見出し画像

「ほっこり授業」におまかせ!「聞く」に敏感な子どもへのアプローチ①

「聞く」ことに敏感な子どもへのアプローチ

ここでは、「音・音声」情報に、過剰に反応する傾向のある子どもたちについて語ります。

まず、子どもの脳内での聞こえ方には、いろいろあることを知ってください。(筆者の経験より)
「誰かが言ってるように聞こえたから、思わず…」というように『聞こえない声が聞こえる』こともよくあります。無意識に鼻歌を歌っている子どもも『頭の中で音楽が鳴っていた』というし、語尾の違いに注意せず、「やってあげようか?」と尋ねたつもりが「やって」ととらえて『命令された』と憤ってしまうなどです。

子どもへ聞き取りをしている場面では、先生と子どもの話が噛み合ってない場面もたまに見受けます。『決めつけられた』『正直に言わない』といった感じ・・
音声情報を処理する速さや相手の意図を推し測る力(算数では『類推する力』になります)について、発達段階の子どもには、個人差があると認識しておくことが大切です。授業では、先生や友達が落ちついて対応すれば、子どもは、安心して反応くれるようになります。

敏感に聞こえてしまうので、こんな行動をします

「聞く」に敏感な子どもの行動パターンを確認しておきましょう。

  • 早合点

  • マイルールで行動

  • 音に音で反応

  • 強い音に強い口調で返す

  • 過剰に反応して興奮する

ここで筆者がいう「マイルール」を定義すると、

早合点なために、周りの様子と自分を比べることもせず、
自分が思うままの行動をやったり
ついつい快感を感じる方の行動を選んだり
という行動の方向性です。

周りからすると、自分勝手と思われる行動や「なんで、それを今するの!」と思う行動です。

こうゆう視点で見ると、前回でも紹介した種本「20日間でできる 学び合いスキル30の算数指導(石田淳一著東洋館出版社)」は、スキルとして、子どもたちへうまく取り入れられていると思います。(先生の働きかけの記述が分かりやすい)
他方、自分で組み立てをするのが得意な特性があるので、算数だと表をかくことや(答えが正しいと分かっているときは)根拠を説明することなどが優れている場合があります。(早合点なので、ミスはあります)

「ほっこり授業」の柱で対応しよう!

・ゆっくり話す
・指さしてから話す
・周りと確認する

・話し手と聞き手のペースをそろえる
ことを意識させています。
意見の交流場面で、敏感に聞く子どもに対して、話し手が一方的に話すと、先述した「聞き取り場面の先生と子どもの嚙み合わない話」と同じ状況になります。
しかし、話し手に注文をつけることは難しいと思います。
「ここまで、いいですか?」と説明の途中で立ち止まることを習慣づけるとかなり改善します。先生がそばで観察していて、「はい」と返事をしたなら「友達思いの聞き方ができたね。優しい「はい」が聞こえたよ」とささやいてあげればいいと思います。過剰にほめたり、大きい声でほめると過剰反応するからです。しばらくは、そばで見守ってあげるとよい行動へ改善します。

次回に続きます。



この記事が参加している募集