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レストラン ウエイターの勘違い? ・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第57話>

フランス工場はゴッホの絵で有名なアルルの街の近郊にあります。アルルはローマ時代からある街で、円形闘技場の遺跡もあります。まだイギリス在住でフランス工場へ出張で来ていた時には、アルルのホテルに泊まっていました。

アルルの円形闘技場遺跡。今でもイベントで使われています。

ある日、フランス工場での生産が機械のトラブルでうまくいきませんでした。現場の不具合状態を日本の技術担当に伝えて解決を図りたいのですが、時差の関係で(日本は夜中なので)今すぐ聞くことができません。

仕方がないので、ホテルに帰ってから近くのレストランに晩御飯を食べに行きました。円形闘技場遺跡のそばで、割と観光客が多いレストランです。
食事をしながら、明日やるべきことについていろいろと考えをめぐらせます。
・明日の朝一番で日本の○○さんに電話して相談しよう。
・今日の状態は、機械の・・・の調子が良くなかったな。
・テストで運転条件を変えてみたら・・・だったよな。
てなことを考えながら、忘れないように手帳に記入しておきます。

食事をしながらメモを書き、しばらく考えて、そうだこれも連絡しなくっちゃとまたメモし・・・
というふうにしていたら、なんだかウエイターがとても愛想がよいのです。 
やたらと「食事の味はどうですか」とか聞いてきます。「おいしいよ」と適当に答えると、とても喜んでいます。

そんなに豪華なメニューは注文していないのに、食事が終わって支払いを済ませて帰る時には、「どうぞまたいらしてください」的なさらに丁寧な挨拶を受けました。

ホテルへの帰る道すがら、ふと気づきました。
もしかして、私のことを誤解してない?
食事をしながらさかんにメモを取っていたので、あの有名なグルメガイドの覆面調査員と勘違いしたのでは…?

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