ヨーロッパの人の人生観・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第65話>
ヨーロッパの人にとって、休暇やバカンスはとっても大切。人生を楽しむことが生きていく上での第一の目的なのです。
おそらく日本人とは考え方が違っていて、
・日本人は、一生懸命働いたので体を休めるために休むとか、よく働いたご褒美としてバカンスを取るという感覚だと思います。(もちろん勤勉なのは良いことです)
それに対し、
・ヨーロッパの人は、バカンスを取って人生を楽しむことが人生の第一の目的。でも、そのためには元手となる資金が必要なので そのために働く、という考え方だと感じます。
例えば、ヨーロッパには夏時間(春から秋にかけて時刻を1時間早める)の制度があります。もともとは、生活する時間帯をずらして冷房や照明などの光熱費を抑えるのが目的ですが、日の長い夏の期間は 会社の現地の人達は終業時刻の定時にさっさと仕事を切り上げて、家族と一緒にスポーツをしたりして楽しい時間を過ごしています。
実際、夕方17時は 太陽はまだ頭上の高い位置にあり、ほとんど昼間の明るさです。やろうと思えば そこからゴルフのハーフコースを回ることもできます。
一方、駐在している日本人は、定時になっても周囲が明るいためにまだまだ働かなきゃという感覚になり、残業を続けています。会社に残っているのは日本人ばかりという状態となります。
フランス工場長の主張
ある時、フランス人の工場長との雑談で かつての私の日本(東京地区)での働き方を話したことがあります。
夕方 定時に帰宅することはほとんどなく、20時か21時頃まで仕事をし、それから1時間以上かけて電車に乗って帰宅し、それから食事。
もちろん、家族は既に食事を終えているので、一人で食事をします。(小さい子供たちは既に寝ていることもあります)
すると、工場長は急にまじめな顔をして、私に説教を始めました。
「あのね… 君は家族というものをどう考えているの? そろって一緒に夕食を食べ、一家団欒の時間を過ごすのが家族というものだろう…」等々。
そんなことはわかってるわい。でも日本のビジネスマンはこれが普通なのさ。(反論はしませんでしたが)パリならともかく、この南仏の地のフランス人にはなかなか理解してもらえそうにありません。
なじみのホテルのフロントで
以前イギリスから出張ベースでフランス工場に勤務していた際に、いつも泊まっているアルルのホテルのフロント係の人と仲良くなり、良くおしゃべりしていましたが、ある時 彼が言いました。
日本人の団体ツアー客が大型バスに乗ってよく来るけれど、皆 夜到着し、一泊だけして次の朝には出発していく。この町は見どころいっぱいなので、もっとのんびり2、3泊くらいしていけば良いのに...。
確かにそうだねぇ。でも、日本人は忙しいからね と言葉を濁しておきました。
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