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ビジャレアルのケースから学ぶ

ビジャレアルで様々な経験を積んでいる佐伯夕利子さんから色々と話を聞いた。

日本は指導者がまだまだ権威、権力を意識、無意識的を使って、厳格に対応していて、どうしても選手に対して、抑圧や抑制があって
難しい状況になりりがちである。
それではポテンシャルが出せない。

選手は、抑圧などの不必要なプレッシャーから解放された時に、クリエィティブになるということであった。

僕の経験からしても、誰かの目を気にしたり、その人が求めていることのみをやろうとしてしまうとCreative にはなれない。
その範疇に収まってしまう。僕は通ったラグビースクールはエンジョイラグビーを掲げていた。高校の部活動では、
自分たちで考えて練習や試合に挑むことができた。良い環境であった。

スペインにおいても、最初から出来ていたわけではないということであった。
ビジャレアルは、それを解決するために、スポーツサイコロジストを10人ほど在中して、コーチ120人と向き合うようなことを2014年から
実施しているクラブである。

週に2時間は向き合う時間がある。
ここに向き合いきれずに去っていったコーチもいる。
簡単なことではなかったのであろう。

例えば、チームが成功するためには厳しさが必要です。とコーチが言ったとする。
状況によっては間違った話ではないかもしれない。

ただ、そのときに、聞き返される言葉は、あなたの本音はなに??と何度も問われると仰っていた。

その根底には、実は不安、怖さがある。じゃあ、その不安をなくすためには、〇〇ということになっていった。
グラウンドの上においても、サッカーでプレスしよう!!といっても、抽象的だと伝わらない。もっと具体的に声がけをする。
というようなこともあったようだ。コーチに求められる言語化能力。

そして、自らを知ること。
自分の状態、調子、言葉、ありたい姿。
その上で接していくのがコーチとしての大事なポイント。

この部分を徹底的にやってきた。その積み重ねで今がある。

クラブのトップは、隣の県からきた人だったようだが、本当に気さくで、権威を全く使うことなく、市民と触れ合っている。
自分がクラブに何を遺せるのか?ということが念頭にある。継承がベースにある。
市民でもグラウンドが空いていたら、サッカーもできる。選手の練習も見れる。社会との関わりを大事にしている。
クラブを作ってくれる、守ってくれるのは市民だと心から考えているのであろう。素晴らしいリーダーだと思う。
5万人の街のコミュニティになっている。誇りになっている。

幸せなのは市民だけではない。そこに携わる人々も大事にしている。

選手は、色々な専門家に囲まれて、充実した選手生活を送ることができる。

1流選手になるのが限られている中で、人を育てることを大事にしている。
だから、違うクラブにいっても戻ってくる選手、コーチがかなりいる。

選手やスタッフにとっても、well-being な場所なんだと思う。
成功、結果という極めて認知的な世界での well-being 
アマチュアで好きでやってきたスポーツが16歳でプロとなると、お金を稼ぐものになる。
その意向は簡単ではない。認知的になりやすい。

そんな熾烈な環境の中で、人を育てるというのは、遠いようで、実は近道なのかもしれない。
このクラブに在籍した人たちは、1流になる可能性もある。なれなかったとしてもサッカーを通じて学んだことを
活かしてキャリアを歩み続けられる。

そんな世界を作ろうとしているのではないか。それが持続的な組織だと思う。
目先の勝利、優勝、成功にとらわれない。
もう一つの指標をもったスペインのクラブから学ぶことは多い。

昔からできていたわけではない。というのも象徴的な話であった。

元々家父長制のスペイン、独裁政権であったりもした。
ところが、EUという仕組みによって大きく変わった。
人の行き来が起きることで、もっと柔軟にやっていく必要性がでてきた。
混じり合うことで、学びを得た。
成果を出すために、おもしろいことをするために違いが当たり前でいろいろなものを
受け入れる必要が出てきた。

そうしないとEU内にて生き残れない。
その競争環境がスペインを変えたと仰っていた。

異なる文化、言語の中の流動性が高まったことが大きかった。
つまり、場が大事なのであろう。

我々、日本人は島国にいる。
どうやって、混じり合うを体感できるのか。
この部分に自分自身は、プロジェクトを作って向き合っていきたい。
海外との交流の機会、日本の中においても、多様性を感じられる場所にいき、交流する。
そこでの学びをこれまでの生活に活かす。

そのためにWAZIWAZI PROJECT が始まっている。
アフリカ、ケニアとの交流プロジェクトである。

人、ビジネス、スポーツが行き来する世界を作っていきたい。
こちらは改めてお伝えします。

夕利子さんは、日本の指導者のハラスメントなくすための検定制度を作って、
スポーツ界を変えていきたいと仰っていた。
この活動もとても重要である。
自分でできるサポートはしていけたらと思います。

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