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山頭火

先日の日本経済新聞で山頭火の特集がありました。読もうと思った動機は、亡き父が山頭火を好きだったこと。これまでに山頭火を掘り下げることなく、13年の時が経ちました。

山頭火は、ずいぶん歩きながら、五感で俳句を残した人。その俳句も型にはまらない。まるでジャズのようです。バーチャルが重きを置かれるようになった今、歩いて感じて残す言葉は、今こそスポットライトが当たるのは当然かもしれません。

時代の節目には、注目されてきた人らしい。

何故父は山頭火を愛したのか。幼くして母を亡くした父は、家族の不幸にまとわれた生涯の山頭火に自分の境遇を重ねたのかもしれません。また1人で行動することが好きだった父は、単独で旅をすることにも共感したように思いますし、そして何より、どうしようもない自分の弱さを開示する姿勢に、自分もそうだと共感してきたのではないかと感じます。

立派な人の話に刺激は受けても、真似できないなって感じる事があるのは否めません。むしろ人が共感できるのは自分もそうだと弱さを実感する時の方が多いかもしれません。弱さを開示することは、様々な人の心へ届く素晴らしさにも思います。

日経新聞の記事は、こう締め括ります。山頭火の文学が、このコロナ禍で窮屈な暮らしに追い込まれている人の心へ分け入っているように思いますと。


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