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フランス人は英語嫌い?・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第50話>

日本で時々聞くうわさ話に、フランス人は英語がわかっていてもわざと話さないというのがあります。
私の経験としては、ケースによりけりで、確かにそういう時もあります。

1)町の観光店

客に物を買ってもらうことが最優先。観光客相手にフランス語だけで通していたら商売にならないですから、英語があまり得意でなくても、一生懸命対応してくれます。
おかげで私達家族もフランスでの日常生活を無事始められています。

2)公務員(地方のお役所)

ダメですね。
滞在許可の申請にいつも行く役所の担当窓口のおじさんはサービス精神が全くなく、片言でも英語を話そうなんて気は全然ありません。
まあ、もともと愛想が良くない人でいつもむすっとしていますが。

3)空港のカウンター窓口での出来事

ある時、イギリス工場への出張の際に、マルセイユ空港でロンドン行きの飛行機に乗り遅れてしまいました。(私がフランス工場での仕事を早めに切り上げなかったのが悪いのですが)

航空会社のカウンターへ、代わりの便を探すために相談に行きました。カウンターの地上係員の女性が対応してくれました。
 「乗り遅れてしまったのですが」
 「それは残念でしたね」
 「次の便に替えてほしいのですが」
 「残念ながら今のが最終便で、本日はもうロンドン行きはありません」
ここまでは英語での会話です。

重要な用事があって、どうしても今日中に行きたいのです。直通便はなくても、経由便ならあるはずです。パリ経由、フランクフルト経由、コペンハーゲン経由など。
そこで、しつこく食い下がっていろいろ説明し、経由便を探してくれと申し入れました。
すると、係員は面倒くさいと思ったのでしょう、突然フランス語で話しだしました。
「Je ne parle pas anglais.(私は英語を話せません)
 Je ne comprends pas anglais.(私は英語がわかりません)」

ちょっと待てぃ!。さっきまで私と英語で話をしていたじゃないか。
係員は、こんな面倒な客の相手はしたくないという風に、もうフランス語しかしゃべりません。
私は係員が話したことは聞き取れましたが、反論するほどのフランス語力はありません。

仕方なく、明日の便に変更しました。

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