近代史を体現している点にある。その点で原爆ドームに匹敵する存在価値があるとも言える。
高田真(アーキウォーク広島代表)


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