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2023千葉ロッテマリーンズ、吉井監督の采配を考察する(1)

千葉ロッテマリーンズの監督が新しくなり、当然戦い方も変わって来ます。今までとどのように戦略・戦術が変わったのか、備忘録も兼ねてnoteに記録します。

開幕前:マリーンズの課題

1.主軸となる打者は誰か

2022年のマリーンズが失速した一番大きな要因は、レアード・マーティンの外国人選手が揃って不調になり、ホームラン・打点を稼げる選手がいなかったことです。
新加入のポランコ選手が加入しましたが、それ以外は若手選手の底上げに期待する他なく、昨シーズン終盤良くなってきた山口選手には長打を、入団時からずっと期待されている藤原選手には打率を、と言ったところです。
山口&藤原には、オールスターに出場するくらいの活躍は前半戦でしてもらいたいのが最低限の期待値です。

2.ショートをどうするか問題

毎年毎年、ショートをドラフト上位で獲得している。今年はドラフト2位・友杉選手。
去年の不調でレギュラーはがされた藤岡の復調か、終盤の活躍で出番が増えた茶谷か、新人の友杉か、ファームでいつも期待されている平沢が今年こそやるか。さてさて競走です。

3.レギュラー捕手をどうするか

前任監督の最終年は、松川・佐藤都が主力で使われ、干されていた田村がFAで出ていくかと思われていましたが、監督が代わったことでチームに残りました。
新監督の考え次第で起用法は代わりますし、オープン戦では田村の出場機会もかなりありました。吉井監督がこの3人をどのように運用していくか、に注目したいです。

福岡ソフトバンクホークス戦(3/31-4/2)

開幕カードは今年もホークスでした。イヤな予感しかなかったですw。
開幕戦のオーダーは次の通りですが、オープン戦までの使われ方をみたら、まあ妥当なところでしょうか。

【2023開幕オーダー】
1.荻野貴(ライト)
2.中村奨(セカンド)
3.山口 (レフト)
4.井上 (ファースト)
5.ポランコ(DH)
6.安田 (サード)
7.田村 (キャッチャー)
8.藤岡 (ショート)
9.藤原 (センター)
先発投手:小島

1ゲーム目(3/31)雑感:先発 小島

小島が5回まで0に抑えるも、6回にノーアウト1,2塁のピンチで4番栗原にホームランを打たれる。
7回の攻撃でこちらもノーアウト1,2塁のチャンスをつくるも、併殺打で無得点。4番の差を見せつけられました。
最終回にはオスナ登場。山口が粘ってオスナに13球投げさせたのが、唯一の希望でした。

2ゲーム目(4/1)雑感:先発 種市

トミージョン手術明けで、本格復帰の期待がかかる種市が先発。
4回までに10三振と聞くと一見素晴らしいが、四死球も3つでどうしても球数が増えてしまう。失点はこの日も打たれた栗原のソロホームランの1失点のみだけど、打線が沈黙。2試合連続の完封負け。
種市だけが希望、と言った試合でした。次回はもう少しイニング頼みます。

3ゲーム目(4/2)雑感:先発 美馬

打線を早くも修正、2試合で1点も取れていないので仕方なし。
新しくスタメンで出てきた選手は以下の人たち。
1.岡 (レフト) 
2.友杉(ショート) 
5.角中(DH) 
8.松川(キャッチャー)

松川は予想通り、友杉はショートを争っているのでまあアリかなーという感じですが、角中については早くも角中頼りかーという印象でした。
しかしその角中が打つのだから、この采配は当たりました。
試合は2回に美馬が早くも4点取られ、厳しい状況に。6回に打線がつながり、3点取り返すも追いつくまでには至らず、3連敗。

■ ホークス戦まとめ

吉井監督「現状ご覧の通りチーム力としての差がかなりある。やるのは選手だけど、手助けをして戦えるチームをつくりたい」
本当にそのとおりです。近藤や栗原といったチームの核となる相手選手に好きなように打たれた印象でした。
1度もリードすることなく、投手の継投以外は采配らしい采配も見られませんでした。

北海道日本ハムファイターズ戦(4/4-4/6)

本拠地の開幕戦。福岡で3連敗しましたが仕切り直しです。

1ゲーム目(4/4):先発 西野

2番に角中(DH)が入り、5番にポランコ(レフト)7番に藤岡(ショート)が戻ってきました。キャッチャーは佐藤都です。
久々の先発西野ですが、初回に3ランホームランを打たれちょっと焦りましたが、5回4失点とまあまあ試合を作りました。次に期待です。

いきなり3点は取られましたが、2回にポランコの2ランホームランが出ました。マリーンズでの初ヒットがホームラン。
この日の試合では吉井監督の采配らしい采配が初めて見られた試合となりましたが、印象としては「意外と手堅い野球だ」といった感じです。
具体的には、バントが多かったことです。
3回、ノーアウト1,2塁で中村奨(結果:フィルダースチョイス)
6回、ノーアウト1塁で荻野貴
4回、8回、いずれもノーアウト1塁で佐藤都

4回のバント作戦で3回得点になっているので、この作戦は功を奏しました。
8番の佐藤都はまあ下位なので妥当ですが、荻野貴や中村奨吾といた主軸選手にもバントのサインを出したことに少し驚きました。
他に攻撃で特筆すべき点は、この試合4安打の藤岡と2安打の藤原。下位打線にいる彼らがチャンスをつくり、得点につながりました。

「手堅い」印象を持ったもう一つが、「逃げ切り体制」の構築が早いこと。
1点リードを奪うと、6回表の守備から早くもポランコに代えて守備固めの岡を投入しました。
6回からの投手リレー(小野>ぺルドモ>澤村>益田)に自信があったということでしょうが、見事にハマりました。
最終スコアは、6-4で今季初勝利です。

試合後の勝利監督インタビューでバント采配について聞かれ、「序盤はビッグイニングをつくりたいが、追いつきたいときと終盤の1点が欲しいときはバントもする」といったようなコメントを残していました。

2ゲーム目(4/5):先発 メルセデス

春休みということで、平日のデーゲーム。
安田がスタメン外れて、代わりに茶谷が入る。
マリーンズ移籍後初先発のメルセデス。キャッチャーは田村。
序盤から中村奨や山口の良い守備にも助けられ、6回無失点の好投。
今シーズン、チーム初のQS達成。
攻撃は、昨日から好調の下位打線、藤岡・藤原がたびたび出塁するも、上位打線がホームに返せずに0が続く。

ポイントになったのは1点負けてる7回の攻撃。
藤岡が四球で出塁、次の田村はそれまでの2打席チャンスで打てず、ここは100%バントだと解説の清水直も決めつける中、ファースト&サードがチャージをかけると三塁手野村の正面にバントを転がし、バント失敗。
田村はそろそろ一本出ないと、不味い状況です。
次打者の藤原、2球目にバントの構えで顔付近のボール!間一髪よけて闘争心に火が付いたのか、ファールファールと9球ファールで粘る。
そしてピッチャー返しの内野安打でチャンスを広げる、ナイス藤原!

その後、荻野貴は四球で満塁。一打逆転のチャンスで、誰が決めるのかとワクワクしたらバッテリー間のエラーで2点貰う。ちょっと拍子抜け。

投手陣は、2番手で登板の中森が1失点するも、プロ初勝利。おめでとう!
ペルドモ、益田は2日連投で、盤石の抑え。益田の調子の良さに関しては、清水直のお墨付きも頂きました。

3ゲーム目(4/6):先発 佐々木朗

今季初先発の佐々木朗。キャッチャーは松川。
完勝を期待したい。

ざわ、、ざわ、、スタメンに藤岡の名前がない。。ホークス戦の後、「友杉は3試合に1回はスタメンで出したい」とコメントしていたので、友杉をショートで出すのは想定内だが、一番当たってる藤岡をサードで出さずに茶谷を使うのは、タイムラインがざわつくw
それとも、藤岡は休み休み使う事情があるのだろうか?

WBCから凱旋の佐々木朗希は、今日は80球を目処という予定。1回は球数が増えるも、その後は三振の山を築く。いつも通りの好投。
6回80球、被安打1、無失点で10三振。

攻撃は、初回から荻野貴 〜 友杉(送りバント) ~ 中村奨のヒットで先制。
中村奨吾は本日、3安打。このまま調子を上げて欲しいですね。
今日も送りバントが得点に繋がりました。このバントについては
「佐々木朗が先発の試合は先に点を取った方が相手が苦しくなると思ったので、先取点を取りに行った」と、コメントを残しています。
いつも初回からバントではない。

好調の藤原は今日も7回のチャンスで2塁打を打ち、貴重な中押し3点目となりました。打率.444 中々怖い9番打者です。
終盤には、岡や茶谷にもヒットが出て、最終的に6得点。中村奨をはじめ、不調だった選手にヒットが出はじめて言うことなしです。
継投では澤村は温存、新加入の西村が9回を投げ、古巣相手に場所抑えました。

■ ファイターズ戦まとめ

相手のミスに助けられた点もありましたが、僅差で勝ち切れたのはとても良い結果です。特に勝ちパターンで投げたリリーフが安定していました。
6回までに先行して後ろはリリーフで逃げ切る、それを勝ちパターンとして定着させたら強いチームになります。
打線は、好調のバッター(藤原・藤岡)と不調のバッター(中村奨・ポランコ等)に分かれていましたが、3戦目に10安打6得点打ったように、上向きになりつつあるようです。

1週間のまとめ

6戦目まで、スタメン固定は、荻野貴、中村奨、山口、藤原の4名。
(しかし、荻野貴さんは怪我が心配だぞ・・・!)
それ以外はまだ家庭ではない模様です。
里崎の解説では、ボビー・バレンタイン監督のようにレギュラー固定するのではなく、シーズン序盤は選手を試合ごとに交代しながら使って、戦力層のアップ、連戦での疲れの管理を行う意図があるのではないか、ということでした。

その場合、ここまで6試合のスタメンでは、
【絶対的レギュラー】
 
荻野貴(ライト)※右脚の怪我が心配。。
 中村奨吾(セカンド)
【期待の若手枠】
 山口(レフト/ファースト)
 藤原(センター)
【代えながら起用】
 田村・佐藤都・松川(キャッチャー)
 井上(ファースト)
 安田・茶谷(サード)
 藤岡・友杉(ショート)
 岡(レフト)
 ポランコ・角中(DH/レフト)
こんな感じになりました。

吉井監督のコーチ時代の投手起用法は、リリーフに3連投させるのはペナント最終盤になってから、といったように1年を通した選手管理を、重視していました。(それで時の監督と揉めたり。。)
この戦略を野手にも広げて、1試合1試合の調子の良し悪しよりも、先を見据えた選手起用を重視しているように感じました。開幕直後とは言え打率.600 の好調な藤岡をスタメンから外すのは、勇気のいる判断です。

相手のミスもありましたが、送りバントや犠牲フライなどで効率よく得点する「そつのない攻め」が随所に見られた3連戦でした。

ベンチにいる吉井監督はゲームを随分と楽しんでいるようで、見ているこちらも楽しくなります。なんにしても、吉井監督の采配は面白いです。
まあ、勝ってるときは面白くても、勝てなくなると途端に苦痛になるのが、勝負事なんですが(笑)。これからも、采配に注目していきます。

課題についての今の答え

1.主軸について
期待の若手枠
で試合に出続けている、藤原&山口は好スタートを切りました。特に藤原は打率4割を超えている恐怖の9番なので、このまま調子を維持してもらいたいです。山口は犠牲フライなど、欲しいときに良い打点をとっていますが、早めに一発がみたいですね。

2.ショートについて
ショートはしばらく併用制で運用される模様です。
3連戦なら、ゲーム1,ゲーム2が藤岡、ゲーム3が友杉、という形で。
いづれは固定されていくのでしょうか。

3.レギュラー捕手は
キャッチャーも併用制です。スタメンの回数は田村が多いですが、佐藤都は途中からの出場が多いです。美馬と佐々木朗の相手は松川でした、この辺の起用法は相性が考慮されたかもしれないですが、もう少し試合数をみる必要があります。

こちらのアンサーについては、まだ開幕1週間ですので。
1か月後くらいには、なんらかの結論が出ているでしょう。



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