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「さんま」と言えば秋の名物魚。
ここ数年はこのさんまに異変が出ている・・・

2020年はさんまが大不漁。
ここ何年かは不漁不漁と言われていたのに、さらにすごい不漁だった。

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上のグラフを見ればわかるように、2008年は約35万トンの水揚げがあったさんまが、2020年は約3万トン。12分の1程度まで減ってしまった。

これで心配になるのがさんまの値段。実際、去年は高値が続き、サイズは小さくて脂ののりが悪かった。僕の家でははじめて秋にさんまを食べなかった。

もう「準高級魚」と言ってもいいくらいになってきた印象。昔、いわしが獲れなくて高級魚になってしまった時期が続いていたけど、それがさんまになったイメージ。

さんまが獲れないといろんなところに影響がある。

知らない人が多いと思うけど、さんまって昔はすごく獲れたから、生で全部出荷する訳じゃない。出荷しても買う人がいなければ激安になっちゃうし、激安になるくらいなら冷凍してしまう。冷凍して原料となったさんまは国内の冷凍庫に大量に保管され、さらに海外へも輸出されていたんだ。

さんまが生でお店に並ぶのは7月~11月くらいまで。それ以外の時期にお店に並んでいるのは「解凍」したさんま。解凍だから生より劣るみたいに感じるかもしれないけど、冷凍したさんまっていうのは脂がのっていて大型で、でも値段が安くなっちゃうから冷凍しちゃったってシロモノ。

さんまが店頭に並ぶ7月、8月はまだ脂がのってない時期だから、この時期は解凍さんまの方がおいしかったりする。そして年中販売されているさんまの加工品。例えばさんま甘露煮とか、生姜煮とか、缶詰とか。あの原料っていうのは冷凍さんまが主なんだよね。脂がのったさんまを使ってることが多いんだ。

さんまは冷凍して長く保存できるから、2年後でも原料として使える。例えば今年冷凍したものは再来年加工して、お店に並ぶことができるってこと。そういう風にしてさんまはいつでも使える「原料」だった。

上のグラフでわかるように、漁獲量はどんどん減ってしまっている。そのため、生のさんまはもちろん少ないし、実は原料になる冷凍されたさんまが「無い」状態になってる。

干物や煮魚に加工しているメーカーは原料確保が難しくて、古い在庫が無くなったところはさんまの加工品を辞めたところも多い。あったとしてもサイズが小さい。

数年前は「さば」や「いか」が不漁だった。青森県はさばやいかの加工品メーカーが多く、廃業したところ、合併してしのいだところが多かった。もちろん北海道もそう。このままだとさんまの加工品メーカーがつぶれてしまうのが目に見える。

魚は自然のものとはいえ、養殖技術の確立や国際的な漁獲量の制限などが必要。乱獲するから減るし、育てる技術を確立して業界を守らなくてはいけない。秋の風物詩「さんま」の今年の動向が気になる今日この頃。

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