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ルーチェのお散歩日記  晴れの日(3)   風は、地球からのギフト、たまにいたずら?

 晴れの日(3)   風は、地球からのギフト、たまにいたずら?

 はいどうもルーチェです。犬やらせてもらってます。しかし暑い日が、続きますね。こうなると日中の散歩は自殺行為ですので、夕方、日が低くなるまで、家でゆっくりその時を待ちます。ジーっと待ちます。行きたい気持ちをグッとこらえて、待ち続けます。待ちます。待ちます。。

待てません。

「ルーちゃん、まだお外暑いよー、歩けんよ」
 もう限界まで待ちました。それでも僕は、最近は怒ったりはしません。優しく、たまきちゃんの肩をトントンっと叩きます。そして、プリティーフェイスを見せつけてやります。そうすれば、すぐに連れて行ってもらえるのです。無駄に吠えてはいけません。疲れるだけです。それでも聞いてもらえない時もあります。その時は、仕方がありません。まずは、中が空洞なフラッシュ戸の建具を、ちょっと爪を立てながら叩きます。すると絶妙にちょっとだけ不快な音が出ますね。それでもダメなら次は、除菌シートの入ったプラスチックのケースを同じ要領で叩きます。爪をちょっとだけ立てるのがポイントですね。ちょっとだけです。不快になり過ぎては、いけません。そのバランスは匠の技です。これで大概は、連れて行ってくれますが、それでも無理な時は、仕方なく、最後の手段として、吠え散らかすのです。あくまでも、最後の手段です。その時は、仕方なく本気を出します。わめき散らします。あくまでも仕方なくです。そう、ビゼンさんのようになります。ビゼンさんというのは、僕の分身のことです。普段は、備前焼の置き物みたいに、なってます。普段はね。ビゼンさんなのに、岡山県じゃなくて、三重県で、出会いました。まあそれは、おいおいお話しますね。ビゼンさんとの出会い編で、お話しますね。
 さあそろそろ散歩へ出かけましょう。
 家の周りの人は、みんな散歩が好きです。いろんな人が歩いてます。ただ歩いているだけで散歩じゃないかもしれませんが。そこを歩いているって事は、僕にとっては、みんな同じ事です。だからね、みんなに挨拶するわけです。わけ隔てなく。偏見は、いけません。何してるかって、僕の可愛さで、みんなに癒しを与えているわけです。会う人全員に可愛さ振りまいてます。よっぽどやばい人じゃない限りね。そうです。僕を見れば、癒しが受け取れて、幸せになれるんです。ただし受け取れる人には、条件がありますね。まず見てない人は、ダメですね。考え事をしているのか、なんなのか、そこにいるのに、心は別の場所にいるから、目では、捉えてるようでも、脳まで情報が伝達されないんですね。それから犬嫌いの人もダメですね。単に犬嫌いじゃなくて、なんだか偏見とか固定概念が、こびりついちゃってる場合ですね。現に犬嫌いを公言していた、ばあちゃんがいますが、最初は、「私は犬嫌いや」と言って、見るのも嫌がってました。触るなんてもってのほかだそうです。それがどうでしょう。嫌いとは言いながらも、だんだん話かけてくるようになりました。犬は嫌いやーといいながら、「今日は、どこまで行ってきたんやー」とか、「もう疲れたんかー」とか。しばらくすると、犬さわれないはずのばあちゃんが、しれーっとツンツンしてくるようになりました。そこからは、早かったね。今ではメロメロちゃんです。そうですね、ばあちゃんは、犬嫌いだったけど、心は、ここにありました。この場所に居ました。そして、80年ぐらい生きてきた間に、ガッチガチに出来上がった、固定概念や、偏見は、徐々に、僕が溶かしていったのです。自慢のようになってますが、事実ですのでしかたがありません。こわばっていた、ばあちゃんの表情は、今では、優しい笑顔に変わっています。ばあちゃんは、幸せというギフトを受け取ることができました。ミスチルも歌ってますよね。ただね、僕には、初めから、その笑顔のばあちゃんが、見えてたんですね。だから僕はギフトをあげ続けることができたんです。
 ギフトを贈るってことは、その人からなにかもらってるからお返しする事ですね。物をもらうとわかりやすいですけど、物以外にも、もらってるものは、いろいろありますね。技術だったり、情報だったり、癒しだったり、、空気だったり、。もらうだけじゃないんです。減らしてもらっている事もありますね。不安とか、責任とかは、減らしてもらっている。「同居人も、土の先生からいろいろもらってるよね」「そうだね、なにもらってるかなー、野菜をもらってるなー自家製の取りたての。一緒に土をもらってる。学びをもらっている」「先人達が、なぜ仕事が続けられるのか、それはね、土を触り続けているからだよ」「土かー、なるほど、畑でも借りてみようかな」
 いつものように話ながら散歩していると、西から、心地よい風が僕らを包みこんで、抜けていきました。

風は、ギフトです。
涼しさを与えてくれます。
新鮮な空気をくれます。
気持ち良さをくれます。
風とともに、不安とかイライラとかを取り去ってくれます。

 すてきな風をありがとう。また巨人さんだね。巨人さんは、ピンポイントで、息を吹くんだね。巨人さんの息は不思議なんです。全然臭くないの。あの見た目なのに、鬼みたいな。土みたいな。土??土だからかな。土とか緑とか、そういった自然の香り。心地いい風を起こしてくれる。そうか巨人さんは、土なんだね。草も生えたりしてるし。巨人さんは地球なんだね。この前、ホースで撒いてくれてた水と似てるね。「ああ、あれは鼻水です。」そうなんだね。すてきな鼻水ですね。そんな事よりさ、でもあなた、ときどきいたずらしているようね。髪のセットを乱したり、スカートをめくったりしてるでしょ。バレてますよ。いくらね普段ねイイ事してるからってね、許される事ではないですからね。今日はね、あなたを逮捕しに来ました。「、、、逮捕て、どないやねん。」

「あー急におなか空いてきたールーちゃん帰ろー」
同居人の男は、散歩してると急におなかを空かせます。「あなた僕や巨人さんを見習って、もう少しまともなギフトを考えなさいね。いっつも卵ばっかりあげてさ。みんながみんな坂東英二じゃなんだからね。」「わかったよー考えてみるね。ルーちゃんにもあげるね今度。」
 それは楽しみだね。それでは帰りましょ。あー気持ちよかった。


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