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Armen A. Alchian 1914-2013

アルシアン by David R. Henderson
cited from Econlib.org

 Armen AlchianはカリフォルニアFresno生まれのアメリカの経済学者で、多くの点でRonald Coaseと似ている。コースと同様に彼は本当にわずかな論文しか公刊しなかったが、重要でないものは少ない。そしてコースと同じくアルシアンの論文の多くは広く引用されている。
 経済学を学ぶ多くの学生たちなどは、経済学者の会社は利潤を最大化しているとの仮定(訳注 と現実との差)に混乱する。反論の一つは会社の経営者は利潤を最大化できることを十分わかっていないというものだ。この異論に対して、1950年にアルシアンは最初の主要論文「不確実性、進化と経済理論」で思慮に富む返答を提示した。アルシアンは、すべての会社が利潤を最大化しないかもしれないが、生き残る会社は、運によるか意図的にか、利潤最大化に近づくだろうと論じた。それゆえ我々は利潤を最大化する者を観察するのだと。アルシアンは論じた、少なくとも長期的に利潤最大化の仮定から標準的結論を引き出す経済学者にとって、すべての会社が利潤を最大化しようとすることを示す必要はない。
 アルシアンは第二次大戦中、合衆国空軍に居た間に、学習曲線ー単位当たりコストと累積的産出との関係ーについての初期の仕事の幾つかを行った。航空機生産の学習曲線についての論文は、戦争中彼が行った統計的作業に基づいているが、秘密情報に依っているため1963年まで公刊できなかった。
 アルシアンは、経済学のユニークな教科書である、William R. Allenとの共著「大学の経済学University Economics」で良く知られている。同書はいかなるほかの現代経済学の教科書より、文学的でかつユーモラスで、学部の聞き手には複雑な問題を扱っている。例えば「エデンの園の失敗fiascoにより、我々が汗と緊張と不安の末に得る最大の成果は何か」。同書は読み手が同意しないリスクに敢えて踏み込んで、論争を避けるより歓迎している。同書の暴力についての議論を例にとろうー社会を統制する手段として暴力(物理的力)を非難する前に、暴力が迫られ現実に使用され広く実施されて尊敬されていることに注意せよ。Julius Caesarは、もし彼が地方の住民に乱暴しただけなら犯罪者として非難されていたろうが、Gaul(ガリア人)を打ち破ったとしてローマ人より称えられた。近東を征服したアレクサンダー大王はギリシア人によりならず者ruffianとはみなされず、ヨーロッパ征服後のシャルル大帝(Charelemgne)も同じである。ヨーロッパ人はアメリカを武力で得て分割し再分割した。レーニンはロシアでは権威転覆者とみなされない。スペインのフランコ、キューバのカストロ、ウガンダのアミン、中国の毛、わがジョージ・ワシントンも同じである。
  文学的質の高さと複雑さのゆえに、この教科書は学部生はもちろんMBAクラスでさえ成功しなかった(not work with)。しかしその衝撃は、その販売額に比べて突き抜けている。多くの卒業生、とくにアルシアンが1946年から教えたカリフォルニア大学ロサンゼルス校、そしてアルシアンの学生Steve Cheungが教えたワシントン大学の卒業生が、経済学の基礎をこの本で学んだ。ワシントン大学の学生の何人かは、アルシアンとアレンの考察を、学部の聴衆に理解できるようにした、ベストセラーの教科書を書くまでになった。アルシアンとアレンの教科書は、作り手が補充できないほど大きな便益を生み出した財ー本当の公共財である。そしてアルシアンはその教室ではわがままな皮肉屋を演じていたが、彼の元で学んだ何人かは、彼がその販売額の低いテキストだけでなく彼の学生たちにも、人間性への関心のゆえに、愛情と情熱を注いでいることを感じたのである。
 その教科書のほか、アルシアンの最大の衝撃は、財産権の経済学においてであった(彼はこのencyclopediaで財産権についての論文を書いている)。彼のの財産権についての仕事のほとんどは一行にまとめることができる:「あなたは私にルールを語り、そして私は期待する何が生ずるかを語る」。例えば彼らの教科書で、アルシアンとアレンは、なぜRose Bowlの組織者は、最も高い入札者に売ることを拒んで、それより下の価格で売ることで富を放棄しているかと尋ねる。彼らの答えは、入場券価格を決定する人は、入場券の所有権を持たないので、安い価格で売ることで放棄する富はいずれにっせよ、彼らを富ますことはないのだというものだ。しかし決定者たちは安い価格の入場券を、友人や関係者に与えることはできる。連邦通信委員会の前エコノミストThoman Hazlettは、この理由付けを、電磁波帯域の入札という初期の試みを阻止して与えてしまうことに賛成した理由とした。
 アルシアンは財産権の分析を差別という事象を説明するのに使った。Reuben Kesselとの共著論文の中で、アルメニア人Armenianとして自身差別を受けたことがあるアルシアンは、Kasselとともに差別は利潤が政府により規制されている私的企業でより広範だと指摘し、これは財産権分析が予測するところだと説明した。差別は、単に差別される人にだけでなく、差別する人にも費用を産む。差別する人は、互いに利益のある取引に入れる機会を失っている。それゆえアルシアンとKasselは論じるー差別は差別する人が差別することによるコストを(自身)負担しないところでより広がるだろうと。利潤を規制されていない企業は、差別のコストを利潤を低めるものとしてみるだろう。すでに利潤を規制されているか制限されている企業は、差別からのコストに直面しない。アルシアンとKasselはこの分析を用いて、なぜ規制されている公益企業がユダヤ人を差別したか、なぜ労働組合が黒人を差別したかについて、説明した。この分析は、アルシアンが差別を減らす上で、なぜ政府を信用せず自由市場を信用したかを、説明している。
  カリフォルニア大学ロサンゼルス校で教える前、アルシアンはRand Corporationのエコノミストだった。


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