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僕とテレビジョン

僕はもう何年もちゃんとテレビを見ていない。

「ちゃんと」というのは、テレビを全く見ていないというわけではないんだけれど、毎週楽しみにドラマを見るとか年末のダウンタウンの番組に釘付けになるとかそういうことを積極的にやっていなかったという意味で、生活の中にテレビがあっても、自分があんまり興味がないだけで、最近のテレビはつまらないとか番組の質がどうのこうのと言いたいわけでは全然ないし、僕はテレビを見るよりは酒を飲んで音楽を聞いたり本を読んだりするほうが好きなんだよ、というだけだった。

僕はいまマレーシアに住んでいて滞在歴は8年目になるんだけど、この間に自分に大きな変化が起きてしまった。

身体がテレビを拒否するようになってしまったのだ。

日本のテレビのバラエティ番組や情報番組で芸人の大きな声が聞こえたり、ジャニーズたちが大騒ぎしていたりすると、その場から逃げ出したくなったり、イヤホンをしてなんとかその目や耳から入ってくる情報を遮断したいという衝動に駆られるようになってしまった。

身体が瞬時に拒否するので、必ず何かから逃げようとしているはずなんだけれど、その理由は僕の中ではハッキリしている。

何年前だったか忘れてしまったが、日本に一時帰国したときにホテルでテレビを見ていたら、どのチャンネルにしても「ベッキー不倫」と「SMAPの解散」の話ばっかりで、ビックリしたことがある。
これって犯罪にならないの?というレベルでベッキーが叩かれていて、謝罪しても更にその謝罪が気に食わないとまた叩いて、ベッキーが本音を語る番組が企画されたりしていて、やってることはいじめと同じだった。

このnoteにも書いたが、バイキングの坂上忍と、番組ディレクターの操り人形であるうんこコメンテーターたちが、ある政治家の失言を巡って、あたかも世論を代表するようなしたり顔でボコボコに叩いているのを見て、ホトホト日本の情報番組が嫌になったこともある。

今回の眞子さんの結婚だったり、総理大臣の風土病への対応だったり、オリンピックの開催だったりで、朝倉未来に片っ端からぶん殴ってもらいたいようなうんこ野郎たちがテレビでうんこコメントでいじめを繰り返していたんだろうというのは容易に想像がつく。

こんな番組を見ている時間があるんだったらすぐに外に出てゴミを拾うべきだ。その方がはるかに世の中のため人のためになる。

一時帰国時にこういう経験をしたから、嘘で塗り固められていたり、誰かの利益になったり、視聴率さえ取れれば何やってもいいディレクターの思惑だったりに溢れかえったテレビ番組から、自分の中にうんこ情報が入ってくるのを頑なに拒絶しているんだと思う。

マレーシアでもTVerなんかで日本の番組を見ることが出来るが、夕食時に家内がたまたま見ていたバイキングに対して、急に汚い言葉で罵倒し始めて止まらなくなってしまって、たしなめられたこともある。
そういうことがあったからか、最近家内はyou tubeで子犬の様子を延々と流し続ける動画を見たりしている。申し訳ない限りだ。

マレーシアで僕が楽しみに見ているのは、野球(主に巨人戦)、グリーンチャンネル(競馬)、新日本プロレスだけだ。特に今の時期はイッテンヨン東京ドームでオカダカズチカがIWGPのベルトを鷹木信吾から奪取するのかどうか、待ち遠しい限りだ。あとはyou tubeでゴルフチャンネルや美味しいものを食べている動画やミュージックビデオなんかを見ている。ひとりの時間が取れれば、Netflixで映画も見ている。

こんな感じでも香取慎吾の結婚やM1の優勝者や新庄が日ハムの監督になったこと、日本の新規感染者数や岸田首相の対中政策、小三治大師匠の死や大谷翔平の大活躍なんかは事実としてちゃんと知っている。もっと深く知りたいことは、インターネットでいくらでも調べることが出来る。

これくらいが、僕にはちょうどいいんだな、きっと。


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