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【ほ】 ホーチミン旅行記

僕はいまマレーシアのイポーというところに住んでいて、滞在歴は約6年になる。

日本企業の子会社のマレーシア工場に赴任しているという立場で、6年もいるとだいぶ現地にも慣れてきて、最近はタクシーの運転手なんかにもいきなりマレー語や広東語で話しかけられることが多い。

恐らく外国人オーラみたいなものが無くなってしまっていて、現地人化しているんだと思う。自分では全く気がついていないが、風貌ももしかしたら現地人化しているかもしれない。たまに日本に帰ってもみんな優しいから口に出さないだけで、「最近あんまり日本人に見えなくなってきたよねー」とか言われているんだろうなとたまに不安になる。

マレーシアにいると、シンガポールやインドネシア、タイはお隣だし、ベトナムなんかも飛行機で2時間ぐらいで到着してしまう。
シンガポールへは橋が架かっているし、タイは地続きなので車で行けてしまう。インドネシアも飛行機で1時間ほどで着いてしまう。

飛行機代もすごく安くて、タイとかベトナム行きなんかは少し前に予約すれば往復で一万円以下なので、海外旅行というよりも国内旅行みたいな感覚で、近隣の東南アジア諸国を訪れることが出来る。

マレーシアでまとめて休みが取れるのは、チャイニーズニューイヤーといわれる中華系のいわゆる春節と、ハリラヤというイスラムのマレーシア人の断食明けのお祭りと日本の夏休みの3回である。

最近は世の中がこんな感じなので海外へ遊びに行くことはできないけれど、年3回×5年と計算しても15回ぐらいは近隣の国に遊びに行っている計算になる。できるだけ同じところには行かないようにしようとしているが、ベトナムのホーチミンだけは2回行ってしまった。

マレーシアに赴任してきて3ヶ月後ぐらいに春節があったので、休みをとって最初の旅行に選んだのがホーチミンだった。

2015年の2月で、海外赴任も初めてだったし、計画も全く立てずに意外と近いし有名だからという理由だけでホーチミンを選んだのだが、これがちょっと間違いだった。

春節というのは中華系の人たちだけにあると思っていたのだが、ベトナムでも「テト」という旧正月を祝う習慣があって、ホーチミンに到着したらレストランはほとんど営業してないし、博物館なんかも全て休館、街も閑散としている感じだった。調べてみたらこの時期はベトナムで最長の休暇期間らしく、人々はそれぞれテトを祝って休日を過ごしていたのだ。

ホテルの人に開いてるレストランを聞いたら、フレンチの有名店や創作料理店などだったので、そこに行って高級なフレンチを食べたり創作料理でワインを飲みまくったりしてきた。
ベトナムはフランス占領時代が長く、フランス人シェフが腕を振るうこのフレンチは予約必須のお店だったらしいが、当日予約で対応してもらえたのは不幸中の幸いだった。

タクシーの運転手に案内してもらって、かろうじてフォーは食べたけれど、他にベトナムらしいことといえば、サイゴン川のほとりをBilly JoelのGoodnight Sigonを歌いながら歩いたことぐらいで、あとは普通に酔っ払って帰ってきてしまった。

それからバンコク、プーケット、コサムイ、ダナン、ホイアンなどいろんな観光地にも遊びに行ってだいぶ東南アジア旅行の楽しみ方もわかってきた頃に、もう一度ホーチミンを訪れることにした。

ベトナムのホイアンという街は最高で、お店の地ビールがジョッキ一杯15円ぐらいだったり江戸時代からの日本人街があったりして、この旅行記もいつか書きたいと思っていたが、【ほ】をホーチミンで使ってしまったので、断念しなければいけないかもしれない。15円ビールの写真だけ。

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話が少しそれるけど、僕はいま、あいうえお順にテーマを決めて文章を書くというチャレンジをしている。マレーシアに長くいることもあって、自分の錆びついた日本語の文章力を鍛え直すという意味もあって、これに取り組んでいる。こういうことなので2回【ほ】を使うわけにはいかないのだ。香港グルメ&香港カップ競馬観戦ツアーもすごく美味しかったし楽しかったんだけど、同じ理由で断念せざるを得ない。

去年の6月に二度目のホーチミン旅行を決行した。前回の反省を生かして、イスラム教徒の断食明けのお休み「ハリラヤ」を利用してスケジュールを立てて、今回は予め下調べをしてレストランを決めていった。

ベトナムに到着したら、まずはビール。ものすごくたくさんの種類のビールがあるが、もっともポピュラーな333(バーバーバー)ビールはお店で飲んでも日本円で100円ぐらい。さっぱりした味わいがベトナムの気候にぴったりでいくらでも飲めてしまう。

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小腹が空いたらバインミーが美味い。カフェなんかでも食べることが出来るが、道端でおばちゃんが手作りするのが一番美味しい気がする。街のあちこちにバインミーを売る屋台が並んでいて、ホーチミンには人気店も多い。フランス占領時代の影響で、パンといえばフランスパンである。牛肉や鶏肉、豚肉を甘辛く焼いたものやハムやチーズなどが入るが、これは選ぶことができる。野菜は玉ねぎやレタス、トマトやきゅうりなんかも入るが、パクチーは絶対に欠かせない。これがベトナムで食べるとなんとも美味い。値段は1本で70円ぐらいで、味はSUBWAYのサンドイッチを5万倍ぐらい美味しくした感じか。
※ホーチミンでこの値段で食べた個人の感想です。僕はSUBWAYも大好きです。

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このホーチミン旅行で必ず行こうと思っていたベトナム料理屋、フーンライ。

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日本人オーナーが経営する大人気のすごく美味しい予約必須のレストラン。でもここはそれだけじゃない。日本人オーナーがベトナムの貧困層の小学校、中学校中退の子供達を教育して自立させ、就労に導くことを目的に運営されている。オーナーの教育が素晴らしくて、接客がとにかく完璧。マレーシアはもちろん、日本でも体験したことがない目配り気配りが徹底されていて、スタッフの笑顔が絶えない。
※ちょっと写真がボケていてすいません。

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食事の後にオーナーと話をさせてもらったんだけど、ベトナム留学後にこのコンセプトを決めてお店を開いたのことで、ベトナムの日系企業に勤めたことはないそうだ。優先順位は利益よりも育成が一番ですという言葉がとても印象的だった。
スタッフはみんな英語も話せて、マネージャーの男の子は日本語も話す。営業外の時間には言語教育をやっているそうで、上の写真にも書いてあるけれど、ここを卒業した子どもたちは、ベトナムの有名なレストランに就職したり、語学力を生かしてホテルなんかに就職したりするらしい。
世界にはホントにすごい人がいるな。

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これだけの料理とビール3本、ワインボトル1本で3,500円ぐらいだったので、もう週イチで通いたいレベル。

ベトナムの麺文化はとても豊かで、有名なフォーだけじゃなくてつけ麺「ブンチャー」や和え麺の「ミークワン」なんかもすごく美味しくて紹介したいんだけど、こんなことやってたらとてつもなく長文になるので、この辺でやめておこうと思う。ダラダラと長文を書くのは僕の悪い癖で、最近スキの数が減少傾向にあるのもこのせいかもしれないという反省もありまして。

いつになったら自由に国々を行き来することができるようになるのかまだまだ見当もつかないけれど、その時が来たらまたすぐに東南アジアに旅行に行きたい。

昼間はビールを飲みながらプールサイドやビーチサイドでゆっくりして、夜はビールとかワインとかウィスキーとかを飲んでいい気分になって、現地の美味しい料理をたくさん食べてお腹いっぱいになって、朝は目が覚めるまで寝ていたい。英語が通じなくて指差しで注文したり身振り手振りでコミュニケーションを取ったりするのも懐かしい。

行きの飛行機でのワクワク感や帰りの飛行機での切なく寂しい感じ、家に着いたときのちょっとした安心感なんかも、また味わいたいものだ。






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