ロンドン・パリに中央駅はない・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第61話>

大都市の中央駅

日本のJRの東京の中央駅は、東京駅ですね。主要な在来線も新幹線もここを起点として、東西南北に向けて鉄道が走っています。
東京をまたいで(例えば名古屋から仙台へ)移動する場合、まず東京駅に到着し(駅構内の別ホームの)目的の路線に乗り換えれば結構です。

しかし、ロンドンもパリも東京駅のような中央駅はなく、北駅・南駅・東駅・・のような主要な駅がいくつかあります。これらはターミナル駅 いわゆる終着駅です。
ハリーポッター映画で出てきましたが、ホグワーツ魔法学校に入学するための列車は、ロンドン北駅の一つであるKings Cross 駅から発車しました。

東京でいえば、ちょうど次のような感じ。
 ・東京から北に行くための始発駅は上野駅。
 ・東へ行くには東京駅
 ・南に行くには品川駅
 ・西に行くには新宿駅
 ・これらの駅間の移動は地下鉄

新幹線に相当するイギリスやフランスの高速鉄道(EurostarやTGV)を利用する場合、目的地によって路線が異なるので、大きなスーツケースを持っていると、乗り換えがちょっと不便です。

地下鉄での移動でトラブル

欧州の駅の特徴として、改札口は無人で しかも切符を通す改札機がないところがまだ多いです。券売機で切符を買った後、するっと列車に乗れます。車内では車掌が時々切符の確認に回ってくるので、もし持っていないと罰金が科せられます。

ある時、出張で 都合により飛行機ではなく高速鉄道でロンドンまでいくことになりました。
マルセイユからTGVでまずパリ南駅(Gare de Lyon)に着き、ロンドン行きのユーロスターが出発するパリ北駅(Gare de Nord)へ地下鉄に移動します。

南駅(Lyon駅)で地下鉄の切符を買おうとしましたが、券売機が見つからず 探しながら地下へ降りていくと地下鉄のホームに出てしまいました。
ちょうどそこへ地下鉄の電車が到着。スーツケースもあるし また地上へ戻るのが大変なので、到着した駅で乗り越し料金を払えばいいやと安易に考えてそのまま列車に飛び乗りました。
ところが、地下鉄を乗り継いで到着した北駅(Nord駅)は新しく改装され、自動開閉する扉を備えた改札マシンであり、まわりに駅員もいません。

周りを探すと、駅員を呼び出すインターホンがありました。でも、事の経緯をフランス語で説明する語学力がありません。仕方がないので、英語で説明しますが、どうも理解してもらえません。

そのうちに、地下鉄の乗降客で親切なフランス人がインターホンとやり取りしている私を見かねたのでしょう。やって来て通訳してくれました。
インターホンからは「切符を改札口の機械の穴に入れなさい」と言っているらしい。
そんなことはわかってます。でも、切符がないのです。そのフランス人に乗車した駅で切符の買い方がわからなかったということを通訳して伝えてもらいました。

すると、奥の方から駅員がやって来て、改札口を手動で開けてくれました。特に料金も請求されませんでした。
フランス語の話せない日本人のビジネスマンを面倒くさいと思ったのでしょうか。

とにかく、切符はちゃんと買ってから電車に乗りましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?