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分散投資の本当の意味がわかっていますか?

サラリーマンのための投資戦略(23)】
このマガジンでは、サラリーマンが「信用資産=お金を借りる信用力」を活用して「年収の10倍以上の資産」を作るための方法を解説しています。

マガジンに記事をまとめています。➡【サラリーマンのための投資戦略】

今回は、サラリーマン投資家にとっての「分散投資」について考えてみたいと思います。

1、初心者は「自分勝手なタイミング」で投資を始めて、当たり前のように失敗している。

初めて、株式投資を始める人の多くは、ニュースやネットで「株式が高騰している」という情報を聞いて、自分も儲けたいと「投資本」を買い、その直後に投資を始めた方が多いと思います。

初心者は、自分が始めたいと思った時に、投資を始めてしまうんですね。

でも、これは大きな間違いです。

株式投資に限らず、不動産投資でも、仮想通貨でも、自分が始めたいときに投資を始めるというやり方では、成功できません。

(1)あなたが「本屋で投資本を買った日」が投資を始めるタイミングではない!

投資の基本は「安く買って、高く売る」ことです。

ですので、投資を始めるべきベストタイミングは、「投資するものの値段が下がった時」なのです。そして、「ニュースやネットで騒がれるようになった時」が売り時です。

初心者はこの売買のタイミングを考えないことが多いので、ニュースやネットで多くの人が「大儲けした」と話している時に投資を始めてしまいます。

「一番高い金額」で購入して投資を始め、価格が上昇しなくなって、周りの投資家がどんどん売り始めて、ずいぶん価格が安くなったところで「あーあ、失敗した」と言って売却してしまいます。

「一番値段が高くなった時」から投資を始めてしまったら「高値からさらに暴騰する」というような幸運が起こらない限り、その投資で利益をあげることはできないのです。

(2)「買うタイミング」を待てなければ、投資は失敗する。

どんな投資でも、あなたが投資を勉強し始めたタイミングでスタートしたら、失敗する可能性が高くなります。

なぜなら、株式も、不動産も、「あなたがいつ勉強を始めた」かに関係なく、変動しているのです。「あなたがちょうど勉強をはじめたところだから、今すぐに投資を始めたい」というのは、ただひとりよがりなのです。

勉強した投資が既に高値をつけていたら、投資を始めるタイミングではないのです。「投資を始めるのを待つ」しか成功への道はありません。

「安く買って、高く売る」という投資の大原則は、決して変わらないのです。

(3)世界は投資機会で溢れている!

ところが、幸いなことに、2021年の年初めである今は、世界中でお金が余りまくっていて、2020年から続く「バブルの時代」に突入しています。

サラリーマン投資家にとっては、10年に1度くらいの大チャンスなのです。

「バブルの理由」は、コロナ禍の経済対策のため各国政府がばら撒いたお金が世界中で余っていて、その多額の資金が国境を跨いで「還流」していることです。コロナ禍が終息するまでは、お金あまりの状態が続きますから、2021年も年末くらいまではお金があまり続けることが予想されています。

余ったお金は、これからも、世界中のあらゆる投資先に流れ込んでいて「これから値段が上がってゆく投資対象」がどんどん生まれます。

いったん上昇しきってしまい、その後は買手がなくなっていた投資先でも、長い間隔を開けることなく、再度、投資資金が「還流」してきて、また上昇を始めるという現象も起こっています。

私たちは今、「投資を始めて良い対象が毎日のように生まれている」、そして「あらゆる投資先の値段を押し上げることができる、新たな資金がどんどん追加されている」時期に遭遇しているのです。

投資の大原則は「買いのタイミングを待つこと」なのですが、投資できる対象がどんどん増えているので、投資する対象を幅広く探してゆけば、余り待たずに投資が始められます。そして、結果的に分散投資もできてしまうのです。

2、投資を始めるタイミングはいつなのか?

(1)不動産投資

不動産投資のタイミングは、「金利」「土地価格」「建設コスト」の3つで決まります。

「金利」が下がると、不動産が買いやすくなるので、不動産の値段が上がります。現状、日本は低金利が続いていますから、金利面から見ると、今は不動産価格が高止まりしています。

一方で、低金利は、借金をする立場からは有利な環境でもあります。土地を持っていないサラリーマン投資家はが不動産投資を始めるなら、多額の資金を安く調達できる低金利な時を選ばざるを得ないジレンマがあります。

「建設コスト」も変動が大きいので、建物部分の価格に大きな影響を与えます。現時点で「新築物件」を購入すると、建築費が高騰している分だけ、値段は高くなっています。

では、中古マンションならどうでしょうか?

中古物件ごとの価格を比べてみると、「建設コスト」が安かった時期の中古物件は値段が低めに提示され、「建設コスト」が高かった時期の中古物件は高めに提示されています。

サラリーマン投資家が、低金利を生かして不動産投資を始めるなら、今がお金の借りやすい時期なので、「建設コストが安かった時代の中古物件」を探すか、「建築費が下がるのをもう少し待って新築を購入する」のいずれかの作戦を取ることになるでしょう。

「土地価格」はどうでしょうか?

「土地価格」は地価の変動によって決まりますから、相場の変動よって高い時期と安い時期が生じます。また、変動幅は地域差が大きいので、人口流入の多い人気の地域では高騰しやすく、人口流入が続いている地域では変動幅が小さく、多くの場合は下落傾向にあります。

首都圏や一部の地方都市を除けば、売却時には土地部分の価格が下がっている前提で、投資計画を考えて置く必要があるでしょう。

不動産価格は、購入した時点で、投資の成否が8割決まると言われています。

1つの物件に必要な投資金額が大きく、投資期間も長いので、投資を開始するタイミングが一番難しい投資手法なのです。

「不動産投資の成功談」に多いのは、「リーマンショック直後の不動産価格が大暴落した時に不動産ローンを組んで物件購入し、その後、長期に金利が低下する中で返済を順調に終え、不動産価格が上昇したところで売却した」ことによって資産が増えた人達です。

2021年から同じ手法で不動産投資を始めても、その後、10数年にわたって同じ投資環境が続くとは限りません。

不動産投資はサラリーマン投資家にとって、信用資産を生かしてレバレッジがかけられる重要な投資手法ですが、資産規模を拡大するタイミングには注意すべきでしょう。

(2)株・コモディティ投資、仮想通貨

株式や金などの貴金属、仮想通貨は、取引市場での中長期での価格変動によって資産価値が変動します。

一番確かな投資手法は、「市場が大暴落した直後」から投資を始めて、「暴落前の水準に戻るまでの期間」で売却することです。

2020年はまさにその投資手法ができる大チャンスでした。

では、2021年の年初からでは、投資を始めるのは遅いのでしょうか?

将来のことは誰にもわかりませんが、一つ言えることは、2020年に株式市場の全ての銘柄が上昇したわけではないので、これから上昇を始める投資先がまだあるということです。

そうした投資先を選んで投資すれば、2021年にも株式投資やコモディティ投資で利益を出せる可能性は十分あると思います。

なぜなら、世界中でお金が余りまくっているので、これまでは値段が上がっていなかった投資先に、今後、お金が流れ込む可能性があるからです。

仮想通貨も、総資産の3〜5%くらいは投資しておいても良い投資対象と思います。なぜなら、誰も、今後どのくらいまで価格が上昇するのか予想することができない投資先だからです。

一方で、これまでの歴史を見ると、仮想通貨はあっという間に価格が半額まで下がってしまう投資先でもあったわけです。

ですので、仮想通貨に対しては、無理のない範囲で投資しておくというスタンスなのだろうと思います。

3、投資期間への理解がなければ、利益を最大化できない!

(1)不動産は超長期運用

不動産投資はいったん始めると投資資金が長期に固定されます。ですので、数年後に使う可能性のある資金を運用する先としては適していません。

サラリーマン投資家が無理なく投資するとすれば、10年〜20年は使わなくて良いお金を頭金として投入し、運用の7割〜9割は長期の不動産投資ローンでまかなう計画が必要でしょう。

不動産投資は、借金をしてレバレッジを効かせることで、超長期の投資成果を目指すものなのです。

(2)株式・コモディティ投資、仮想通貨は中長期運用

株式や貴金属などのコモディティ投資、仮想通貨は、取引市場の変動に合わせて、「安い時に買って」「高くなったら売る」という投資手法となります。

いったん投資を始めてしまうと、いつ投資を完了できるかは市場次第ということになりますから、1〜3年くらいは使わなくても良いお金を投資する必要があります。

一方、不動産投資と違って、長期に多額の資金を投資する必要はないので、借金をして株式や金、仮想通貨に投資するのはお勧めできません。

より高い投資効率を求めるなら、不動産投資のように借金をして投資金額を増やすのではなく、「年間に1ー2回売却を繰り返し、資金を何回転も運用する」ことで、投資効率を高めてことを目指すのだろうと思います。

4、分散投資とは「投資のタイミング」「投資期間」「リスク変動」の違う投資対象を組み合わせること。

(1)「もうかっている投資」があるから、一時的に「もうかっていない投資」を売らずに、中長期の投資ができる。

分散投資ができていると、「資産トータルで見たら儲かっているが、中にはいくつか出遅れている銘柄がある」という状況になること多いと思います。

そうした状況であれば、出遅れている銘柄を、じっくり待つという精神的なゆとりが生まれます。

一方で、一点集中して投資した銘柄が長期に低迷すると、気持ちが焦って「売り時を待つ」ことができなくなります。

投資は自分自身のメンタルとの戦いでもありますので、分散投資をして、市場での価格変動に一喜一憂しなくて済む投資手法を選択することも大事な戦略だと思います。

(2)投資期間が違うから、手持ちの余分なお金の用途に合わせた投資ができる。

教育資金や結婚資金などは、人生のイベントに合わせて支出しなければならない資金です。ですので、そのための資金は、イベントまでの残りの期間をよく考えて、投資先を選ばなくてはなりません。

よく考えずに手元のお金を投資してしまうと、必要な時に手持ちのお金が足りなくなり、「売り時」ではない時に投資を中断せざるを得なくなります。そうなると、十分な投資効果が得られなかったり、損失を被る可能もあるでしょう。

投資する銘柄を分散しておけば、売り時の銘柄を選らんで資金化することができますので、銘柄を分散しておく工夫が大事です。

(3)銀行残高の「10万円」を有効活用したい!?

仮想通貨やFXは比較的短期間で、24時間365日、資金運用が可能です。

投資金額が少なくても始められますから、1ヶ月くらい使わない銀行残高があれば、いつでも直ぐに投資できます。

ただ、「FXは本質的に儲けを出すことが難しい投資手法」なので、安易に始めると、すぐに投資資金を失ってしまう恐れがあります。

なぜなら、FXは投資家が全員儲かる可能性はなく、取引による儲けと損失は1対1の関係にあるからです。取引相手の誰かの損失が、ちょうど私の利益になります。逆もそうです。

また、素人がプロと対戦するマーケットでもあるので、情報が少ない素人の方が負けてしまうことが多いことも、FXが難しい理由です。

一方で、株式やコモディティ投資、仮想通貨は、価格が上がっているときは時価総額という価値全体が大きくなるので、価格上昇時には、投資した人が全員が同時に儲けることができます。この点がFXとの大きな違いです。

短期投資で仮想通貨に取り組むのはどうでしょうか?

仮想通貨は、株式同様、タイミングを選べば、中長期的には利益が出せる可能性が高いのですが、短期間で成果が出せるかどうかは「神のみぞ知る」なのです。

「10万円全てをF Xや仮想通貨に投資して、一気に2倍にしてやろう」などと考えてしまうと、多くの場合、投資の種銭が貯まる前に、資金を大幅に失ってしまう可能性の方が高いかもしれません。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。

山海弘