見出し画像

仕事にはまだ慣れない・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第4話>

「仕事にはまだ慣れない」

イギリスでの生活をなんとかこなしていきます。
スーパーでの買い物、食事、掃除、洗濯、クリーニング・・・
休日には家の近所を散歩しながら探索。 

仕事も少しずつ慣れてはきたものの、それでもなかなか仕事の仕方がわかりません。なにせ、前任者がいないので、新会社の運営のために何から始めればよいのか・・・
会社自体も買収に伴う組織編成でごたごたしています。
英語もうまく聞き取れません。丁寧にゆっくり話してくれればわかるのに、こちらが日本人であることを全く気にせず、イギリス人同士と同じ話し方で容赦ない早口で話しかけてきます。(悪気はないようですが、相手のレベルに合わせて話すという意識を持ち合わせていないみたい。)

ため息

あまり弱音は吐かない方だけど、1ヶ月もするとさすがに疲れてきました。
しかも、毎日どんよりとした天気で憂鬱。
会社からの帰りに大型スーパーマーケットに寄った時、近くで花火が上がりました。(11月にはイギリス各地で花火大会があるらしい。)
スーパーの駐車場で、寒空の下 次々上がる花火を見上げながら「つらいな~」とため息が出ました。
この空は日本までつながっているんだよね・・・ 
夜空に見えているあの月は日本からも見えるんだよね・・・

落ち込んでいても始まりません。なるべく積極的に会社内でのコミュニケーションを図っていこう となんとか気を取り直します。 

親切な人

居住に関する手続きのために、行政区の市庁舎(Council)がある大きな隣町のKingstonへバスに乗って行きました。

あまり詳しい場所を知らなかったので、(当時スマホとかないため)駅前あたりの大通りで地図を広げてきょろきょろしながら探していたところ、イギリス人の女性が「どうしたの?」と声をかけてきました。
「Councilに行きたいのですが」と伝えると、「あ~ それならあそこですよ」と丁寧に教えてくれました。

東京で、地図を見ながら困った顔をしている外国人のおじさんに、女性が自ら進んで話しかけてきたりはしないように思えます。親切な対応にとても感謝です。
不慣れなイギリス生活にこれまで戸惑ってきましたが、この件もあってだいぶ心が落ち着いてきました。

同僚のホームパーティー

年末に、開発部のイギリス人のジョンが、毎年開催しているというホームパーティーに誘ってくれました。イギリスでパーティーに参加するのは初めて。
案内のあった18時ちょうどに彼のアパートを訪問したところ、一番乗りでした。他にはまだ誰も来ていません。しばらくおしゃべりをしていたら30分ほどしてちらほらと友達が到着してきました。
どうも日本の会社生活のように 指定時刻の5分前に集合 というのとは異なるみたいで、「パーティー:18時開催」というのは「パーティーの準備が18時にできるので、それ以降の都合の良い時間に来てね」というのが向こうでは一般的らしい。19時に来る人もいるし、20時に来る人もいます。

会社の同僚は誰が来るのかなと思っていたら、合計20人近くの人が集まったけど、皆 個人的な友人ばかりで会社の人はいません。やっぱり欧米の人は会社以外の個人的なつながりを大切にしているのね。

全く見知らずの人にいきなり声をかけるのは気が引けるので、ジョンの後ろについて回って少しずつ話の輪に入っていきます。
21時を過ぎるととてもにぎやかになりました。でも、パーティーが始まってからずーと立ちっぱなしなので、ちょっと疲れてきました。皆立ったまま あっちでおしゃべり こっちでおしゃべりを続けています。22時になっても誰も帰ろうとしません。さすがに疲れたので、ジョンに断って帰ることにしました。(自分の都合に合わせて帰るのも自由みたい)

後日ジョンに聞いたら、パーティーは夜中の2時くらいまで続けていたそうで、さすがに近所から苦情が出たとのこと。でも、毎年のことらしい。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?